第二章⑤

モロがジャックに放った水の刃を、ミツチカの雷が蒸発させる。水の沸点に近い温度の水蒸気の中から、その熱を意に介さずにジャックが飛び出してきた。

それを見てモロは自分の右側に氷の盾を展開。すると突然盾が粉々に砕かれた。ジャックが水蒸気の中から飛び出したのと同時に、こちらに風の刃を放っていたのだ!

「水蒸気と雨のおかげで、見え見えじゃぞ?」

水蒸気と雨粒の不自然な動きからジャックの行動を見抜き、モロは氷の盾を展開したのだ。粉々に砕かれた氷の盾に、モロは術を重ねてかける!

「ほぅれ。今度はどうするのじゃ?」

砕かれた氷はそれがそのまま鏃となり、カーネルめがけて飛来する。それを見て鏃の前に飛び出してきたのは、ジャックだった。

「……」

一つ一つが必殺の威力を持つ氷の鏃を、無言で両手に持ったナイフではじき返す。

ジャックと鏃の間に、ミツチカが割り込んできた。

「ビレッジ様、お下がりください!」

ジャックに届ききる前の氷を、ミツチカは自分の尾で叩き落す。落とされた氷は散って雨に打たれ、すぐに水へと姿を変えた。

ジャックとミツチカは死ぬことのない悪魔の特性を活かし、自分と契約しているカーネルの前に躊躇なく飛び込んでくる。モロの攻撃を、その攻撃を受けた悪魔が一時的に再起不能にならないよう互いの連携を密にして助け合っている。どちらかの悪魔が欠けると、それだけでカーネルを守る駒が減るため、離脱者が出ないように戦っているのだ。

先行して進んでいるのは、先ほどと変わらず俺とモロだった。

モロは俺を抱えて完全な浮遊状態。雨風に吹かれながらも、カーネルたちを引き連れるように空を飛んでいる。

俺たちを追ってくるカーネルたちを見るモロの目は、さしずめ玉座から自分に仕える下々を眺める王者の瞳。この世で自分こそが絶対的な勝者であると確信しているかのように、余裕すら漂わせてモロはカーネルたちを引き連れている。

その後を追うのはジャック。自分の術を使い、飛ぶというよりも跳ぶようにして屋根伝いに雨の中を突っ切ってくる。

走るようにしてこちらに迫るジャックの技量に、俺は舌を巻いていた。屋根に降り立った時、ジャックは足音を立てないのだ。

初めは雨音にかき消されていると思っていたのだが、そうではない。

今もジャックは、まるで羽が落ちるようにふわりと屋根に舞い降り、そこから足の踏み込みと術を併用させて一気にこちらに飛翔してくる。

悪魔の戦闘スタイルは、悪魔のデタラメな術の威力と、死なないという特性を活かして力技で押してくる場合が多い。

スパイクのように自身を術で強化させる悪魔もいるが、最終的には力技だ。ジャックのように、技と術を合わせるような、術を補助として使うタイプの悪魔は初めて見た。どことなく魔術師的な戦い方をしているように見える。

そのジャックにわずかに遅れてこちらを追ってくるのは、ミツチカだ。ミツチカは電柱の電線を道として走っている。術を用いて空中浮揚をしているのだ。

移動を開始してから、ミツチカはジャックを援護するように攻撃を仕掛けてくるようになった。

モロがジャックへ放った術はミツチカの雷が消し、カーネルへ放った術はジャックが庇い、そのサポートをミツチカが行う。

一方カーネルとブチは、道路を走っている。術を使っていないため、ミツチカのかなり後方にその姿が見える。戦闘に参加してくる気配もない。俺は、それが気になっていた。

何故カーネルはブチを戦闘に参加させない? 移動後の本格的な戦闘を前に、鼓を節約しているのか?

いや、それはない。鼓の量を気にしているのなら、ブチを実体化させている理由が分からない。

再度実体化をさせるときの鼓の量を気にしているのか? それもないはずだ。そもそも鼓の枯渇しないという自信があるから、カーネルは複数の悪魔と契約しているのだ。鼓の量に問題があるのなら、どれか一体の悪魔と契約を破棄すればいい。それだけで問題は解決する。

では、何故実体化させている? 先ほどのように盾にするためか?

「ふん。懲りん奴らじゃ」

モロがミツチカの雷を軽くいなし、切りかかってくるジャックのナイフを雨で作った刃で受け、押し返す。

押し返されたジャックをミツチカが受け止めるも、そこにすかさずモロは水の刃を投擲した。

そのまま二人とも串刺しにならないように、ミツチカがジャックを庇う。ミツチカの左腕に水の刃が突き刺さった。

苦悶の声をミツチカが上げるも、刃を腕から引き抜いた時には既に傷は癒えていた。

その隙を突いてモロがカーネルに雷を放つが、ジャックが避雷針の代わりに雷にナイフを投擲。雷が空気とナイフを焦がし、イオン臭が漂う。

ジャックが新しいナイフを取り出す前に、モロはミツチカに向かって氷の矢を射った。その矢はジャックの風に阻まれ、ミツチカまで届かない。

悪魔同士の戦闘では威力を抑えたモロの術だけで圧倒できるが、カーネルまでモロの術を通すことが出来ない。

ミツチカとジャックのコンビネーションが良過ぎる。一体どれほどの期間一緒に組んでいたんだ?

「コーイチ。妾、そろそろ飽きてきたのじゃ。もう町ごとぶっ飛ばしてもいいかのぅ?」

「それやったら、俺がお前をぶっ飛ばすぞー」

信じられないことを言い始めたモロを、俺はたしなめた。

「ちぇっ。もう少し妾にかまってくれてもよかろうにぃ。つまらんのじゃぁ。コーイチがかまってくれんので、つーまーらーなーいーのーじゃー!」

苛立ちをぶつけるように、モロは雨粒を弾丸に変え、それでミツチカを撃ち抜いた。撃ち抜かれた反動で、ミツチカは後ろに吹っ飛ばされる。と、その後ろからジャックが現れ二本のナイフを投擲し、風を起こしてジャック自身もナイフと同じ速度でこちらに迫ってくる。その両手には、新たに抜いたナイフが既に握られていた。

「どれだけ繰り返そうとも、妾にお前らの攻撃なんぞ届かないのじゃ」

モロはナイフの進行方向に氷の壁を展開。二本のナイフを落とした後、ミツチカを撃ち抜いたのと同じ水の弾丸を作り出す。そして狙いをジャックに定め、発射する。

「ばーん、なのじゃ」

頭部に迫り来る弾丸を、ジャックは二本のナイフを交差させて受け止めた。何とか弾丸の軌道を逸らしたものの、ナイフは二本とも砕け、その衝撃でジャックは空中でバランスを崩して家と家の間に落下していく。

そこに蛇の尾が伸びてきた。ミツチカだ。

ミツチカと入れ替わるようにしてジャックは屋根に降り立つとナイフを取り出し、すぐさま戦線に復帰。一方ミツチカはジャックの代わりに落下したが、蛇特有のうねる動きで音も立てずにすぐさま家の外壁を登ってくる。

あれ?

「モロ。今、なーんか変じゃなかったか?」

「何がじゃ?」

モロは、この違和感に気づいてない。

だったら俺の勘違いか? いや、これはもしかすると……。

「モロ。ちょっと耳かしてー」

「んはぁぅ! な、何じゃ、急に耳元で喋るでないわ! はっ! それとも、もしやこれはコーイチから妾へのアプローチ? ついにかまってくれるのか? そうか? そうなんじゃな!」

「いいから耳かしてよー。やってもらいたいことがあるんだよー」

俺はモロに耳打ちをする。耳打ちをしている間、モロは、んふぅ! あはっ! と喘ぎながらジャックとミツチカに風の刃と稲妻を放ち、隙あらばカーネルに向かって水の弾丸を撃っていた。カーネルまで術は届かないが、それでも片手間で悪魔たちを牽制している。

流石は最強の悪魔だ。頼もしすぎる。今回もモロだけに任せて大丈夫そうだ。

「んほぅぁ! こ、こぅいてぃ。妾、新しい何かに目覚めそうじゃぁ……」

ダメかもしれないっ!

「……話、ちゃんときーてた? モロ」

不安になり、俺はモロの耳元から顔を離して普通に話しかけた。

「あっ……。んもぅ! もう少しじゃったのにっ!」

何がもう少しなんだよ……。

「ホントに聞いてた? だいじょーぶ? ちゃーんと術で攻撃してよ?」

「分かっておる分かっておる。ほぅれコーイチ、見るのじゃ。もう少しで昨日の採石場じゃぞぅ。既に結界も施してある。それに、頃合いもよさそうじゃ。そろそろ仕掛けるかのぅ」

俺はモロに抱えられた状態で体を捻った。モロの言葉通り、昨日シンと戦った採石場が見える。

「他ならぬコーイチの頼みじゃ。お前ら、食らうがいい」

言うよりも早く、高度を少し下げてモロは雷の矢をミツチカに放っていた。ジャックはすかさずモロの雷にナイフを放ち、これを迎撃。ミツチカを援護する。

一方モロの術を自分の雷で迎撃する必要のなくなったミツチカは、その時間を利用して俺たちとの距離を詰めた。

だが、モロは既に別の術を発動させている。さっきモロが『お前ら』と言ったように、俺がモロに術で攻撃を頼んだのはミツチカだけではなかったのだ。

俺がミツチカを攻撃させたのは、ジャックの足を止めるためだ。

モロがカーネルに雷を放った時、ジャックはナイフを避雷針代わりにした。そしてその後、新しいナイフを取り出した。他にもジャックはナイフを失った後、必ず新しいナイフを取り出していた。

つまりナイフを取り出す刹那、ジャックの動きは止まる!

それを見越して、モロは既に水の弾丸を放っていた。今までのものより小さい弾は、さぞかし雨の中では見難いだろう。今からジャックが風を起こしても間に合わない。

それに気づいたジャックは、回避運動を取ろうとした。

先ほどジャックは、水の弾丸を二本のナイフを犠牲にし、辛うじて防いでいた。だからジャックには、回避という選択肢しかない。

ミツチカの援護のために既に一本ナイフを失い、新しいナイフを取り出しきれていないジャックは、いくら小さいとはいえ一本のナイフで水の弾丸を受けきれるとは思っていない。

「……!」

しかし背後に視線を送ったジャックは、回避できなかった。自分が今どの位置に立っているのか気づいたのだ。

モロの放った水の弾丸。その射線上には、ジャックとカーネルがいた。ジャックが避ければ、水の弾丸はカーネルに届いてしまう。

一方のミツチカも、ジャックの援護があったため先ほどよりも俺たちに近い位置に移動している。

ジャックを援護しようにも、水の弾丸が近すぎて術を放てばジャックを巻き込んでしまうし、回り込んでカーネルの身代わりになるにしても距離が離れすぎている。今からでは間に合わない。

ジャックが回避し、その後弾丸をミツチカが打ち落とすという連携も取れるが、万が一はずしてしまった場合には勝負が決してしまう。そんなギリギリの賭けをするとは思えない。

「ビレッジ様!」

ミツチカが絶望の叫びを上げる。

これは、将棋で言うところの王手飛車取りみたいなものだ。

使った駒は香車(水の弾丸)。香車による王(カーネル)と飛車(ジャック)の田楽刺し。王が取られれば将棋は負けるため、飛車は動くことが出来ない。

だが、それはあくまでも将棋の話。盤上の駒が悪魔というのなら、話は違ってくる。

何故なら悪魔は、刺されても死ぬことはない。たとえ刺されたとしても、盤上からいなくなることはない。

普通の悪魔であればこの状況、モロの放った水の弾丸をジャックが自分の体で受け、ミツチカはジャックが回復するまで一人で時間を稼ぐ、という戦法を取るはずだ。

ミツチカ一人でモロ相手に時間を稼げるかは別問題だが、ジャックが回避してからミツチカが弾丸を打ち落とすという賭けに比べたら、まだ勝算はある。

だから覚悟を決め、カーネルの盾になるように腰をかがめたジャックはそのまま弾丸に貫かれる、はずだった。

弾丸を受けたのは、ミツチカだった。

先ほどジャックの落下を防いだのと同じ要領で、自分の尾を使ってジャックと自分の位置を入れ替えたのだ。ミツチカがカーネルの身代わりになるには距離が離れすぎているが、ジャックの身代わりになる分には、距離は問題なかった。

ミツチカの悲鳴が聞こえる。

そのミツチカが回復する時間を稼ごうとジャックが風の刃を放ってくるが、それもモロの放った風にかき消された。

「コーイチよ。これでよかったのか? もう採石場についてしまうぞぅ」

「おーよ。これで大体わかったわー」

これで、今までの疑問が全て解消された。

「モロ。採石場についたら、アレで仕掛けてくんね?」

「元よりそのつもりじゃぞぅ。コーイチ」

モロは採石場の拓けた場所に降り立った。俺もモロの右腕から下ろされ、自分足で立っている。

今までは嵐の中だったため威力が落ちる炎の術は使えず、住宅地だったため地面を壊すような土を操る術は使えなかった。

だが、採石場の周りは石と土に溢れており、既に結界が張られているこの場所で人目も術の威力を気にする必要はない。

モロが上空に右手をかざした。伸ばした腕の先にあるモノ、嵐を消すためだ。

モロによって引き起こされた気象現象は、呼び出したモロの手によってかき消された。集められた雲が、散り散りになっていく。

暴風がそよ風に変わるころには空は晴れ、月の光が差し込んだ。腕を下ろしたモロと俺を、月が淡く包み込むように照らしてくれる。

月下にたたずんでいるのは、俺とモロだけではない。後を追ってきた異形の蛇女と、全身黒一色の人型の足元からも、月に照らされ影が伸びていた。

カーネルとブチはまだ到着していない。好都合だ。

そして、そう思ったのは俺だけではなかった。

「ここにきた以上、かなり手加減する必要はないのじゃ。ここからはホンの少し、手加減していくぞぅ?」

言うなりモロは術を発動させ、大地を変形させた。

ジャックとミツチカの間に突如として土の、いや、岩の壁が隆起し、二体の悪魔が立っていた地面は反対に沈降した。モロは一瞬にしてジャックとミツチカを物理的に分断したのだ!

これでホンの少し手加減をしていると言うのだから恐れ入る。どう抑えればこんな術が使えるのか不思議なぐらいだ。

「では、妾は明日の準備がある故もう終わりにするぞぅ?」

モロは人間の魂を刈り取る前の、愉悦にゆがんだ悪魔の表情をしていた。

「まずは蛇の丸焼きといこうかのぅ。骨が溶けるまで焼けば、悪魔と言えども流石にすぐには復活できまい?」

そしてモロは、蛇を召喚した。いや、あの大きさはもはや竜と呼ぶべきだ。

瞬きする間も与えられずに竜の形をした炎が出現したため、俺はモロがナニカをこの場へ召喚したように勘違いしてしまった。

モロの着物の赤と炎の紅が混じり合う中、モロは自分に犬のようにじゃれ付いてくる竜を、優しくなでていた。

そして最後のひとなでをした後、飼い主はミツチカを指差し、忠犬にある命令を下した。

「とろかしてくるのじゃ」

「いやー、そっちじゃなくてこっちかなぁ」

「なっ!」

モロが炎の竜を解き放つ瞬間、俺はモロの後ろに回り込み、モロに抱きつくようにして竜の進行方向を変えた。

「な、何をするのじゃコーイチ!」

モロの怒りも分かる。俺は竜の進む道を、ミツチカではなくジャックに変えたのだ。

戦闘に参加していない魔術師にしゃしゃり出てこられるのは、鬱陶しいことこの上ないだろう。

「こ、こんな誰かが見ている所で抱きついてくるなどっ! こ、こういうのは家に帰ってからにして欲しいのじゃ! いくら妾でも恥ずかしいのじゃっ!」

全然違った。だが、さっきまで俺を抱えて飛んでいたくせに、何を今更恥ずかしがっているのかさっぱりだ。

「ま、ちと向こう見てみなよ。モロ」

俺はモロを促しつつ、炎の竜を放ったジャックの方に目を向ける。

焼き尽くされそうになったジャックの判断は、早かった。

まずモロが作った岩の壁を風の刃で切断し、自分を襲いにくる炎にぶつけようとしたのだ。

風を受ければ炎の勢いが増す可能性があったため、ジャックは術で風を作るべきではないと判断し、自分と竜の射線上に障害物を置くことで乗り切ろうとしたのだ。

かくしてジャックの目論見どおり、炎の竜は岩の壁に轟音を立ててぶつかった。だが、放たれた勢いは消えず、炎の竜は砂塵を伴い灼熱の爆風と姿を変えてジャックに襲い掛かった!

「……!」

「―― !」

ジャックが苦悶の声を上げ、ミツチカが叫ぶも、この爆風にかき消されてしまい何を言っているのか俺には聞き取れない。

ジャックが立っていた場所を中心に土煙が立ちこめ、その隣にいたミツチカの姿も今は煙の中。視界が悪く、ジャックとミツチカがどうなったのか分からない。

だが、もう少し続くと思われた煙はすぐに晴れることになった。

ジャックが術で風を起こしたのだ。

煙の中に隠れている状況になったとしても、煙の中に隠れていると俺たちに知られているため、その視界の悪さがジャックとミツチカに不利になると考えたのだ。モロならあの煙ごとまとめてジャックとミツチカを氷付けにも出来る。

煙の向こうに膝をついているジャックと、それに寄り添うミツチカが見える。そして、

「むぅ?」

モロは困惑顔をしている。その視線の先には、ジャックがいた。先ほどの爆風によって、ジャックのまとっていた黒衣が剥がれ落ち、ジャックの素顔が明らかとなっていたのだ。

それを見て、俺は自分の予測が当たっていたことを確信した。

「コーイチ。これはもしや、」

「そーだね。モロが今考えていることで、合ってると思うよー」

カーネルの前に現れたブチ、そしてその後に登場したミツチカ。二体の悪魔は、パッと見て悪魔と分かるような異形の姿をしている。

一方で、モロのように人間とほぼ変わらず、一目見ただけでは悪魔と判断できない悪魔も存在している。

だから俺たちは、すっかり騙されていたのだ。

カーネルという一人の魔術師の前に現れた異形の二体の悪魔。そしてカーネルが複数の悪魔と契約していた衝撃から抜け出せない俺たちに、畳み掛けるようにして現れた人型の悪魔ジャック。

今日俺たちを襲ってきたのは、悪魔三体と、その三体と契約出来るほどの鼓を持つ魔術師一人だと思っていた。

でも、この時点で俺たちの認識は間違っていたのだ。

そもそも前提となっていた、複数の悪魔と契約出来る魔術師などこの場にいないのだとしたら?

一体の悪魔と契約した魔術師が二人いて、先に自分の契約した悪魔を先行させ、魔術師が後から人間だと悟られないような、悪魔と間違われるような格好で現れたのだとしたら?

その答えは、俺たちの目の前にある。

「ジャックは、悪魔じゃーなかったのさ」

「魔術師が、二人おったのかっ!」

ジャックの素顔は、金髪ということ以外カーネルの顔とそっくりだった。

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