第8話 ダンジョンと少女3
魔法陣のある部屋で、友達になったばかりのドラゴン、ピーちゃんから、ダンジョンのことを教えてもらう。
『ふ~ん、じゃ、ここはダンジョンの一番下の階なのね』
『うん、そうだよ、地下十階だね』
『じゃ、ピーちゃんは一階から十階まで降りてきたってこと?』
『そうだよ、メグミもでしょ?』
『私は、入って割とすぐの部屋から、魔法陣でここに出てきたよ』
『ええっ!?』
『どうしたの?』
『そんな~、ボクなんて凄く苦労してここまで来たのに!』
『どのくらい掛ったの?』
『そうだね、急いだから三十日くらいだね』
『ええっ!?』
『だって、ここのダンジョン、すごく広いんだよ!
多分、人間は、最初の階もクリアしてないんじゃないかな?』
『ふーん、そうなんだ』
『メグミ、それより、これからどうするつもり?』
『三十日もかかるなら、もう戻れないかも』
なぜか知らないが、そんなことがあまり気にならなかった。
『ダンジョンから出る方法ならあるよ』
『えっ!?
ピーちゃん、それってどんな方法?』
『ボクは一回挑戦してやられちゃったけど、一番奥の部屋にいるボスを倒せばいいんだよ』
『なーんだ、たったそれだけ?』
『メグミは、ボスを見たことがないから簡単に言うけどね。
敵はアンデッドだよ』
『アンデッド?』
『そう、死んだ何かが蘇って生まれたモンスターだね』
『な、なんか怖そうね』
『怖いどころじゃないよ、デミリッチなんだから』
『デビリッチ?』
『デミリッチ。
アンデッドの中でリッチっていうすごく強いのがいるんだけど、それがさらに強くなったヤツ』
『サ〇ヤ人みたいね』
『何それ?』
『まあとにかく、そいつを倒せば、地上に帰れるかもしれないんでしょ』
『うん、多分』
『あなた、多分って……。
お父さんはクリアしてるんでしょ、このダンジョン?』
『父さんも、そのデミリッチに勝てなかったんだって』
『……大丈夫かしら』
『ボクだけなら、モンスターを食べたりしながら、来た道を通って地上まで帰れるけど。
メグミも、モンスター食べる?』
『ぜーったい、嫌!』
『じゃ、やっぱり、デミリッチに挑戦するしかないね』
『そうね、モンスター食べるくらいなら、死んだほうがましよ!』
こうして、私とピーちゃんは、ダンジョンのボス、デミリッチに挑戦することになった。
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