青 春


「青春って、いつまでなんだろうな?」


 卒業証書の入った筒を手に、親友が言う。


「それに、青春の次って何だと思う?

 腹黒い大人になるから、黒春かな?」


 俺はその言葉に吹き出した。


「高校を卒業しても、

 おまえの頭の中は全く成長の兆しが見えねぇよ」


「よく考えてみろよ。

 馬鹿なことをやってられるのも今の内だけだ。

 青春がどれだけ残ってるか分からないけど、

 俺は今を謳歌してやるぜ!」


 そう言った親友の頭上には、

 満開の桜が咲き誇っていた。


 しかし、その一月後。


「この、大バカ野郎が……」


 墓前で手を合わせ、

 交通事故で儚く散ってしまった

 親友の顔を思い浮かべた。


 あいつは今も事故で大破した原付に乗り、

 永遠の青春を謳歌しているのだろう。

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