学園戦隊ジャスティスファイブ+
1
「ふはははは! 今日も来てやったぞジャスティスファイブぅぅぅ!!」
ああ、今日も来たんですかブレイブVの皆さん。
登場シーンもそろそろ面倒なので省略させて貰うが今喋ってる喧しいのがリーダーの朱堂蛮。とにかく喧しい。
「フッ……今日はお前達に見せたいモノがあって来た」
「お前その喋り方疲れねぇの?」
いちいち前髪をかき上げるニヒル野郎が藍原迅。
後、ここにはいないが恋する乙女の桃井凜、無口無表情な乙女の山吹賛、そしていまいち目立たない常識人の若草弾……以上が俺達ヒーロー同好会『ジャスティスファイブ』にいちいち対抗してくる余所の学校のヒーロー同好会『ブレイブV』のメンバーだ。
……こんなアホな集団が余所にもあっただけで驚きなんだが、実質的には校内美化やボランティアが主な活動内容だったりする。
「紹介は一通り終わりましたか、青野さん?」
眼鏡を軽く指先で押し上げてこっちを見ているのが、もはや人のモノローグを読むのも日常茶飯になってきたうちの腹黒グリーン、緑川護。
「で、今日は珍しく二人で何しに来たの?」
「いつも五人セットじゃなかったのかよ?」
まるで女の子のようだが向こうと違って男子校なこっちは紅一点じゃない(これが誠に遺憾である)ピンクの桜庭望と、見た目はいかついが心はデリケートな俺の苦労人仲間、イエローこと黄瀬勇。
「クックック……今日ぉはなぁ……」
「我々の新しい仲間を紹介しに来たのだ」
「藍原ぁぁぁ! そ・れ・は・俺様のセリフだぁぁぁ!!」
きっといつものように思いっきり溜めて言うつもりだったのだろう朱堂がまさかのブルーにセリフを横取りされて地団駄を踏んでいる。
ちょっと珍しいかも。
「んで、新しい仲間って?……ようは部員が増えたって事か?」
「増えたのは部員だけではない。見ろ……」
藍原が何やら目配せをすると物陰から現れたのは……
「ちぃース。自分、金城漸っていいまーす♪ 新しくヒーロー同好会ってのに入ったんでぇ~ブレイブゴールドやらして貰やーす!」
金髪ピアスにアクセサリーと見るからにノリも中身も軽そうな男と、
「ヒーロー同好会顧問の白鳥……名前は嵐と書いてランよ。よろしくね☆」
野郎ばっかの環境な俺達には目の毒としか言い様がない、お色気美人な先生が。
呆気に取られる俺達を前に朱堂は勝ち誇って、そして我らがリーダー(という名のトラブルメーカー)レッドこと赤井翼はうちひしがれていた。
確かにお色気先生は羨ましいけど、何故?
「せ……戦隊モノにお約束の途中加入の六人目と、さらには司令官(もしくは博士)ポジションだと!?」
「ぬはははは! どぅおぅぅだぁぁ羨ましいだろぉぉぉう!!」
……え、ああ、そういう事か。
なるほど、理解できん。
理解は出来ないが、この先の展開は予想がついた。
「青野! 俺達も六人目と顧問を探すぞー!!」
「ああ、一言一句違わず予想通りの台詞を……この子ってばもう!!」
こうして今日も赤井に振り回される俺……
ジャスティスブルーこと青野剣なのであった、と。
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