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さて、ようやく話が本題に入るようだ。
赤井と桜庭、それに俺の三人はブレイブVの連中に混ざって、耳を傾けた。
「実は……今日来たのは山吹さんの事でなんだけど……」
「このちっこい無表情娘か?」
大雑把に見ても150cm未満だろうと思われるちびっこが赤井を見上げる。やっぱり表情がいまひとつ読み取れない。
「……山吹さんは、黄瀬さんに会いに来たの。手作りのお菓子を持って」
「菓子作る、好き」
カタコトで頷く山吹。
「黄瀬、好き」
付け足した一言に桃井が黄色い歓声をあげた。
「ねっねっ、聞いたでしょ? 山吹さんのこの恋する乙女な呟きをっ!」
「いやこれたぶんお菓子作りと同じくらいのニュアンスで……」
ていうかテンション高いな桃井さん。
「なるほど、それで山吹さんとうちの黄瀬をくっつけちゃおうって訳なんだねっ♪」
「そうなんですっ!」
確か前回会った時は内気な印象の子だと思ったんだけど……
「他人の恋愛話には積極的なんだな」
「はは、それを言われると耳が痛いや……」
若草が苦笑いをする。
そういやここでも一方通行なトライアングルが形成されてたっけ。
「けど山吹のこれって恋なのか?……誰かツッコミはいなかったのかよ?」
ブレイブVのメンバーを一人一人見てみるが……桃井は今回はボケっぽいし若草じゃあ力不足だし、後は論外。
「フッ……ツッコミなら俺に任せろ!」
いやお前も明らかにボケ側の人間だろ藍原。
「貴様との戦いから俺は学んだ……ツッコミこそブルー担当に必要なモノだと!」
「いや必ずしもブルーがツッコミって訳じゃないけど今のお前らには必要かもな?」
だからやろうと言うなら止めないが、この男にツッコミが出来るのかどうか。
「任せろ、というからには自信があるんだろうな?」
「フッ、当然だ」
どうでもいいけどいちいちニヒルに言うのやめてくれないかな。
藍原は自信たっぷりに言い放つと目を閉じて息を吸った。
そして、その目が開かれると、
「なんでやねん!!」
と、ドヤ顔で叫んだ。
「………………あのな藍原、それを言えばツッコミが成り立つって訳じゃなくてな……」
あああ頭痛くなってきた。黄瀬カムバック。
「……とりあえず話を進めちゃえばいいんじゃない?」
ごもっともだ桜庭。話を進めて終わらせて帰ろう。
「えーと……山吹は黄瀬にお菓子を渡したい、んだよな?」
こくり、と無言で頷く山吹。
「けど黄瀬は山吹のアタックに怯えて受け取ってくれない、と」
「黄瀬の人見知りは相当だからな。俺達も心を開かせるのにどれだけ苦労したか……」
しみじみと語るが赤井、お前何かしたっけ?
「こないだの時も山吹さんを警戒して全くお菓子に手をつけてくれなかったんだよね、彼」
そこで一口でも食べていれば今こんな事態にはなっていなかったのだろうか……いや、どのみちいつかは遊びに来ていたか。
とにかく山吹を満足させないと。
「よし、人の恋路を応援するのも正義の道っ!……だよな、朱堂?」
「よォくぞ言った赤井ィィィィ!」
がしっと手を組むダブルレッド……暑苦しい。
「いくぜ、ジャスティスファイブ!」
「ブレイブゥゥゥVっ!」
「「名付けて……イエローのラヴラヴ大作戦だぁぁぁっ!!」」
あー、やかま恥ずかしい……
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