閑話

 その後、2人で食べに行ったのかしら?

 甘酸っぱいのを想像すると、胃がきゅーってなっちゃうわ。

 あ、クレープじゃなくて、青春の方ね。

 私にもあんな時期があったっけなぁ。


 ………………………………。


 イマドキって、気になる子を誘ってファミレスとか喫茶店でノートを広げて勉強とかしないのかしら?

 個人的に勉強はいい口実だと思わない?

 デートに誘ってるわけじゃないから手軽に誘えるしさ、映画なんかと一緒で、同じ場所に同じ目的で長い時間一緒に居られて、共通の話題もある。

 いつしか時間を忘れて、高かった太陽も傾き、橙色の夕日が2人を包みこむ。

 1つのノートを覗き込む2人の距離はいつしか縮まって――。

 ――ハッ!

 ごめんごめん。

 ちょっと妄想入っちゃった。



 まぁ最近だと、ノートを書き写したりコピーしないでケータイのカメラ機能で済んじゃう話ね。

 でもさ、一瞬で記録してしまうカメラ機能よりも、こういう不便さって風情あるって思わない?


 ………………………………。


 まぁいいわ。

 次は硬貨を使ったおまじないの話。

 私の同級生に片思いをしている女の子がいたの――。

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