5G普及で通信会社がパニックの予感!?


 5Gとは主にスマホなどで使用される携帯電話方式の新規格の名称です。解り易く言えば現在飛び交っているスマホの電波の事だと思って頂いても結構です。


 現在の4G規格はこれから普及する5Gに比べ通信量も速度も低いため、モバイルネット回線は通信制限があったり、皆が使用する時間帯は速度が低下したりするんですよね。


 そしてこれから始まる5G規格は通信速度が4Gの100倍とも言われ、もちろん世間が期待しているのは現状の通信速度制限がなくなるのではないか?に尽きるでしょう。


 無論額面通りに受け取れば一人当たりの通信量が現状4Gの100倍使えるわけですから、4K画質のネット動画放送などのサービスが一気に増えない限り、現行の通信使用量のままでは誰もが無制限でネットを利用してもパンクには至らないと考えます。


 しかし、それはあくまでも回線がパンクするかしないかの問題です。


 5G回線がパンクしないからといって無制限にネットを使用されて困るのが通信会社ですよね?


 スマホだけで言えばそれほど問題は無いと思います。完全無制限の定額プランの値段を現在徴収している通信費から算出して上乗せすれば良いだけですので。


 問題になってくるのが、スマホでテザリングを利用しWIFI化した場合の『完全無制限』です。


 ここでネットに詳しい人ならピンと来るのが、『あれ?これって光回線いらないんじゃね?』です。


 そうです。なのでどれだけ使ってもモバイル回線がパンクしないことが判明しても『光回線を解約されたら困る』から通信会社は恐らく少なくとも当面の間は『完全無制限』には出来ないのです。


 現在、光サービスを提供している企業は山ほどありますが、その殆どはフレッツ光というNTTの光回線を借りているものです。他で独自に光回線を持っていると言われるKDDIのauひかりなども結局はダークファイバと呼ばれるNTTが使用していないNTTのインフラを利用したものです。


 つまり、モバイル回線で完全無制限をやられるとすんごい困るのがNTTなんですよ。もちろん、auにしてもソフトバンクにしてもNTTのインフラを利用しているとはいえ光事業で安定した利益を得ているから利用者にこぞって解約されると経営ダメージは相当なものだと思います。


 そこで当面の間は5Gによりモバイル回線がパンクしない状況になっても『完全無制限』は実施できないとするでしょうね。少なくともそのスマホに限り無制限にしたとしてもテザリングを利用したWIFI化では制限アリにするなどして、なんとか光サービスを繋ぎとめると思います。


 さて、ここで全員が足並みを揃えていると思われながらも、一頭だけ群れから抜け出るダークホースが存在するとしたら……そうです、それは楽天でしょう。


 楽天は菅官房長官が『日本の携帯料金が高すぎる』と市場競争を高めるためにモバイル回線の自社回線を新たに持たせて、早くドコモなどの3大キャリアに並ぶよう尻を叩かれている新規通信事業者なのです。


 現在楽天は菅さんの熱意に応えるために日本の通信費に革命を起こすと奮闘しておりますが、インフラ整備の遅れにより思うように通信事業に参入出てきていないのが現状です。


 そこで5Gの開始時期が楽天の本格参入の開始時期と良い感じに重れば、楽天は光事業を犠牲にしてでも3大キャリアからシェアを奪い取る為にテザリングも含めたモバイル回線での『完全無制限』に踏み切ることは大いに予測できます。


 楽天からすれば『いや、どんなに使っても回線がパンクしないんだから無制限にするのは当然でしょ』と公言するだけのことですので。


 そうなってくると楽天にシェアを奪われないように慌てて他の3大キャリアも楽天に準じた価格にて完全無制限プランを発表しなければなりません。


 ドコモがいきなり携帯の通話料完全定額を発表した時もそうでしたよね?アレは結構衝撃的でした。auもソフトバンクも慌てて同様のプランを発表したことが記憶に残っています。それで固定電話を解約した人も多いんじゃないでしょうか。


 それでもNTTは固定電話の数が減っても、ADSLにしても光にしてもNTTのインフラは必須でしたのでそれほどダメージは無かったでしょうけれど、2025年のアナログ回線廃止に加え光回線も全く使用されない事態となればパニックは必須だと考えます。



 まあ、光ネットワークにはある程度政府も絡んでいるでしょうから、楽天がいくら頑張って『完全無制限』にしようとしても菅さんが『そ、それはあかんがな、NTTが潰れる』と待ったを掛けると思いますけどね。

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