何故、最近になって無制限と銘打つ○○WIFI(モバイル)の広告が目立つのか

 SNSやネット広告なんかでは最近になって『無制限に使えます』『通信制限なし』『ネット使い放題』と銘打つ○○WIFIという様々な会社の広告が目立っております。


 ○○WIFIという商品名と無制限というワードから固定ネット回線なのかと勘違いされる方もおられると思いますが、これはスマホなどと同じモバイル回線です。


 では、何故今になってこれほど他社にわたってこれほど多くのモバイル回線を使用したWIFIとして転用できるネット回線商品が多発しているのか考察してみましょう。



 一つ目の理由は、もちろん引っ越しシーズンだからですね。


 今まで自宅におり完全無制限の光回線などでWIFIを家族皆で共有してネットを活用していた人などは、大学進学や就職などで一人暮らしする際には新居で新たにインターネット環境を構築しなければなりませんよね。なのでそんな人たちに向けて安価かつ気軽にネットができるモバイル回線を利用したWIFI商品がこぞってセールスをしているのです。



 二つ目の理由は、徐々にADSL回線が廃止されているからです。


 固定ネット回線は現状中速度のADSL回線と高速度の光回線しか存在しません。光回線は光ケーブルを利用したネット及び電話回線であり、ADSL回線はNTTのアナログ電話回線を利用したネット回線なのです。光回線以外の固定電話はアナログ電話回線という認識でOKです。


 そしてご存知の方も多いかと思いますが、NTTのアナログ電話回線は2025年を目途に廃止が予定されており、その後の固定電話は光オンリーとなります。それに伴いアナログ回線を利用したADSLも何れ完全廃止しなければいけないということで、ADSLサービスがそれに先駆けて廃止が相次いでいるのです。


 実際に私もずっと愛用していたyahooADSLが今月の3月末でサービス終了ということで、光回線への切り替えを申し込みました。


 ここで問題になってくるのが通信費です。今までアナログ電話回線2500円とADSL1800円で月計4300円で固定ネット回線と固定電話を維持できていました。ちなみに固定電話は主に受けるだけなので通話料は掛かっておりません。


 しかし、いざ光回線にするとあらゆるオプションを外してネットと電話だけにしても維持費に月7000円程度は掛かってしまします。今までに比べたらひと月に2700円も高くなってしまうんですね。


 光回線はネットが早いからその分メリットがあるんじゃない?って言う方も多いですが、正直私の住んでいる地域でのADSL回線は終日18Mbpsの速度が出ており、この数値は動画は(youtubeは3Mbpsあれば十分)もちろんのことオンラインゲームでも速度不足になったことは一度もありませんでした。


 つまり光回線がいくら早いからと言ってもADSL以上のネット速度を必要としていない私には何もメリットがないということなんですよね。あえて言うなら月一くらいで発生するゲームのアップデートがちょっと早く終わるくらいでしょうかね。


 話を戻しますが、yahooADSLは固定電話を契約していたら1300円と超格安ですが、固定電話がなくても3300円で利用できていました。光回線はネットだけでも6500円程度は見なければなりません。


 スマホがあれば固定電話なんていらない人が多いこの時代に、固定ネットの光回線でWIFIを活用するために毎月6500円払うのは馬鹿らしいと思われる方も多いのではないでしょうか。


 そこでようやく冒頭の○○WIFIのセールスの話に戻るんですよね。巷で広告が目立つ○○WIFIはモバイル回線を利用したネット環境ですので工事も要りませんし、値段も3000円~4000円と固定電話なしのADSL並みの価格です。


 こりゃネットに詳しくない人がみたら、『無制限なんでしょ?』『ならスマホとこれがあれば、高額の光回線要らないじゃん!』となるわけです。


 いやいやいやいやいや、これってWIFIと銘打ってても飽く迄もスマホなどと同じモバイル回線ですからいくら『無制限』と銘打っても完全無制限なわけがありません。


 罠とまでは言いませんが(本当は言いたいけど)、ここでネットに詳しくない人なんかは『○○WIFI』と言われれば何となく完全無制限の固定ネット回線と思いがちなんですよ。


 WIFIって実はスマホでもできるんです。テザリングって聞いたことがありますよね?スマホでもテザリングを利用してスマホのネット電波を他のスマホやPC、ゲーム機などに飛ばしてやれば立派なWIFIです。なので『○○WIFI』と言っても実際はモバイル回線ですのでネット速度は不安定ですし、完全無制限なわけがありません。


 もしモバイル回線で完全無制限が実施できるなら、3大キャリアが既にやっているでしょう。どんなにネットを利用しても速度低下にならない定額プランを数千円程度で叩き出したら、ドコモだろうがauだろうがソフトバンクだろうが、その会社が一人勝ちするはずです。通話料定額なんて比にならないでしょう。


 ですので、○○WIFIも完全無制限はあり得ないのです。


 では何故『無制限』『使い放題』『通信制限なし』が銘打てるのでしょうか?


 私の憶測では現状全てのモバイル回線でも『動画が全く見れないほどの速度低下』になっても『全くネットが使用できない』ことにはならないからだと思います。


 つまり、どんなに使ってもネットが遮断されることはありませんよー、つまり、使い放題なんですよー、でもめっちゃ速度が遅くなることがあるけど決して嘘はついていませんよー。ここらがモバイル回線でも『無制限』を語れる本質なのではないでしょうか。


 実際にこれらの『○○WIFI』の詳細にも小さく『※当社が想定していない利用状況が確認されると、通信速度を制限することがあります』みたいなこととかいてありますし。現在利用している方の情報を調べてみても、SNSでは動画が見れないのは当たり前でサイト表示もままならない1Mbps以下の速度になったことが画像付きで紹介されています。


 

 結論を言いますと、スマホで動画をめっちゃ見る、家ではPCでもネットをする、ゲーム機で頻繁にソフトをダウンロードするなんて人は、大人しく6500円払ってでも新しく光回線を契約した方が後々トラブルにならないということですね。


 

 まあモバイル回線といえど超大容量、超大高速の5Gが本格的に稼働される時期になったらまた話は変わってくるかもしれませんけれどね。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る