記憶違い

どうにも釈然しゃくぜんとしないが、俺は人を大勢殺してしまったらしい。


考える間もなく、裁判が行われ、死刑宣告を受けてしまった。


獄中でやっと俺は記憶違いをされたのだと思い当たった。


弁護士を呼び、


「どうやら人を大勢殺したのは記憶違いのせいらしい」


と言うと、裁判がやり直され、俺は無罪放免になった。


――はやく記憶銀行に行き、文句を言わなければ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る