第15話 令嬢と勇者の試練(4)~決闘~
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~前書き~
300PV達成♪
※三人称視点
↑以降、この表示がされる話は三人称視点で進ませてもらいます。
今回は、レイがリィナに使った魔法についての補足をさせてもらおうと思い、この場を借りました。
無魔法最上位・聖光魔法<神々の拷問>
<神々の拷問>
神が神に対してのみ発動させる苦しみを与える光の魔法。
全身の骨という骨、心臓の隋まで激しい痛みが襲うが、意識だけは微量の回復魔法で保たれる。
結果、巻き起こるのは永遠の苦しい痛みだけである。
これこそ、最大の拷問魔法
というモノです。
それでは、本編をどうぞ。
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対峙する2人には、温厚な雰囲気など残ってさえいない。
あるのは、ただ相手に勝つという意思だけだ。
しかし、始まる前からただ1つだけ決まっていることがある。
全てにおいて、シュンはレイの半分の力しか無い。
今現在も特殊な回復魔法で回復しているが、それでもレイには到底届かない。
というよりかは、現在進行形でレイの魔力が増大している気配がある。
その事実を感じ取ったシュンは、苦い顔でレイを睨んだ。
「そこまでする必要があるの?」
「ああ。【解放】」
そうレイが告げた瞬間に、莫大な威圧が放たれた。
感じ取れる魔力も、倍という域を超え、レイにも計れない程に膨れ上がった。
聖剣を握るレイの手に、冷や汗が流れ落ちた。
「行くぞ。疾ッ!!」
「クソッ!?」
暴風を通った道に置きながら、レイは加速してきた。
その速度は、シュンの認識速度では対応出来ないほどである。
それでも、シュンは持ち前の勘と経験から、何とか初撃を防いだ。
正面からの切り下ろしを受け止められたレイは、すぐに剣から力を抜き、右側に跳躍し、また加速した。
円を描くようにシュンの周りを回るレイに、シュンは視線を彷徨わせながら剣を構えた。
瞬間、瘴気の矢が高速で飛来した。
シュンの後方からだ。
「クッ!!」
咄嗟に身体を捻り、その矢をギリギリでかわしたシュンは、その選択を間違えた。
「甘いな」
シュンの背中に張り付くように現れたレイが、闇剣を引き絞り、シュンの心臓へ向けて放つ。
キイィィィィン!!!!!!!!
高い金属音が響き、シュンの身体は溶けるように消えた。
と同時に、レイから後方にシュンが現れた。
レイは、この現象は知っているが、原理が分からない。
_
「ハァッ!!」
「チッ!」
回避は不可能だと判断したレイは、すぐに思考を切り替え、防御へと力を込めた。
この場で最も適切な技が、1つある。
レイの持つ闇剣が淡い黒に包まれ、その軌跡をなぞる速度が加速した。
_7階級反撃技<妖孤>
振り向く身体と同時に、剣は最小の動きで防御に入った。
振り下ろされるシュンの剣にも、淡い水色の輝きが灯っている。
それに対して、レイの剣は一発、大威力でシュンの剣に激突した。
飛び散る火花、弾かれるシュンの剣。
しかし、レイの剣技はまだ終わりではない。
さらに回転を身体に掛けて、斜めから剣を振り下ろした。
反動中のシュンに、防御も回避も選択することは出来ない。
はずだった。
またしても、レイの予想外の出来事が発生した。
動けないはずのシュンの瞳が、一瞬だけ、金色の光ったようにレイには見えた。
同時に、シュンの身体は流れるように動き、その手に握る聖剣はレイの持つ闇剣と衝突した。
キイィン!!
咄嗟に力を込め直したレイによって、シュンの一撃は防がれた。
あの金色の瞳も、既にもとの黒い目に戻っている。
「………あとで、全てを話してもらうぞ?」
「勝った方が正義、でしょ?」
「!ああ」
僅かな笑みを浮かべてそう言ったシュンを見て、レイも笑みを浮かべた。
「次を最後にしよう。どうやらシュンも魔力の限界のようだしな」
「良いよ。でも、僕の全力を舐めてみないでよ?」
「ああ」
2人は、同時に後方に跳躍し、間合いを取った。
「この一撃で、決める。【全力】【剛波】」
「僕だって!【聖なる剣】【不屈の精神】」
シュンは、聖剣を両手で握り、腰を落として構えた。
対して、レイは闇剣を片手で握り、左手を添えるように構え、直立した。
互いに、合図はいらない。
「疾ッ!!」
「ッ!!」
駆け出した2人の間合いは、驚くほど早く縮まった。
この瞬間、聖と闇が、最後の一撃で、衝突した。
物語が始まるのは、もうすぐそこである。
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