第21話
翌日は休日だった。僕らはいつものように待ち合わせをした。全員が集まると、フォースという街へ向けて出発する。
途中、出会ったモンスターとは
フォースの周辺のモンスターは、セカンド周辺よりも手ごわかった。フォースに着くと、解散して、
一時間後、僕らは再び集まった。目指す城は、もう目の前だった。
城に到着すると、城内へと足を踏み入れた。城内は静まり返っている。声を出したらいけないような、重たい空気。それが、僕らを
僕らは無言で、城内を歩き回った。上へ登る階段を見つけ、一階から二階へ。そこで、僕は初めて城内の
よくあるゲームでは、ラスボスの城と言えば、悪魔の
二階から三階。三階から四階と上がっていく。モンスターの影も形もない。そして、五階。とうとう、
玉座には、一体の
「これが……ラスボス?」
僕がそうつぶやくと、その男が口を開いた。
「
パチンと、指を鳴らすような音がした。すると、先ほどまでは影も形もなかったモンスターたちが、城内に溢れ出した。あっという間に、僕らは取り囲まれてしまった。
「この城へ立ち入る
ネロの
「我が
「断る!」
僕らの声が
「ならばっ、死ぬがいい!我が、六百六十六の獣の力を見せてやろう!」
ネロがそう言うと、
黒い煙がグリフィンたちを包み込む。一瞬、画面が
白龍の頭上に『
立て続けに、
一角竜は魔方陣の中へ、腕を突っ込み、なにかを
一角竜は、その鎖を漆黒のグリフォンへ向けて振るう。すると、頭上から画面に収まりきらないほど巨大な、
漆黒のグリフォンがまた咆哮する。頭の上に、あんなものを落とされれば咆哮もするだろう。
「タカ、なんでラスボスがグリフォンなんだ?」
僕は
「わからない。六百六十六の獣だろ。毎回、違う姿をしてるんじゃないの?それか、
「財宝を守ってるから?」
「自分が使ってる
なるほど、今は僕らがその財宝に手を出した人間ってわけだ。
漆黒のグリフォンが、空中へと舞い上がる。頭上に『闇の翼』と表示された。そのまま、漆黒の翼を広げて、落下する。翼はグリフィンたちの体を切り
グリフィンが、低く
僕らは八人のチームだ。今回のように一対八で戦っていると、どうしてもこちら側の攻撃が多くなる。そのためチームでの戦いは、
それから、何度となく攻撃した。さすがにゲームで最強の座を誇っているだけのことはある。戦いが長引きそうだ。
ナリミンのゴーレムが
漆黒のグリフォンは、まだ倒れない。
グリフィンは、口から巨大な炎を吐き出した。頭上には『
炎が治まると、漆黒のグリフォンが雄叫びを上げた。苦しそうな声だ。
「倒したのか?」
僕は、思わずつぶやいた。また、ネロが口を開く。
「欲に目の
漆黒のグリフォンは、咆哮を上げる。すると、咆哮している口から闇が
突然、その黒い玉にひびが入った。その姿は、漆黒の卵のようだ。ひびはどんどん広がっていく。また、中から闇が溢れ出した。
闇が溢れたその場所から、黒いなにかが姿を現した。巨大な黒いミミズのようなものが、四本
ひびがゆっくりと開き、中に人の顔が見て取れた。人の顔も真っ黒だ。しかし、それは明らかにサイズがおかしい。漆黒の卵よりも大きかった。漆黒の卵が完全に割れると、
いまや、完全に黒い巨人が姿を現した。黒い巨人は、ゴーレムの三倍以上あるようだった。人間の何倍あるのだろう。とてもじゃないが、
黒い巨人の背中には、翼があった。翼も漆黒だ。翼は片側だけで、六枚あった。六枚の翼のうち、上の三枚は
それは黒い天使だった。体の色、そして身に付けているものも全て黒一色だった。おそらく、
堕天使の元には、ネロの姿はなかった。漆黒のグリフォンと、ネロが合体した姿が堕天使なのだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます