第7話
やっとのことで、街にたどり着いた。街は
街へ向かう途中、タカが先ほどの二組について知っていることを教えてくれた。
三体のドラゴンの肩に付いていた『KQ』はエンブレムだった。チームで同じエンブレムを付けることで、仲間意識を高めるわけだ。『KQ』はキラークイーンというチームのエンブレムなのだ。キラークイーンは
一方の
この街ファーストには、いろいろな店が
道ばたに座りこんでいる人たちは、自分が持っている道具や武器を売っているらしい。地面に布を敷き、その上に座っている。頭上には布で作った看板のようなものが出ている。そこには思い思いの内容が書き込まれていた。『ドラゴンの爪あります』、『回復薬いろいろ』、『レアアイテム?』、『進化の書(光)』、『ペガサスの
フリーマーケットで足を止めた僕に、タカが教えてくれた。
「ここは最初の街だから、武器とかを買うならお店に入った方がいいよ。プレイヤーの店は値段が高すぎたりするからさ。それにレベルによっては装備できないものがあるからね」
あるプレイヤーの店の品物を見てみたが、確かに注意書きにレベルの制限が書いてある。『大地の剣』――ドラゴンウォリアー専用――レベル三十五以上。
「これって、当然グリフォン用の武器もあるんだよね?」
「当たり前だろ。グリフォン用も
なるほど、レアな神獣にはそういった利点もあるわけだ。
「そういえば、神獣は?」
街の中には人しか存在していない。神獣の姿は見えない。ただの一体もだ。そして、僕の相棒グリフィンも街に入った
「今ごろ?街に入ってから、だいぶたってるけど……。神獣は街の中には入れないんだよ。街にはそういう魔法がかかってるんだ」
「なんでよ」
「さあ。でかいからじゃないの?それか、
「じゃあ、僕のグリフォンはどこにいったのさ」
「アイテム画面の重要アイテムを開いてみなよ。そこに魔石があるでしょ。赤いやつ。その中にいるんだよ」
言われた通りに画面を見てみると、赤い石の中にグリフォンがたたずんでいるのが見えた。サイズはだいぶ小さくなっているが。
「本当だ。でも、こんなアイテム持ってなかったよ?」
「
それでは、街にいるプレイヤーはみんなこの赤い石を持っているということか。タカの石の中には人面魚が浮かんでいるはずだ。それを想像すると、ちょっと気持ちが悪かった。
「さて、俺はそろそろ落ちるからさ」
「落ちる?」
「ゲームを終わりにするってことだよ。キョウはまだやってるか?」
「うーん。どうしよっかな」
「続けるなら、街にいるNPCに片っ端から話を聞いてきたほうがいいよ」
「NPCって?」
「ノンプレイヤーキャラだよ。コンピュータが操作してる人ってこと。最初の街だから、この世界についていろいろ教えてくれるからさ。戦闘についてもね」
「なるほどね。で、どれがNPCなの?」
「頭の名前が緑のキャラは、NPCだから。じゃ、俺は風呂入らなきゃだからさ」
この世界で風呂とか言うな、
「ちょっと待って!ゲームを終わりにするってどうするの?」
「下画面で、ゲーム終了を押すだけだよ。じゃ、分からないことは明日学校で聞いてくれよ」
言い終わると同時に、TAKAの周りを光が包み込む。そして、光とともに上空へと吸い込まれていった。
その場に取り残された僕は、一人で街をまわることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます