ナルシストと中二病

ラーメンラーメン

第1話 転校生

9月

━━━第一高校 一年五組

俺はこの教室で学級委員をしている、轟木隼人という者だ。今朝はクラス内がとても騒がしい。聞いてみると、今日は転校生が来るようだ。男か女かどっちだろうと定番の話題で盛り上がっているようだ。だが、俺はそこに参加していない。何故かって?学級委員である俺が騒ぐわけが無いだろう?あ、今のかっこよかったな。そんなことを考えている間に先生が入ってくる。身長は170㎝と高身長で、黒髪ロングの先生である。ファンも多いらしい。


「轟木くん、号令をお願いよします。」


先生に言われ、号令をかける。


「起立!礼!着席!」


学級委員である俺の美声を朝から聞くことができて女子達もきっと喜んでいることだろう。


「今日は転校生が来ます。」


その言葉にクラス内が緊張に包まれる。俺もその中の一人である。まぁ、騒がないとはいえ気になるものは気になるのだ。


バンッ!っとドアが開け放たれた。そこには改造制服を着ている、一人の男が立っていた。そしてその男は開け放つと同時に話し始めた。


「我は漆黒の帝王の生まれ代わりである!皆の衆!跪け!」

『誰が跪くか。』と、『痛い!痛すぎる!』という2つの感情がこのクラス内に満ちていることは誰であろうと分かることである。そしてその中でも堂々と立ち続ける男である。このクラス内の空気が読めていないようだ。まぁ、ここは学級委員である俺の出番だな。


「あの、ちゃんと自己紹介をしてもらえますか?」


…先生に出番を取られてしまった。まさかもう立ち直ってるなんて思わなかった。まぁ、俺はこんな事に使われるような器ではない。


「だから言っているであろう?我は漆黒の帝王だと…」


「そういうのはいいので、早く自己紹介をしてください。」


「え、いや、すみません。ええと、斉藤武司といいます。よろしくお願いします。」


あ、先生怒っちゃったね。やっちゃったね。ていうか素に戻るなよ!


これがとてつもなく痛い中二病である斉藤武司と学級委員でナルシストの轟木隼人の出会いであった。





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