スイス人と一服

11/19  inサバナケット 


 昨日、一昨日と早起きだった。睡眠不足をきにしておそくに起きる。たまっていた洗濯など、やるべきことをやっているとすぐに昼になる。腹が減ったので外にメシを食べに行く。


 サバナケットは寒い。空はどんよりと曇っていて、風が強く、T-シャツ一枚では肌寒い。通りを歩いていると雑貨屋があり、メトロノームでもないかと探していると、釣竿がおいてある。手にとって見てみると、さほど悪くなさそうだ。リールがついている竿も置いてあり、興味がわいたので値段を聞いてみる。なんと6ドルだ。安い! 丁度、5ドル札があったので「5ドルにして」と頼むとあっさりと値引きしてくれる。リール付の竿が約550円、“B-スポーツ”なみの値段だ。完全な衝動買いでうきうき気分。あとは仕掛けかルアーを手に入れるだけだ。果物屋でドラゴンフルーツを買い宿へ戻る。


 部屋で一服をいれ、ルアンパバーンで買ったナイフの切れ味を試す。やわらかいドラゴンフルーツはさくっと切れる。あっさりと試し切りは終了する。うーん、物足りない。それにしても切れ味は抜群だ。良いものを買った。


 二等分になったドラゴンフルーツをひとつ食べる。皮は日本で見ることのないエキゾチックなピンク色で、すこしグロテスクだが中身は灰色で、黒いゴマのような種がびっしりとつまっている。見た目とうまさで二重とびだ。


 部屋でごろごろしているとあまりにも暇なので、気力をだして外を散歩する。近くの道をひたすらぶらぶらするが、ぶりが残っているせいで人と顔を合わせにくい。くしゃみと鼻水、それに目のかゆみでまるでアレルギーのような症状だ。体調は絶好調とは言えない。


 一時間ほど歩いてからメコン川沿いの道に座り、ぶりっていると、ひげの白人が近くを通る。サバナケットでは白人をほとんど見かけないので、めずらしく感じる。目があい「サバイディー」と笑うと、腰につけていた大麻柄のケースに興味があったのか、話しかけてくる。ぶりった顔でジョイントを吸うか聞くと喜んでいる。二人でジョイントをまわしながら話す。見知らぬ白人と一服するとは、すこしうれしいな。


 ピエー? という名の白人は、スイス人でナイスガイだ。旅行にはまってから10年が経ち、国に帰ってはスキー場などのリゾートバイトでガッツリ稼ぎ、再び旅にでるらしい。


 旅慣れした感じがして、話を聞いていると相当楽しい。日食を5回見たことがあるらしく、南アフリカでは五日間のレイブだったらしい。バッツの家でDVDを見たことがあるが、実際に体験しているとはすごいなー! 2006年はトルコであるらしく、日本は2010年。一度行こうかな? 調べてみよう。


 バンコクからカンボジアのシェムリアップへの道はクレイジーで、ベリーバッドでひどいようだ。なんとか話を聞いていると、コジャン? という島からフェリーで行けば快適だと教えてくれる。たまに聞き取れなくなるが、ぶりながらではよく話せたほうだ。


 どこかに行かなければならないらしく、10分で帰ってくるというので待つことにする。しかし、30分経っても戻ってこない。日は暮れてより寒くなってきたので、メシを食べてから宿へ戻る。


 さすがに吸いすぎていてもう一度外に出る気はしない。世界地図を読んで国の勉強をしてから、目のかゆみにやられる。


 白人と英語オンリーで話せたのは良い経験になった。グローバルコミュニケーション!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る