やりすぎた

11/9  inバンビエン 


 朝早く起きる。明け方に起きることはめったにないので、大急ぎで身支度を整え、ジャンベを持って出かける。人は少なく、鶏の鳴き声以外はとても静かな朝だ。涼しく、とてもすごしやすい。


 昨日たたいた場所の近くに行き、時間に余裕があるので、その付近でたたける場所を探していると、小さな小川がある。一人ぐらい通れる橋があり、コンクリートの橋が貯水の役目を果たしている。気に入ったので橋に腰掛けてジャンベをたたく。朝早いが、我慢せずに目覚めの一服を入れる。気持ち良い! 景色にとばされジャンベをたたきまくる。


 30分ぐらいすると、橋を通る人が多くなってきたので場所を移動する。日はのぼりきっていないので、昨日たたいた場所からさらに先に進むと、小高い丘があり、人はあまり通らないのでそこにきめる。あたりは石が露出していて、切り立ったがけがある。


 30分ぐらいたたくと、地元の子供たちが通りはじめる。ああ、学校に行く時間なんだ。恥ずかしくなりGHに戻ってひと眠りする。気持ちの良い朝だ。


 昼ごろに起き、だらだらする。朝の一服がぬけきれず、体が重い。宿のレストランでかるい食事をとり、暇なので川に入ることにする。


 ジョイントを一本だけ持ち、水着に着替えて川に移動する。ぬけきれない頭じゃ人と目をあわせにくい。長袖のT-シャツを着ているので、汗ばかりかいて体は熱い。


 川に着き、すぐに入ると、ぶりっているせいか、前回に比べて異様に水が冷たく感じる。頭までつかり、川につかりながらぼーっとする。それにしても景色がきれいだ。海外にきて色々と思うことはあるが、一番思うことはロケーションの素晴らしさだ。雲の大きさに、木の太さ、どこでも目に入る濃厚な緑色。本当に最高だ。


 目を水面ぎりぎりまで近づけ、上流を眺める。川の流れがむかってくるのが見える。川の流れは遠くから見るとたいしたことがないが、はいってみると思ったよりもはやいものだ。


 20分ほど経ち、川に飽きる。体が冷えたのもあるが、大きな理由は、一人で川にいるとさびしくなる。川を出て一服を入れる。川岸のバーに近づくと、奥の竹林のなかに見たことないバーがある。たくさんのハンモックが竹にぶらさがっている。これは良い! 勝手に使わせてもらうと、近くにいるラオス人二人組みに声をかけられる。こちらにむかって何かしゃべっているので、男達に近づくと、ジョイントをご馳走してくれる。すばらしい人達だ! お礼を言い、ハンモックにもどる。


 選曲はあまり良くないが音はながれている。めったに音を聞かなくなったので新鮮だ。竹林のそばを地元の子供たちがじゃれている。うーん平和だ。


 何度もぶり(大麻を吸う)り、のんびりしていると空は暮れはじめている。腹が減ってきたので宿に戻ろうとすると頭が痛い。


 なんとかゲストハウスに戻り、さらに一服いれてネットカフェに行く。途中でいつも買っている屋台でパンケーキを買う。メールの文章を読んでも返事がかけない。パンケーキを食べおわり、ニュースを見てネットカフェを出る。ペグちゃんごめん! 吸いすぎた!


 部屋に戻り、ベッドに横たわる。動けずそのまま眠る。


 完全に吸いすぎだ。

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