第7話 Nice Boat
討伐者組合(ギルド)の扉をくぐり、受付を探す。中に何人かの厳つい男たちが居てこちらを見る。そして俺とリンは受付に行き…リンが男の受付の所に引っ張る。
「…討伐者に登録したいんですけど。」
「はい分かりました。ご登録を希望されるのはお二人様ですか?」
「はい」
「ではこちらの用紙に必要事項のご記入をお願いします。文字は書けますか?」
「はい、リンはどう?」
「わ、私はまだ字が書けないから…と、冬也君にお願いしてもいいかな///」
なんか様付けだと目立ちそうだから君付けにしてもらった。照れるリンが可愛い…
「うん…分かった。」
「はい書けました。これでいいですか?」
「はい…受付を完了しました。これから実技の試験がありますので、この札を持ってあちらの6番の扉から訓練場に行き、係りの者に渡してください。」
受付の人に言われたように訓練所に行き、札を渡す。10分ほど待たされると顔に傷のあるごつい試験官が出てきた。
「やあ、こんにちは、今回試験を担当するロイドです。討伐者って仕事柄ある程度の戦闘力が必要だからこんな試験をしてるんだけど、君たちは戦ったことはあるかい?」
「草原で犬と戦ったことなら、リンはある?」
「家業の関係で護身術は習っていました。でも実戦したことはありません。」
「うん、何らかの手ほどきを受けたってレベルだね。では一人ずつかかってきなさい。5分以内に俺の体に触れることが出来たら合格だ。」
「はい、どっちからにする?リンがいいなら俺からいくけど。」
「冬也君に任せます。」
「ならトーヤ君からだね、リンさんは後ろの方に下がってくれるかい?では準備はいいかい?じゃあ開始!」
結論から言うと、二人とも1分ぐらいで触れることが出来た。俺は待たされている間に手に握ってた訓練場の砂を開幕から投げつけ、後ろに下がったところで足元に水を出し、試験管の足を鈍らせる。そして、前後左右から火の玉を出しそちらに気を取られた瞬間に砂をけって目つぶしをする。そして顔に水をかけとっさに目を瞑った瞬間に足にタッチした。
リンはもっとひどかった。火魔法で鞭を作り高速で振り回す。完全に虚を突かれた試験官は必死によけるが、火魔法で壁を作りどんどん逃げ場を無くしていくリン、これ以上は逃げられないと攻めに出ようとした試験管の足を火の壁から出てきた火のロープで縛ると、手に持っていた火の鞭で試験管を縛った。
熱さに悶える試験管にめちゃくちゃいい笑顔で近づき、回復魔法をかけ続ける。この拷問のような光景を見た俺はリンを必死に止め、試験は終わった。
試験官は相当落ち込んでいて、地面に手をついて項垂れていた。
「合格だ…」
とあまり聞き取れない音量だったが、俺から声をかけることは出来ず、受付で合格したことを伝え、組合員証を貰うことが出来た。
「あれはやり過ぎなんじゃないか?」
「だ、男女問わず体を弄(まさぐ)らせるへ、ヘンタイさんっだったので…少し焼いちゃいました///」
…いや、まったくそんなことは無かったよね?あれ?俺がおかしいの?…いや違うよ!間違いなくリンがおかしいよ。笑顔で回復させつつ焼いてたじゃん!ヤダこの娘ドS!
「今度はもっと落ち着いて話を聞こう、うん、誤解はいけないよ。業務上必要な事しかじゃべってないからね?ロイド試験官は、」
「私は…冬也君以外の男性に触るのは嫌です…」
くっ、これでヤンデレじゃなければ…手を出せば間違いなく大火傷する。ここは地獄か?!とはたから見てたら間違いなくリア充だが、いまだ誰も絡んで来ない。何故だ!ほとんどのラノベじゃ女の子とイチャイチャしてたら絡んでくるのがテンプレだぞ!そこで軽く撃退して俺TUEEをやってみたかったのに!
とそこへ、
「いやぁ~まいった。お二人とも強いね。この俺が手も足も出なかった。」
「いえ、あれは試験官が本気じゃなかったからですよ。もし最初から本気なら負けてたのは僕らかもしれませんよ?」
「ははは、謙遜することは無い。あれだけの魔術を行使できるなんて、本当はもっと本格的な訓練をしてきたんじゃないか?まだまだ自分が未熟だってことが分かったよ。ありがとう、いい勉強になった。今度はもっといいとこ見せるよ。またやろう。」
「いえ、僕らはまだ駆け出しですので、これからいろいろご迷惑をおかけすると思いますがよろしくお願いします。」
こういう時は、先輩の顔を立てるのが吉、もしアドバイザーが出来れば働く上で助けになるはず。この人は面倒見が良さそうだし、媚びを売っておこう。何、元手はタダだ。そう心の中で思っていると、
「あらあなた、この子たちはそんなに有望なの?」
と、さっき並ぼうとしたが無理だったやたら美人な受付嬢が話しかけてきた。というかあなた?
「あぁサリー、この子たちの入会試験の試験官をやったんだが、相当な魔術の使い手でね。全く手が出せなかった。」
「まぁ、元3級のあなたが?すごいのねあなた達、私はサリーよ、よろしくね。」
「サリーは俺の嫁さんだ。すごく頼りになるからな!ギルドのことで困ったことが有れば遠慮なく言うんだぞ。」
「もう何言ってるのよ///」
目の前でイチャイチャしだした。何この三十路、自分の半分もいってないガキにボロクソにやられて何そんな幸せそうな顔してんの?しかもなんか奥さん美人だし、すごい美人だし!リア充とかやめてくれよマジで。さっきまでリア焼(ジュウ)だったクセによ!俺なんてヤンデレで悩んでるんだぞ!何そんな奴の前でイチャイチャしてんの?!
「ロイド試験官、今すぐもう一戦やりましょう。」
「え?何だい急に?」
「こんな美人な奥さんがいて、しかもボロクソにされたガキの前でイチャイチャと…今度はきちんと焼いてイチャイチャで出来ないようにしてやりますよ!もうリア焼(ジュウ)っすよ!」
「いや、まったく訳が分からないよ!?」
何故か俺が絡む側になり、試験管とワイワイやっていたが、奥さんを美人と褒めてしまったのがリンの目の前ということで、嫉妬した彼女に訓練所に連れられ、俺が
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恥ずかしがり屋の女王様 リン ☆7 (ヒューマン) Lv34
HP350→450
MP280→380
攻175→225
防145→195
魔攻270→370
魔防260→360
素早さ155→205
器用さ165→215
賢さ80
ラック5
鞭打ち
火魔法
緊縛術
回復魔法
だって
また上がってるううううううううぅ!!!???
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