第6話 「夜勤明けのテンションでやった、反省している」と犯人は供述しており…
あの後、気絶した俺をティアが回復し、意識が戻ったところで第2Rが始まった。その後、女性陣のお茶会(せっきょうかい)が開催され、もはや記憶が曖昧だ…なんとか生きてはいるが、首を掴まれたあたりからどうやって街を出てキャンピングカーの中で寝ていたのか思い出せない。今はまだ6時だが疲れた。とりあえず、寝よう。
「ご主人様、朝でございます。」
「んん~」
誰かが呼んでいる。誰だ?ここはキャンピングカーの中だぞ?俺以外には入れる奴は…
「生まれたのか!」
俺は飛び起き、声のした方を向く。そこには180cmほどの犬耳の生えたナイスガイが佇んでいた。
「おはようございます。ご主人様。朝食の準備は整っております。お召し物をご用意しましたのでお使いください。」
「セバスチャンか?」
「はい、よろしくお願いします。」
「分かった、着替えたらリビングに行くよ。先行ってて。」
そう伝えてから身支度をした。内心テンパってる。本当に動いた!喋った!PGユーザーとして嬉しくなってくる。後話は変わるが、そういえば服って何処にあったんだ?謎だ。
リビングに行くと7体のパートナーがいた。
「やあ、初めまして。俺は相沢冬也だよ。よろしくね、みんな。」
「お疲れ様です社長。ゴブリンの山田です。」
あ、そういえば山田ってリーマンだったね、だから社長って呼ぶのか。うざいな。
「山田…クビだ。」
「何でですか!?」
このノリってマジ友人の山田みたいだな。
「田中です。シェフしてます。」
「よろしくね。」
「おかしくないですか?俺の進退はどうなるんですか?ねえ、社長?!」
「がう」「にゃう」
「よろしくな、りゅう、お凛」
「ねえ、聞いてます社長?え?マジでクビ?え?え?ウソでしょ?ねえ。」
「オラ、佐藤、ご主人様、守る」
「頼りにしてるぞ佐藤。」
「ねえ、誰か話聞いて?ホントに寂しいんだよ?無視するのやめて?診断書出すよ?病休貰うよ?ホントだよ?」
「陛下、お、お初にお目にかかります。わ、私のことは、リンと…ゴニョゴニョ///」
「リン、焦らなくてもいいよ。ゆっくり落ち着いて話していいからね。」
「はいぃぃっ…えいっ」スパーンッ
「ブッ、え?なんで今僕ビンタされたんですか?え?なんで?」
「豚が喋ってたからです!///」
「意味不明っスよ!?」
なんか賑やかなのが現れたな。とりあえず皆で飯食おう。
「セバスチャン、朝食の用意を頼む。」
「畏まりました。」
そろそろ山田が涙目になってきてるので構いながら、田中の作った朝飯をみんなで食べる。シェフだけあってうめぇ。☆6をバカにしてごめんなさい。これだけであなたを当てた価値がある!
「ところでリン、なんで陛下って呼ぶの?」
「私(わたくし)は女王なので、私の上に立つ殿方は必然的に陛下しか存在しません///」
いつの間にか王様になっていたようです。
「陛下と呼ばずに普通に冬也と呼んでほしいんだけど…」
「わ、分かりました。…と、冬…也様…~~~///」バシッ
「グエッ、なんでまた僕ビンタ食らったんですかね?!」
「恥ずかしく…てつい…///」
「全然意味わかんねぇ!社長!この女ヤバいです!」
「今後の方針何だが、」
「また無視!?」
食事後、皆に今の現状と与えられた依頼のことを話してみた。そして今後のどういう方針で進めるかということもだ。
「つまり、我々は出来るだけレベルをあげて、今後に備えると、そういうことでございますね?」
「いや、少し訂正がある。」
それぞれの役割りは以下のとおりである。
セバスチャン:キャンピングカーの管理やパートナーたちのリーダー。現状レベル上げを優先
リン:基本的に冬也と行動←本人の強い希望
山田:冬也と行動したり、情報収集のため単独行動を行う。現状レベル上げを優先
田中:基本的に料理をつくる。有事の際はキャンピングカーの護衛、できればレベル上げ
佐藤:基本的には力仕事、有事の際にはキャンピングカーの護衛 現状レベル上げを優先
りゅう:ペット枠、現状レベル上げを優先
お凛:ペット枠、現状レベル上げを最優先
PGにはパートナーを進化させるシステムがある。進化させるとLvは1に戻り、パラメーターもそれに合わせてダウンするが、代わりにアビリティーを得ることが出来る、このアビリティーが今後の方針に影響を与える。まず山田、1段階進化で、「営業部長山田」になる。取得できるアビリティーは心理誘導と言い、ゲームでは、一定時間敵からターゲティングされない効果があった。このように、それぞれのパートナーにアビリティーが設定されてあり、特にお凛は最優先で進化させたい。「化け猫 お凛 ☆8」そのアビリティーは同化・共心、敵が4足歩行の時、ターゲティングされない。また、仲間になる確率アップ。という能力だ。これで、よくある街中の動物を使った情報網が手に入るかもしれない。
ここでこの世界の街の様子を説明しよう。かなり雑多な人種がいるようで、セバスチャンのような獣人や魔力の比較的多い魔族と呼ばれる者たちも街を行きかっている。
地球でいう外国人みたいな感覚だ。ユーラシア大陸を小さくした感じがこの世界の地理らしい、よく分からないがそんな感じだ。まぁ、作者があまりきちんと考えてないから察してほしい。
だからセバスチャンは違和感なく街を歩けると思う。山田や田中、佐藤は…情報が必要だな。後はレベル上げの場だが、これもトレーター家で情報を得た方がいいだろう。昨日の映像をスクリーンで見た効果は大きかった。今回の大反乱の原因かもしれない情報が得られたからだ。その情報交換のため、今日もトレーター家に繰り出すことにする。
「じゃあちょっと出かけてくる。セバスチャン、此処は頼んだ。後、まだみんなは緊急時以外このキャンピングカーから出ないように頼む。就寝モードにしておくから、外からは迷彩が掛かって見えないと思うけどね。」
「了解いたしました。お気おつけて。」
「私も一緒に行きます!」
「うひょう!」
リンが腕に抱き着いてきた。
「いや、何故腕に抱き着く?」
「わ、悪い虫が付かないようにです///」
「そ、そうっスか…」
ここでリンについて説明しよう。彼女だけは進化させるわけにはいかない。正確には進化させるならば一気に2段階進化させなければならない。それは、彼女の公式プロフィール関係する。今、既に片鱗が見えているが、いわゆる
・1段階目の進化はLvMaxなれば進化できる。(☆9は除く)
・2段階目の進化は、それぞれのパートナーにより条件が異なる。
そしてリンはあるアイテムを入手しなければ2段階目の進化が出来ない。そして、この世界はPGではない以上2段階目の進化のためのアイテムが恐らく入手困難だ。この状態で進化して病んでしまうと、とんでもないことになると、俺の感が言っている。☆7はLv70まで上げられるが、このPGは非常にレベルが上がりやすい。であるから、リンに限ってはなるべくレベルを上げたくないのだ。
「でも、外は危険だからリンにはここで俺の帰りを待っていてほしい。」
「いやです。私も一緒に行きます。それとも私が居ては都合が悪いのですか?まさか、女ですか?」
あ、やばい、目にハイライトがない。進化してないのにことヤバさ、絶対進化させられないね!
「いやそんなことは無い、もし君が傷つくようなことがあれば後悔するだろうからね。だから俺から離れちゃだめだよ?」
こうなったら戦闘をしないように俺が気をつけねばなるまい…
何とか街についた。こういう時だけエンカウント率がやたらと高い。しかもモンスターじゃないんだよ?野犬の群れだよ。お前ら草原の何処にいたんだよ!兵士ももっと町の外を見回りしろよ!そして、俺はまたもや現実逃避しながら街を歩いている。リンがいまだに腕を絡ませているのだ。
ぶっちゃけリンは可愛い。年齢も14で、正直マリアたんには及ばないが、ストライクゾーンど真ん中なのだ。それもそのはず、マリアたんとリンのデザイナーは同一人物なのである。だから、コミュ障気味な俺は、好みの子に腕を抱きかかえられ街を練り歩くリア充的なイベントには全く耐性がない!今すぐ気絶しそうなぐらいさ、なんか目が霞んできた。パトラッシ○、僕もう疲れたよ…、
そんなこんなで、周りの注目を集めつつトレーター家に着く、また来てしまった。しかし大氾濫の対策を協議しないワケにはいかない。でも会話するのは嫌だ。昨日たくさん喋っただろって?昨日はお前…俺テンパってたんだぜ?あれだけ喋れたのは、小5あたりからファンタジーな世界に行ったらって、様々なシチュエーションでのシミュレートを毎日3時間以上続けてるんだぜ?たった数時間ぐらい行けるs「グハッ!」
「陛下?!」
「リン…呼び方が戻ってるよ…大丈夫、山田の所為だから。」
「そうですか…後であの豚を屠畜しておきますね///」
「ごめん嘘だよ、過去に患った病気の後遺症だから!でも命に別状はないよ!山田全然関係ないよ!」
「そうですか…でも苦しかったら言ってくださいね、私はあなたの奥さんですから///」
今のはヤバかった。俺のせいでマジで山田が殺られるところだった。あの目はマジだ。冗談は言えない…俺は震えながら門番に取次ぎを願う。しばらくしてルイスが現れ、応接室に通された。
「こんにちは、アイギス様…なぜ貴女がここに?」
「昨日ぶりですわね!トーヤ様…」
なぜか今日もタリアがいた、しかも仁王立ちしてる。まさかまだ粛清した入りないというのか?!あれだけ人を嬲ったのに!
「トーヤ様…その方は?」
カトリーナとタリアはこちらを凄い表情で見ている。仮にも貴族のお嬢様がしてはいけない表情だよ?笑ってよ!君たちは素敵な笑顔がとても似合うんだから!その目線はリンに…というかリンが抱いている俺の腕とその豊満な胸に行っている。
「陛下?こちらのお嬢様方は…?」
リンはリンで、なんかやばい、絶対横見たくない、こういう時は経験豊富なアイギスに頼るしかない。昨日は見捨てられたが、仮にも娘を助けに北俺を二日連続で見捨てるはずなど…いつの間に消えたんだ?なぜかルイスが縛られて転がっているが…可哀そうに、涙目で顔を振ってるよ。
「この人は仕事の依頼人だよ!でもタリア様がいるのは予想外だな!どういう事だいルイス?」
「うーうーうー!」
皆の視線がルイスに向かった。今だ!俺は素早さを生かして即座に離脱した。
無理でした。
今正座させらています。
「トーヤ様、どういう事ですか?心に決めた女性がいると昨日仰りませんでしたか?」
「フフフ、昨日は絵に欲情する悍ましい獣だと仰っていましたね、まさか、舌の根も乾かない内に女性に抱き着いて現れるとは思いませんでしたわ!」
抱き着いてません。ただ単に捕まっていただけです。
「陛下?心に決めた女性とは何方です?大丈夫ですわ。私は殿方のそういう事情も分かっております。仮にも国王ですもの、側室の一人や二人囲んでいて当然です。でも1番は私ですよ?何故絵などに心奪われてらっしゃるのですか?」
いや待って。俺国王とかじゃないし、日本のしがない一般ピーポーですよ?しかし絵などにって仰ってますけどあなた元々2次でしょう?というかその爬虫類のような目でこっちを見るのやめてもらえませんか?俺、気絶しますよ?
女王リン、実の名はリンドブルム、人と竜の子の子孫という設定がある。プロフィール上ではそういうストーリーが展開されているのだ。
クソっ!依頼の件を話したくてもタリアがいるから、そっちに持っていけない。
「それで陛下?この方達は何方なのです?側室にするにしても随分と…フフフ」
リンは腕を組んで胸を強調している。ついつい目で追ってしまうのは仕方ないであろう。カトリーナさんあなたもあと5,6年で大分成長するんですから焦らないで!俺を射殺さんばかりの目で見るのは止めて頂きたい。タリアさん、あなたも…きっとそのスレンダーな体系に魅力を感じる人は多いですよ。ホントホント、マジ、多分…
「いや…今のところ、結婚は考えてないです。」
だって好きなのはマリアたんだもん。
「まあ、では陛下には私一人で十分ということですわね。フフフ、式は何時にします?」
「いや…えっと…あの…今日は大事なようが有るからその話はまた今度な!アイギス様がいつの間にか退出したらしいからちょっとアイギス様を探してくる!」
早くこの場を離れないとやばい、主に作者が展開を考えつかずこのシーンだけで二日も費やしている!早急に場面を変えなければ。
「それには及びませんわ、すでにルイスを向かわせました。」
い、いつの間に?!あいつ気絶してたじゃん!ぐるぐる縄で縛ってたじゃん!おい作者(メタボ)お前この展開続けても首絞めるだけだぞ!今三日目だぞ!
「さぁ、態々これほどお肉付きの良い方を同伴させた訳を教えてくださいね?」
「フフフフフッ」
「ウフフフフ」
「ホホホホホホッ」
この空気に耐えられず、俺は黙秘したままいつの間にか気を失っていたようだ。おい作者(メタボ)ふざけんな!何この打ち切りのような唐突な終わり方?!現時点(2/2AM5:00)でブックマークしてくれてる2名の読者様や評価いれてくれた方、そして、ちらりとでも見てくれた読者様たちに申し訳ないと思わないのか!俺が代わりに感謝と謝罪をしておくからお前は大人しく文章を書いておけ!
「皆様いつもお読みいただきありがとうございます。こんな駄文しか書けない作者ですが今後ともよろしくお願いします。」
俺はいつの間にか気絶してたみたいだ。なんか魂が異次元に飛んでたみたいだが、とりあえずアイギスが心配そうにこちらを見ているので、さっさと本題に入る。ここに居たら話が進まないし、作者も迷走してしまう。ティアとカトリーナも揃っているし、丁度タリアも
「あの映像を見て、今回の大反乱の原因かもしれない情報が得られました。」
カギは、あの大反乱が起こったとき、フォーチャー家が用意したのは防衛軍であり、殲滅のためでは無いということだ。カトリーナの言ったことを覚えているだろうか?
(
「グリオリスですか?確か目撃例があったと思いますが、ツニク大樹海では深部に行かなくては遭遇しないと思います。そして、ストールの近くの森に限らず、様々なモンスターがこの国にはいますが、ツニク大樹海に存在する同種のモンスターは基本的に危険度が1段上がると思ってください。」
)
そう、グリオリスもこの大樹海に生息しているのである。そして、討伐者時代に卵を奪われおってきたグリオリスたちが居た。その時、1度目はカトリーナの追体験であったので、鳴き声は聞こえても、内容を理解することは出来なかった。しかし先日俺の申し出により、記憶をスクリーンで見ることが出来た。つまり、俺のままで記憶を見ることで、俺の持つスキル「全世界全言語・文字翻訳」を使うことが出来る。すると興味深いことをあのグリオリスは言っていた。
「またお前たちは我々から子供を奪うのか!ドラゴンや仲間たちと同じように!お前たちもブリガンテの仲間か!?」
と。
ここでも仮定の話となるが、ツニク大樹海のモンスターの反乱が、もし人間による子供の誘拐などが原因であれば、これは完全に仕組まれたということになる。ドラゴンは樹海の奥から出てこない、グリオリスも樹海の深部に生息する。
あの大反乱の時このグリオリスも出撃したのではないか?そして、アイギスたちはドラゴンの相手をしていた。つまりあの壊滅した軍にグリオリスに対抗できるものはほぼいないだろう。であるので、防衛軍と衝突した後、そのまま南下し、その先の森で新たな生活圏を築いたとしたら?そして、地理的にはストールの近くの森である。
あり得る話ではないだろうか?しかもドラゴンが出てくるような事件がそうそう起こるはずかがない、ならばあの大氾濫は、意図的に起こされたものだ。何者かが樹海の奥まで侵入し、ドラゴンの子供を奪う。そしてドラゴンが子供を取り戻すために、今回の大氾濫が起きる。
グリオリスはブリガンテと言っていた。このブリガンテについて何か情報を持っていないか、それを確認することで、今後の予定を立てるつもりだ。
「ブリガンテという人物または、チームを聞いたことはありませんか?」
「ブリガンテ…聞いたことがあるな。何処でだったか…」
「ブリガンテとは討伐者1級の6名からなるパーティーの名です。しかし、今から2年後、任務の途中で行方不明になり、壊滅したのではないかと噂されていました。彼らがどうかしましたか?」
「そのブリガンテとやらが、ドラゴンの子供を攫った。もしくは殺したことにより、その報復と子供の奪還をするため、樹海のモンスターが攻めてきたようです。もしそれが事実なら、事前に手を打てば、今回の反乱を未然に防ぐことも出来るはずです。」
「しかしトーヤ様、そのような情報を一体どこで?」
「あなたからですよカトリーナ様、あの記憶を見たときに追体験ではなく私自身の目線で客観的に拝見しましたよね?私にはホーリー様から頂いた能力があります。それがモンスターの声を聴くことが出来るというものです。あなたが卵を奪った討伐者を助けた時、グリオリスがそう言っていました。」
「?!それは本当かね…?」
「であれば、ブリガンテを監視するよう手はずを打たなければなりませんね。」
「そうですねティア様、それと、あなた方はブリガンテのバックについても調べてください。ただの金稼ぎか、誰かからの依頼かで、対処方法は全く違います。私はこれから討伐者として活動します。ですのでブリガンテの情報はこちらでも収集してみます。」
「トーヤ様、私はどうすればよいでしょうか?元討伐者ですので、私もそちらで活動しましょうか?」
「ああ、そうですね…この間聞きそびれていたことを教えてください。あなたにとって救いとは何ですか?今回の反乱を阻止し、ご両親を助け、学園に通わずこの地で過ごすことですか?」
「…いいえ、トーヤ様に教えて頂いた通り誰かの思惑であのような状況になったとしたら、今回凌げたとしてもまた何かしらの事件に巻き込まれる可能性が高いです。ですので、誰が何の目的でこのような事を仕組んだのかを究明し、解決してこの先憂いなく過ごすことが私の救いだと考えています。ですのでお願いします。私にどうか力をお貸しください。」
「私からも頼む。父として、この子の未来を守りたい。」
「私も母として、二度とあのような目に合わせたくありません。よろしくお願いします。」
「…とても期待をかけて頂いているようですが、ご期待に添えられるかは分かりません。しかし、全力で協力させていただきます。」
「ありがとうございます。トーヤ様。」
「さて、カトリーナ様にして頂きたいことはいくつかあります。
1・王都に行くこと
今回の事件は王都に行ってから起こりました。逆に言えば、これから何が起こるか予測できるということです。誰かの思惑が絡んでいるかもしれない現状、そこで情報収集するのが一番いいでしょう。
2・パーティーの出欠
逆にこれは何が何でも拒んで頂きたい。体調不良でも何でもいいです。この予想があっている場合、王都滞在中に誰かからの接触がある可能性が高い。そして、婚約騒動が起きるかどうかでも相当な情報を得ることが出来るはずです。何せ顔を見せない一男爵令嬢に婚約申し込みはあまりにも不自然だからです。特にそれが高位の貴族の子息の場合、もしパーティーに出席してしまえば、不特定多数の人間がいる場での推測は、出席しない場合よりはるかに難しいでしょう。
3・自身の強化
これはご自身を守るためにも是非やっていただきたいことです。特にあなたの戦闘スタイルは近距離に特化しています。魔力を体に纏わせ自身の戦闘力を上げる。の従来の戦い方に、遠距離の攻撃手段を追加で習得するのが望ましいです。これはティア様の戦闘スタイルですので、ティア様に魔法を教わるのがいいと思います。」
「承知しました。お母様、よろしくお願いします。」
「分かりました。今までよりも厳しく指導します。カトリーナ、覚悟してくださいね。それとトーヤ様私が使うのは魔術であって魔法ではありませんよ。」
「魔術は〈術(すべ)〉であり、魔法は〈法(ほう)〉という違いがあります。術というのはその名の通り自身の魔力を運用する技法です。魔力を熱く変換出来れば火属性になるといったように、魔力を自身の一部として扱います。そして法とは、既に存在しているものを魔力によって操ることです。触媒が必要になりますが、自然を利用することになりますので、魔術とは比較にならない効果を持ちます。」
なるほど、つまり魔術は0から出せるが、効果が小さい。魔法は反対に触媒が必要だが、その効果は絶大であると、そういう事か。
「しかし、残念ながら今現在は、私のような放出系の魔術師は少ないです。これは遺伝もありますが、資質が最も大きいのです。例えば、腕を切り落としたとして、その腕を動かせるか…自分の一部を切り離すということを正しく認識し、想像できなければ放出系の魔術は使えません。そして魔法に関しては、この時代使える者はいないと言われています。なぜなら、魔力を自分の一部として使うのではなく、自然に干渉してその力を使うということが出来ないからです。自分とは全く違うものを操る、これは想像以上に難易度が高いのです。」
想像力が魔力を操るカギか…ふっ…
次回予告[どうやら冬也は体の年齢に精神が引っ張られているようだ…中二病が…再発する?!]
ちょっと!なんだよ、今の予告?!誰がやったの?!!後なんだ中二病が再発って!!!
『やっと正気に戻ったかい?』
お前は…天使!生きてたのか!!?
『あのままだと戻れなくなってたぜ?気を付けな…』
「トーヤ様?どうs…何で泣いてるんですか?!泣く要素有りましたか?」
「いえ…なんでもありませんよカトリーナ様…ただ、仲間(あいつ)の無事な姿を確認できてホッとしただけです。」
「トーヤ様!いったい何が見えてるんですか?!それって見えちゃいけないものじゃないんですか??!」
カトリーナが俺の肩を掴んでガクガク揺らしてくる。おい、それ以上は…貴族の令嬢が持っちゃいけない腕力(もの)だから、ダメだって、吐くぞ!
「大丈夫です。落ち着きましたから、とりあえず私は討伐者に登録して活動してきますので、登録に必要なことを教えてください。」
「分かりました…私が登録した時は特に必要なものはありませんでした。ただ、登録するにあたって、一般と推薦の二つがあります。一般は試験が必要です。討伐者は人に害をなすモンスターの討伐を主に請け負っているので戦闘力が試されます。ですので、ある程度の戦闘力を有しているのなら女子供でもなれます。推薦は、主に兵関係の有力者、この場合小隊長クラス以上の実力者からお墨付きをもらうことで試験を免除されます。」
「ならば私が推薦状を用意しよう。この街で、一つの大隊を任されている。推薦人の資格は十分にあるはずだ。」
「ありがとうございます。しかし、俺は今回自分の力で受けてみるつもりです。」
「何故だい?」
「ひとつは自分の力を知りたいから、もう一つは推薦をあなたから貰えば俺がトレーター家と関わりが有ると分かるからです。この街ではもう…手遅れかもしれませんが、少なくともこの大氾濫が終わるまでは、公的なあなたとの繋がりを残さない方が王都でも動きやすいでしょう。」
ぶっちゃけこの街では手遅れだと思うが、離れた場所にある王都ならば情報はまだ行っていないはずだ。トレーター家とは第三者の立場で情報を収集する。相手がどんな奴かも分からないからな。
「ではトーヤ様、もしお一人では危ない時はどうしますか?娘のことをあなた様お一人に背負わせるわけにはまいりません。何か我々がお役に立てるなら遠慮なく仰ってくださいね。」
「分かりました。その時はお願いします。それと話は変わりますが、ゴブリンとオークはこちらにはいますか?」
「確か魔族の一部族ですね、この国では珍しいですが、魔族の国にはいると聞いてます。」
「ありがとうございます。俺の仲間にいるのでどのような扱いになるか気になってました。それでは今日は失礼します。」
「待ちたまえ、一つ伝えることがある。御屋形様から王都行きの話が出た。明日詳しく打合せする予定だ。」
「ならば明後日また来ます。それでは。」
リンに腕を組まれながら街を歩く。また注目されている。キャンピングカーに引きこもっていたいね、もうボロボロさ…
「リン、討伐者登録はどうする?」
「私も一緒に登録します///旦那様(とうやさま)にどこまでも憑いていきます。」
…今なんか字が違ったよね?気のせい?うん、俺気にしない。
「…ならそのドレスは動きにくいね…あそこに服屋があるみたいだからいくつか服を買っていこう。カトリーナから5万円ほど貰っているから高くなければいくつか買えるはずだ。俺も欲しいしね。」
「分かりました。では冬也様の好みを教えてください!」
「え˝ッ?!」
とりあえず丈夫そうな服とズボンを数着、それと靴下と靴を買った。リンも同じだ、まぁ、町娘みたいなスタイルになったのか?なんか似合うね。ぶっちゃけドレスにストッキングにハイヒールがすごく似合うんだけど、かなり浮くから仕方ないね、あとは装備か…買えないな…まぁ、今日は討伐には行かないしこのまま登録するだけで帰るか。そうそう、俺自身のステータスとカトリーナのステータス、変わってないと思うけど犬と戦ったからリンのステータスも確認しておこう。スマフォを弄る。
相沢 冬也 Lv3
ステータスポイント 546 【親愛度ボーナス 448】
HP100
MP300
攻50
防100
魔攻150
魔防150
素早さ500
器用さ500
賢さ110
ラック100
親愛度上昇速度アップ
火魔法Lv3
水魔法Lv3
全世界全言語・文字翻訳
マジックボックス100種99個
マーキング
超反応
魔纏術Lv1
猫かぶり
威圧
キャンピングカーLv2
前回の残りの78Pに、2つレベルが上がったからステータスポイントが20追加されている。親愛度は…448つまり昨日俺が寝たのは6時ごろだから、8時にはリンたちが繭から出てきたのか、そして今は12時か、まず腹ごしらえしてから登録しに行こう。腹が減っては戦が出来ぬって言うしね。いや別に人がいるところが怖いわけではないよ?ただ心の準備が必要なだけさ。
カトリーナ・フォーチャー・トレーター
HP200
MP120
攻130
防80
魔攻150
魔防100
素早さ200
器用さ220
賢さ75
ラック2
{
火魔術
雷魔術
聖魔術
}
カトリーナは両親の、特にアイギス寄りの能力を受け継いでいるのか。まぁあの様子じゃ近い将来魔術も使えるようになるだろう。というか今の時点でも普通の兵士より強いんじゃね?腕力は母親を超えてるし…
リンも見てみるか
恥ずかしがり屋の女王様 リン ☆7 (ヒューマン) Lv24
HP120→350
MP50→280
攻60→175
防30→145
魔攻40→270
魔防30→260
素早さ40→155
器用さ50→165
賢さ80
ラック5
鞭打ち
火魔法
緊縛術
回復魔法
いぃいいいいいいいやあああああああああぁ!!!
なに?!!
犬3匹追っ払っただけでこのレベルの上昇の仕方!!
23も上がってるよ?!しかも何このスキル!!?初めて見たんだけど?!しかも説明が雑すぎだろ!!!
気がするんじゃなくて、物凄い湧いてるからね??!!何か頭が沸いてるみたいな説明だけど!っていうかヤバい!これ即行で進化するんじゃね???!まさかのヤンデレ降臨!オラなんか沸く沸くしてきたぞ!
とても昼飯を食べる気分にならずそのまま討伐者組合の建物に入った。
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PG公式プロフィール
恥ずかしがり屋の女王様 リン ☆7 (ヒューマン)
とある国の末の王女、王や王子たちが過保護にし過ぎたため、世間知らずであるが、優しく美しい少女である。この国の王族は、竜王の末裔と呼ばれており、リンが生まれた時に竜たちが一斉に祝福の咆哮を上げたため、先代女王が退位し、生まれながらの女王として育った。
闇に飲まれし竜女王 リンドブルム ☆8 (竜王族)
平和は突如崩れた。リンの力を求めてやってきた魔王率いる軍勢により次々倒れていく家族たち、絶望の闇に飲み込まれた時、リンの中の竜王族の血が目覚める。そして、魔王軍を撃滅した竜の王女は、愛するものを守るためならば、手段を択ばなくなった。それが相手の意に反していても…
光を纏いし竜女王 リンドブルム ☆9(竜王族)
自分の愛するものを守るため、恐怖を使い、国を治めていたが、突然現れた主人公(あなた)と出会い、様々な困難を共に乗り越え、自分の血に宿る宿命を受け入れることが出来た。主人公(あなた)と共に歩む喜びを得た彼女は、自らの心を覆っていた闇を払い、真に愛される統治者(じょうおう)となる。
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