縊れる

尾巻屋

くびれる

縊れる


いつかのあなたとこんな光景を眺めていた

汐風が絶え間なく吹いていて


命なんてものが如何にもこうにもくすんで見えて

蕩けそうな夕日が地に堕ちて


ああ、嗚呼



灰褐色にまみれたこんな飽食的な箱庭で

夢物語は紙面上のみの妄想でしかなくて


僕らはもとより否定された未来希望を生きている

砂埃から自らを守る術すらない


嗚呼、でもさ、君はどうしたっていつも綺麗で

まるで重力さえも存在しないかのように飛んで


どんな些細な幸せでも

誰かに妬まれてしまう

こんな不平等な世界で

君とともに飛べたのなら

どれだけ心地いいのだろう


ただただ夢想する

嗚呼

気持ち悪いかな





群青に寂れてこんな悪食的にまぐわって

正義を謳うものはのっけから潰されるAll day


僕らは毎日絶望の悪魔とタップを踏んでいる

いつからか声の出し方さえまで忘れた


嗚呼、でもさ、君の笑顔はいつでも照るよ

まるで曇りのない快晴晴天抜けるようで


どんなに小さな勇気でも

誰かにあざといと言われてしまう

こんな不条理で

君と一緒に笑えたのなら

どんな景色が見えるのだろう


ただただ空想するだけ

嗚呼

つまらなかったかな





いつまでも苦しみ続け

夢は遠のいて崩れて

あなたはいつしか砂に埋もれて


縊れた“時”に何を問えばいいのだろう



どんなに暗闇が濃くても

いつだって僕らは歩き続けた

それを今更止める訳にはいかない

それを言えたのなら


どんなに、楽だろう




どんな些細な幸せでも

誰かに妬まれてしまう

こんな不平等な世界で

僕らは二人飛び抜けるから

明日に向かうだけの力がある


ただただ夢想する

嗚呼

気持ち悪いかな


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縊れる 尾巻屋 @ruthless_novel

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