劉甫、陳粋華に兜を与ふ。
軍法に定め、裁かるるも、例外なく、国家に損害与えし罪に因りて、死罪。もしくは、減罪さるるとしても宮刑は必至。
但し、親族家族までは類、及ばず、戦死扱いとなり俸禄は定めどおり。
九族に至るまで、火刑もしくは焚刑。焼けしのち
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特に、武官が多い、兵部房あたりは、近衛卒までは、参加していないが、やたら陣形の変換の演習が多く、怒号、掛け声、進軍撤退を伝える大太鼓の音が日中やむことは、少ない。
各房の塀で囲まれた大路にはやたら牛馬のフンが落ちている。
それとその鳴き声がモーとか、ヒヒーンとか、結構、
礼部でも、本館は忙しくなっているが、
本館との仕事の割合も反比例しているようだ。重要な仕事は本館へ、雑務は、司史所へとなっているらしい。
雑布を畳んでいた、陳粋華が尋ねた。
「師匠、今週の官報は如何あい成っておるのでしょうか?」
「
「ハイ師匠」
相変わらず、劉甫はほとんど、司史所から動かない。陳粋華が、てくてく歩いて、
司史所みたいな、閑職の職場、逆に情報をもらいにいかないと、上部や中央かた忘れ去られている可能性が非常に高い。官報だけが頼りだ。
上級官吏とはいえ、平民市民並である。
この同じ
あんな戦場で見聞きしてこいとか、いう薄情な爺ぃを師匠に持つことなく、もしかすると、礼部本館、本堂で理解ある優しいイケメンの上司の下、過去の
そして、調べに調べあげた、きちんとした、儀礼の方法を
なんという幸せ、なんという神々しさ、、。これぞ、官吏。天子様にお教えするなんて、、、、。
と思ったら、、、。
「やぁ、ご同輩」
どっかで、訊いた声だと思えば、
なんで、クルクル・パーの武官が左礼房の入り口まで来ているのだ。
「なにか御用でしょうか?羅氏殿?。上役ともめてクビにでも成りましたか?」
「言うじゃないか、模擬用兵で、
『おまえなんか、自信過剰に成って、戦場で死んでしまえ』
と本気で思う、陳粋華。
「こんなところで働いているのかおまえ?」
「いや、、違ぃ」
一瞬、見栄を切ってそうだと嘘をつこうか思ったが、やめた。こいつならウジウジほじくり訊いて恥ずべき真実をそれこそ
こいつは、人に見えるけど、
「いいえ、あっちのあばら小屋です」
「ふーん」
そんなに左礼房に深く足を踏み入れず、首を伸ばし覗き込む羅梅鳳。思ったほど陳粋華の職場に興味もないらしい。
少し、心情を吐露してしまい、損した気分である。
『こいつにだけは、恥かしい部分をなぜか、あんまり見せたくないんだなぁ』
「武官はここんところ、忙しんじゃないんですか、この左礼房までうるさいぐらい色々聴こえてきますよ。ああうるさいと仕事になりませんね」
「今日は、やけに突っかかるじゃないか?ご同輩」
「北陽王が謀反を起こしてからなぜか、ついていないんでね」
「北陽王、討伐軍の総大将、誰か、知ってるか?」
「知るわけないじゃないですか」と陳粋華。
「ご同輩、そこに、載ってるぞ」
と羅梅鳳が指さしたのは、陳粋華が持っている、
大路の反対側で、独りの武官が演習用の
「呼ばれてるらしい、また一人、ぶちのめしてくるわ、じゃあな」
と羅梅鳳。
あっという間に、演習場に駆けていった。陳粋華はなになにと、官報を読みながら、司史所に戻った。
討伐軍、総大将、
司史所の薄暗い奥まで入り込んで、劉甫に官報を渡す。
劉甫は、木簡に
「師匠、李鐸上司軍とは、どんな方なのでしょうか?」
「うん!?」
あきらかな、生返事。訊いて失敗だったか?。
「
『テイソウ!?』
「秋朝始まって以来の負けしらずの
「さぁ、戦そのものには、あんまり興味がないから、知らぬが、年の頃は、六十の
『六十って、また、おじいちゃんか、、。だけど、戦に興味ないのに、弟子に従軍させんの?』
陳粋華はイケメンの先の
劉甫は、
「しかも、
「二万か、三万ですかね、、」
陳粋華、他の女性と同じく、地理にはかなり
「まぁ、そんなもんじゃろう。半分は女で、老人と子供を割り引くと賊軍の
「七千に六千」
「まぁ、万に一つも
『なんだ、うちら、楽勝なんだちょっと安心、、(^o^)』
「そうじゃ、あれを用意しておいた」
と思い出したように劉甫。
「この
「なんでしょう?ご師範様」
「兜じゃ」
「カブト!?」
「戦場にいくのじゃ、矢玉が飛んで来ようて、防がねばなるまい」
『それも、そうだ、、・ω・』
「今朝、これに用意しておいた。しかも、昨晩、小用(おしっこ)の後、眠れんで、暇で磨いておいたので、心して受け取るように」
「ははぁー」
劉甫は、自身の席の横の桐の箱を開けると、布に包まった髑髏のようなものを差し出した。
陳粋華、かしこまって手を差し出し受け取る。
重い。しかも金色に光っている。
『あれー、これ、龍!!』
「わしが、
劉甫、が言った。
それは、兜の
すっぱり頭が金の龍によって、守られるのだ。
「こ、これは、天子様しか被っちゃいけないものではないでしょうか、、」
面くらってしまい、陳粋華は声がない。
「まぁ、構わんじゃろう、前の王朝のだから、
劉甫は平然と言い放ったが、それは、劉甫がそう思っているだけであろう。
「それと、お師範様、貴方様は右丞相であられたのですか、、、、?」
右丞相といえば、丞相、左丞相、右丞相ときて、この
一体、なにをすれば、右丞相からこんな、司史所みたいな下書きの文章整理の閑職に飛ばされるのであろう。
「
ドテっ。
『それじゃ、あの人殺しの羅梅鳳といっしょじゃん』
「まぁ、わしも、若かったもんじゃ」
「師匠、師匠の左遷のお話は、いつか、ゆっくり伺うとして、申し訳ありませんが、普通の禁軍の
「そんなもん、いつでも、もらえるじゃろう、しかし、こっちのほうが、矢避けにはなろう、一応、推参しなさい」
「しかし、目立って、逆に射られませんか?」
「そうなっても、大丈夫なように、頭をすっぽりかこんでおるんだわ、よっく見い」
「はい、、、。あの、師匠もう一つ懸念があるのですが」
「なんじゃ」
「この陳粋華めが、
「当たり前じゃないか、、、。」
ガクっ。
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陳粋華の男性レポ。
イケメン度 在 不在(男として、ありかなしか)
羅梅鳳の後ろ遠くに見えた武官 四十 不在、羅梅鳳と知り合い
そうだから
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