第13話 帰国して…
それから俺と
「どうだ。耕哉。陽一兄さんと話して
「あぁ、
「あぁ、それで良いぞ。耕哉。」
俺が
しかし、兄さんとモスクワ大学で彼女の状態を勉強した事は非常に大きいと思い、俺が出来る事は俺でやろうと感じた、
「そうだ。私が以前、日蓮宗本山
「ありがとう。母さん。でも、母さんにも同じお経を持っているんでしょ。」
「あぁ、私もそれを読んで生活の糧にしたいからな。」
「そうか。確か、日蓮宗は自力本願なのが良い点だよな。」
「そうだ。日蓮宗は自力で考えて進める事で達成できる事はモットーとしている。だから、自力本願が如何に重要な考えなのか分かると思うぞ。」
「あぁ、それに加えてロシア正教会の聖書も兄さんからもらって来た。」
「あぁ、こういった宗教の知識は扱い方を間違えればカルトになるが、正しい価値観を進めれば生活の糧になる事を忘れてはならないようにしろよ。」
「当然だ。生活に糧にする以上、但し知識は非常に必要になるからな。」
「当然だな。だからそういった宗教知識、数学、物理、化学の知識は十分に私が耕哉と
「当然。俺も
「あぁ、これから辛いけど、一緒に勉強しよう。耕哉。」
俺は
脳のIQと腸のIQがあるが、
大腸や子宮、小腸、腎臓などの臓器に多くの脳細胞が作られ、脳より賢くなる医学は既に俺と兄さんが勉強している。
母さんや父さんはエリートだが、兄さんや俺も強制された覚えはない。
寧ろ、兄さんは長男でありながら寧ろ自立を促す教育をされていたから兄さんは凄く立派な人間になれたと両親のお陰だと思った。
長男でも後継ぎとして育てると下の子供に悪影響を与える事は既に解っている。
そして、長男は高学歴になる傾向があるから、逆に両親は兄さんを自由に自立させる教育をさせたのはその方が兄さんに良い影響を与えるのは間違いないと確信できた。
最も兄さんは独身だが、それでも自由に自立させるように子育てした影響で問題なく暮らしている。
だから、俺が出来る事は俺がやらないと意味がないなと感じるのも自力で自立できるような人間じゃないといけない思想が根底にあるからだ。
故に俺は、
寧ろ、逆に頭を失った事で外見で判断されることなく中身とかで判断される事は凄く彼女に取っても良い事だと感じると益々、嬉しくなった。
だから…、
「
俺が喋っても彼女が直接声で返答される事はないと思っている。
何故なら、彼女の頭は既に遺骨になっているから。
でも、彼女を反応させると直ぐにノートで書いて俺に返答してくれた。
「えっ。ノートに書いている事を読めって。」
と、
「そうか。お前が言いたい事はよくわかるよ。『ありがとう。耕哉君。私は頭がなくても良い知識を作れるし、勉強すれば中身で人間を判断できる人間になれるんだね。』」
俺はこの内容を見て俺は凄くホッとした。
自分で決める事は自分で決めるのは非常に大事な事だ。
これは日蓮宗の自力本願志向にも表れており、ロシア正教会でもやってはいけない罪を明確に書物に記してある。
他力本願的な浄土宗より自力本願の日蓮宗の方が、人間的に強くなると思うと俺はその教えを読み、生活の糧にする事が何よりも大事だと感じた。
とにかく、
他力本願では、結局、ニヒリズムを生み出し、直ぐに挫折してしまう。
そして、人任せで行くから有能な人間が生まれず、有能な人間頼みになる。
江戸幕府は日蓮宗を弾圧したから結局、ニヒリズムや有能な武士が消えたのは当然だ。
家康が臆病者だから優秀な人間を排除したから、そうなってしまう。
それを知っていれば俺が出来る事はただ1つ。
俺はお前の頭がなくても自立させてやるよ。
その為に俺はお前を手助けしてあげるから…。
その為に俺はお前が首が無くても自立させて見せるぞ。
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