第14話 頭がなくても彼女は賢い。

 ようやく俺は水鶏奈くいなと共に久々に高校に登校し、これから首のない彼女と共に学校生活が再開され、皆に会えると思っていた。


「おはよう。聡介そうすけ。」


「おはよう。耕哉こうや。」


 俺は適当にクラスメイトに挨拶しながらも水鶏奈とは同行し、彼女の安全を確認した。


 すると…、


「おぉ、耕哉こうや君と水鶏奈くいなちゃんじゃないか。」


「お前、まさかレズビアン女子の槇原優真まきはら ゆまなのか?」


「うん、そうだよ。私もアンタと同じく水鶏奈くいなちゃんが好きで堪らなかった。けど、確かに彼女の首は失っているのは私にも分かる。だがら、それでも身体だけでも生きていれば私にとっては凄く嬉しんだけどね。」


「そうか。でも、優真ゆまは、なんか水鶏奈くいなを始めとした女の子の身体が凄く好きそうな人間みたいで、逆に凄いと思うな。そう思うと俺は人間として未熟だと思ってしまうな。」


「ふっふっ。でも同性愛でも女性同士の方がそこまで酷い恋愛にならなんだよ。男同士の同性愛は直ぐにやる、金で口封じするなどの行為をするから私は嫌いなんだよ。でも、レズビアンにはそういった汚らわしい行いがないから清らかで凄く好きになるの。」


「はははぁ。そういう事なんだな。つまり、アンタは男友達が居てもお金との関係が嫌ってレズビアンになっているのかい?」


「その通りだよん。純愛があるからレズビアンでも問題ないしね。」


 凄いな。優真ゆまは…、


 彼女はどうしてレズビアンになった理由は、男性が怖いと思う感情よりも、異性愛や男性同士だと金の関係に発展しやすいから、純愛を感じ取れないからだろう。

 それ故に、彼女がレズビアンに嵌ったのは妥当だと感じた。


 実際、異性愛でも金の関係が多い事もあるし、ゲイ同士なら尚更、その傾向が一層強くなる事を俺は知っている。


 だからお金の利害で嫌でレズビアンや百合にはまる男女が多いのは当然だし、資本主義の否定したい気持ちがレズビアンに目覚める女子が多いと言えよう。


 対称的にゲイは自由資本主義から生まれ、お金の利害でゲイカップルをやっている奴も非常に多い事は追記しておく。


「でも優真ゆま。アンタはレズビアンがそれだけ好きである事は確かにアンタは凄い事だと思うぞ。で、水鶏奈くいなに首がなくても好きなのはどうしてだ?」


 俺は彼女がどうして水鶏奈くいなの首がなくてもそこまで水鶏奈の事が好きなのか非常に分からなかった。

 同時に彼女はそこまで首なし女性を好むのはやはり自由資本主義の嫌悪から来る女性同性愛と首がない事で彼女を支配したい気持ちがある為だと、俺は薄気味悪く感じた。


 「耕哉君。私は首がなくても水鶏奈くいなちゃんは生きている鼓動を感じるよう。私は彼女が、首がないから中身で愛せて、生きていると感じるんだよ。」


 へへっ。凄いな。優真ゆまは…。

 だから俺は、彼女にある事を言いたいと思い…、


優真ゆま。あんまり、水鶏奈くいなの身体で遊ばないようにしてくれないか?」


耕哉こうや君。私も彼女も気遣ってくれてありがとう。でも、私も水鶏奈くいなちゃんの頭がなくても通じる事は沢山あるから、その鼓動を感じ取りたいの。」


「そうか。それは凄いな。」


「確かに…。水鶏奈くいなちゃんを大事にすれば呪われずに済むでしょ。」


「あぁ、その通りだ。けど、どこからその情報を得たんだ?」


 俺は優真ゆまが何でそこまでして彼女の首なし少女の情報を得たのか俺にはわからなかった。


 しかし、その中でも彼女がそんなに凛々しい態度をしていると彼女が凄く可愛いと感じ、彼女だったら、彼女の関する話をきちんと聞いてくれると思ったから話す事を決意した。


優真ゆま。お前に水鶏奈くいなの話をしておきたい事がある。」


「うん。学校の屋上で十分に話そうね。」


「あぁ。」


 俺はこうして学校の屋上で水鶏奈くいなとの話を十分に聞いてくれる姿勢が取れて凄く安心出来たから話そうと思った。

 *********

「そうか。水鶏奈くいなみたいな首なし少女を虐めたり凶器を差し出すと呪い殺されて死んでしまうんだね。」


「その通りだ。水鶏奈くいなの首がなくても身体は不思議な加護と臓器の協調で首がなくても生きているんだ。だから頭を失っても身体はずっと生き続けるんだよ。」


「ふふっ。面白いね。耕哉こうや君。確かにアンタは凄く話しやすくて楽しいから私は凄く好きになるんだ。で、アンタも実は水鶏奈くいなちゃんに恋心を持っているんでしょ。」


優真ゆま。俺の本心を就いているようで凄く怖い発言だな。」


 彼女は相手を見通す力が凄いな。


 だから俺は嘘を付かずに素直に…、


「あぁ、そうだよ。俺は水鶏奈くいなが凄く好きだった。でも、彼女は子供を救おうとした時に崖に転んで無くなってしまった。しかし、頭部だけの損傷が酷かったが、身体の方は傷が全然なく生きていたから生命の安全の為に首を切除する手術を行って身体だけ生かされたんだ。」


「凄い。でも耕哉こうや君はそれで良いと思っているの?」


「いや、それで良いとは思っていないよ。でも俺は彼女がいるからこうして今があるとは思っているよ。」


「ふ~ん。そうなんだ。」


 俺は出来るだけ水鶏奈くいなの実情を優真に出来るだけ話し合い、彼女の頭部が死に絶え、身体だけ生かされた事実を少しずつだか優真に話した。


 優真ゆまが納得できればそれで良いと…、

 その時は思った。

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