第4話 俺の両親と水鶏奈の胴体。
俺の兄貴はモスクワ大学でそういった研究をしているので、詳しい事情を聞けるのだが、俺は
「
俺は
けど、声で返事が来なくても手話で返答してくれるだろうと感じた。
「なる程、お前は凄く手話が上手いな。俺は、お前の胴体に触れると何か、心臓の鼓動、腸の動きなどを聞いて一安心する。」
俺は彼女に詳しい事情が言えないけれど、それでも心臓や腸等の動きを聞いていると頭は死んでも身体の方は未だに生きている鼓動がして、一安心出来た。
でも、今の彼女を見ていると頭がないのに身体はそれぞれの臓器が独立して役割分担をはたしている事になる。
そうすると、脳の影響が無くなった事で却って身体が生き生きして凄く優しい鼓動になっていると思うと、はたして俺は頭があっても幸せなのかと感じる可能性すら生まれた。
だから…、
「
俺は兄が不在ながらも両親がいるから俺の家で詳しい話を聞きながら俺の家に寝泊まりさせようとした。
**********
そして俺の家辿り着き…、
「
「…。」
当然、
しかし、そんな状況だからこそ俺は彼女の身体を優しく撫で、彼女の右腕を使って俺の家のインターホンを押した。
…ピーンポーン。
「はい。どちらでしょうか。」
「母さん。俺と
「耕哉。別に自宅のインターホンを押す必要性がないのに何故、押すの?」
「いやぁ。頭を亡くした
「そうか。アンタは
「あぁ。でも、アイツの頭が死んだから喋る事が出来ないんだ。」
「そうか。分かったよ。
俺はそうやって俺の母ちゃんが喜んだせいか、俺と
「
「…。」
そうか、アンタは頭がないから喋れないんだね。
俺の母ちゃんも
「
「
俺の母ちゃんは自宅で医者を兼用している。
今日は日曜日なので母ちゃんは休診しているが、そのお陰で
俺の母ちゃんは大学病院が嫌いで開業医として働いている。
恐らく、大学病院の派閥争いが嫌だからこうして個人医としてやっている方が気楽なのだと感じた。
そして、母さんの場合、極力、薬使わずに処方する様にしているので近所からは評判が良い。
故に働く人や女性の事を考えた医者なのだと俺は思った。
その影響からか中でも特に、女子学生やサラリーマンには非常に人気がある医者なのも大体、理解出来る。
そして俺の父さんは医療機器メーカーの取締役だから、家に帰る日は意外と少ない。
それ故にロシアの家とここで互いに行き来して休んでいる様だ。
だから、普段は俺と医者である母ちゃんだけの環境で、しかも癌細胞は熱で死ぬ事、癌細胞増殖は脳のストレスが原因だと知っている優秀な母ちゃんだと思うと俺は凄く嬉しかった。
かくいう俺は父さんに似ていて、兄貴が母ちゃんに似ている。
だから、俺の兄ちゃんは細胞研究し、俺が
母ちゃん、
と俺は母ちゃんの顔を見ながら俺は
「うん、
「頭がないから逆に健康的になっているんだ。」
「そう。胃癌や大腸癌の原因は脳のストレスが原因なんだ。だから、大腸も胃も脳から独立すれば癌になる確率は劇的に低くなる。」
「そうなんだな。母ちゃん。」
「あぁ、耕哉は本当に父さんに似ている。父さんもあんたも同じ情報欲の強さがより医療問題を解決しているんだよ。」
「俺や父さんの情報欲が医療問題を解決しているんだな。」
確かに、母ちゃんは医者だが、特定の分野以外には非常に疎い部分がある。
だから、俺や父さんが非常に大事な情報を得る様になるのは何となくわかる気がした。
そして俺は母さんの診察を考慮して家に帰ったら母さんの手伝いや掃除や料理をしているのも母さんに負担をかけさせない事で良い医療をさせる為だと思った。
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