某大賞、三次落ち
長年の戦闘経験を積んだ楓に〝動揺〟はなかった。瞬時に右手に召喚したのは銃剣付きのポンプアクション式散弾銃・ウィンチェスターM一八九七だった。少女が持つ銃器の中では数少ない接近戦兼用の武器である。それはつまり、どんな対処も可能なように。逆を言えば、そうしなければいけないほど、彼女は逼迫している状況にある。敵の姿が見えないのを嫌い、まずは攻撃地点から距離を取るために後ろへ下がる。
淡々と戦況を分析し、楓は右手にアームスコー四十ミリ・MGLを形成する。これはグレネード弾を回転式弾倉に装填した〝回転式リボリング弾倉式火器〟である。淡紫色の炎が硬質化し、狙いは淀みなく敵へ。銃身下の補助グリップを左手で掴み、右手の人差指で引き金を絞った。
爆音。大気を波打つ魔弾はほぼ一直線に飛翔し、巨大な蜥蜴型の
炎が透明なケースに注がれたように変質する。突撃小銃の主役にして名器・コルト社のM四カービンである。淀みなく両手でしっかりと構え、敵が体勢を立て直すよりも速く、引き金を絞った。フルオートで放たれる弾丸が十重二十重に重なり、魔弾の槍とかして化け物の上半身部分を撃ち、抉っていく。左手の鋏を盾にしようとするも、とてもではないがカバーし切れていない。血の代わりにブルーの体液が炎の残滓に混ざって大気へ散り、溶けていく。
『ガンアクション良いね』
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