第5話 かけっこしよ?

かけっこ。

多分多くの人が経験したことがあると思う簡単なゲーム。


これを進化させたのが【ガンガンゲーム】。



放課後、みんなっていうかあの4人で集まって話し合いした 「秘密のデート」。

なんもデートらしいことはしてないのに、木崎さんが僕に言った。


「ねぇ、私たち付き合ってるよね。」


急な一言だった気もするし、僕はそれに向けて自分が用意をし続けた気がした。


だからすんなりと僕はこう答えた。


「なに、当たり前のこと言ってんだよ。」

「そうよ、ねむちゃん大丈夫?寝ぼけてるの?」


唯一驚いてたのが神田だった。

でも、なぜかそれは一瞬で納得に変化した。


翌朝、教室はざわめいていた。

だって、誰もが神田とめぐが付き合ってるとは思ってなかったから。



誰もが僕とねむのことを不思議に思ってなかった。







そして、僕らは計画を実行することにした。


「「ふーくーだーくーん♪」」

「木崎さんと、手塚さん。どうしたの?」

「いや、何でもないんだけどね、今度3人で遊びに行かない?」

「え、いや、なんで?」

「ほら、ね、めぐちゃん。だから私はやめとこって言ったじゃん。そこまで仲良くないんだし…福田君も迷惑だよね。ごめん」

「いや、そんなことはないけど…」

「「ほんと!?!?やったね!!!」」

「う、うん。」

「えっとね、急かもだけど、土曜とかはダメかな?」

「それは急だね。でも、いいよ。」

「ありがと!あとでミミムするね!」



彼氏持ちの女子2人が同じ男子1人を誘って遊びに行く。

これで口実はできた。

でも、機はまだ熟してない。


本番は土曜日。



そう、その場で僕らはもっと大きな口実を作る。

そう、決定的な証拠と2人の涙とともに。


これはそう。福田いじりを始めるきっかけでしかない。

火種なのだ。後は周りが炎を勝手に大きくしてくれる。



それが高校生という生き物だ。

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