第3話さて、これから時間は難しい
無関心だった僕らが目を覚まさなきゃいけない事が起きた。
日向さんと櫻井さんが欠席するようになった。
不登校ってわけではない。
ま、『進学校』である手前、不登校者なんて出すわけにはいかない。そんな大人の事情も絡んで、彼らはいつも欠席者として言われていた。
誰もが『不登校者』っとは言わなかった。
タブーだったんだ。
でも、それで、何人かは目を覚ました。
特に木崎さんあ顕著だった。
彼女は、彼女が無邪気に発した、罰則規定を無効にすると言い出した。
彼女に決定権があることだから誰もが異論を唱えなかった。
それに、みんな、飽きが来ていた。
そう、もう、面白くもない、この『ゲーム』には価値がなくなっていた。
その日、僕と木崎さんと、小日向くんで二人の家に行って、明日来るように説得した。
ここでまた、気づいた者は木崎さんと仲良くなり始めた手塚めぐだけだった。
めぐは僕にこう言った。
「ねむちゃんは反省なんてしていない。彼女は、『人気』が欲しいだけ。これが計算だったら嫌みなだけだけど、彼女はこれを無意識の上でやってる。彼女は『自分』が持ってる力をしらないのよ。だから怖いの。」
沈静化したイジメ地味たゲームはまた、暇を持て余す僕らの間では変化をとげてやって来ると僕は確信していた。
それからまた1ヶ月と長いような短い時間が過ぎて、中間テストも終わった6月中旬。
「ねぇ、試験も終わったしさ、一緒に女子だけで遊ぼうよ。」
誰からともなく、発されたその言葉は男子に反感と女子の中の力具合を表すのにはいい一言だった。
断った奴は強い。
一番最初に同調した奴は弱い。
そんな簡単だけど、抜け出しがたいヒエラルキーが出来上がっていた。
それは女子に限った事ではなくって、僕ら男子の間でも出来上がっていた。
『その他』のモブ達。
『普通』のそこそこ達。
『やや強い』のごますり上手達。
『強い』のパーフェクト達。
大きく分けてこの4つの分類が存在した。
多くの人たちは普通辺りでふよふよしていて、野心の強いものからどんどん胡麻をすっていって。
これもまたよくある事なのかもしれない。
でも、女子はもう少し複雑で。
段階の入れ替わりは少ない分なのか、違うのかはよくわからないけど、複雑に絡み合っていた。
だから、男子のように、こいつはこうだからこう。みたいな分類だけじゃない。
見た目、成績、先輩との関係、家柄、いろんなものが絡んで昨日の味方は今日の敵の場合がある。
これだから怖くて疲れる。っとめぐはこぼしていた。
それでも、これが学校という監獄の中での処世術なのだ。
ヒエラルキーに敏感でいる事。
そして、『自分』をしる事が重要なのだ。
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