第23話 侵略開始
【地球:中央都市軍基地:マルチホール】
《今後の方針》
一日休養をとり、しっかりと先日の疲れを癒した第三期生5人は、ミカさんによりマルチホールへと呼び出された。
第三期生の5人は初日に座った順番で並ばされ、目の前にはミカと先輩2人がいた。
「みんな集まったわね。 今後のあなたたちの予定を伝える前に、昨日できなかった自己紹介を先にやるわね」
そういうと、ミカは自分のことについて真面目に語り始めた。
「私の名前は、鴻崎ミカ。 ここ中央都市軍で指揮をとり、あなた達を守るのが私の役目よ。
そして、昨日少し話した通り私は神域者。 つまりはあなたたちが
そう、神域者とは我々地球人が昔神と崇め、許しを請うた存在。だが、実のところ彼女らは宇宙人であり、この地球から然程遠くない星を拠点とし、生活していた人々。
そして、彼女ら神域者は、当時猿の姿をしていた者たちに英知を与え、地球人として確立させてくれた存在であり、母のような存在なのだ。
そんな神域者と一昔、再度接触があり、猿から成長した地球人はまた神域者によって新たな英知を獲得し、個々人が持つ異能力の力を手にしたのである。
「そして、私たちの目的は敵勢力の撃退及び無力化よ。 そしてあなた達には、それに先駆け他の星を侵略し、私たちが活動できる領域を増やしてほしいの」
敵勢力……。一体どんな奴らなのか。クリーチャー系の敵なのか、将又自分らと同じ人型なのか。そう疑問に思った槐はミカに質問を投げかける。
「敵勢力とは具体的にどういった奴らなのですか??」
「良い質問ね。 これに関しては、少し複雑なのだけど、簡単に言ったらあなたたちの先祖に当たる人たちね」
「先祖……?!!」
思いがけない言葉に第三期生達は驚く。地球人の先祖となると間違いなく人型であり、猿のような可能性がある。
するとミカは、少し昔話を始めた。
「かつて、あなた達よりも何万年も前にも地球人は
美大が母が昔攻撃されたと聞き、青ざめ心配する。そして、その心配は声が震えるほどだった。
「げ……原因は……??」
「残念ながら分からないわ……」
ミカがこれまでにないほど落胆した声を出し、顔を下に向けた。神域者の人たちはどうやら本気で分からないらしい。そして、その顔は我が子を思うような感じにも受け取れた。
「一応、その戦いでは神域者側の勝利。 その時の敗北した地球人は大半が地球から離れ、私たちが手の届かないところまで行ってしまったわ。 そして、私たちも残った人たちを助けようとしたけど、こちらの被害も相当のものだったからしばらくの間放ってしまう結果になってしまったわ」
「なんでまた最近になって地球に??」
「各地へ離れた元地球人のトップから宣戦布告が、私たち神域者とあなたたち地球人へ向け送られてきたのよ」
「……!!」
そんな壮大な過去があったのか。そして、槐は自分が如何に重要な局面にいることを改めて確認した。まさか、地球がそんなことになっているとは……。
怜雄がミカの話を聞き、ミカを質問責めにする。
「あんたたちだけじゃ何とかできないのか?? 前回は退けたんだろ」
「彼らは年々勢力を拡大しています。 私たちだけでは不可能でしょう」
「だからと言って、他の星も巻き込むのか?? それこそどうかと思うぜ」
「そうですね。 それに関しては反論できません。 ですが彼らは、復讐を終えたのちこの宇宙全体を征服しようとするでしょう。 彼らはとても欲深いですからね。 そうなる前にどうしても我々で食い止めるのです」
「その根拠は……??」
ミカが彼らが宇宙全体を征服させるという根拠を問われると、困ったような表情をする。だが、それは質問に対してではなく、何かを懸念するような感じであった。
「あなた方の歴史を見てみればよく分かります。 それはいつの時代も変わらないのです」
「……確かにな。 それを言われると少し納得がいくな」
怜雄は納得がいったようで、腕を組み瞳を閉じた。地球人は欲が深く、それの為には犠牲も問わない過去があるが故に、こちらとしても否定はできないからだ。
そして、ミカは改めて第三期生に命令を下した。
「我々神域者はあなたたち5人に対し、協力を要請します。 そして、共通の目的のためにまずは“水の惑星・アーウォース”に向かい侵略を開始してください!!」
「「「「「了解!!」」」」」
「詳細は追って連絡します」
こうして現状の地球の状態、神域者・地球人の目的を聞き、新たな侵略作戦が始まるのだった。
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