第1章 侵略者側へ

第1話 ようこそ侵略者側へ

【ゲゼラフ星:498地区】

《ゲゼラフ星498地区侵略作戦》

作戦開始より103時間経過……


 「これで全部かな」


 グシャッ、グシャッっと何かの肉片をつぶしながら、2m程の少しばかり大きなが疲れた様子で、隣にいる同じに問いかける。


 「そうですね。これで……クッ!!」


 何かに気づいたのか、紫色の兵器が咄嗟にその手に持っていた銃器で照準を合わせ撃つ。

 勢いよく放たれたは見事目標物に当たり、肉片へと変貌させる。


 「これで終わりですね」


 紫色の兵器は先ほどの問いに気持ちよく答える。

 そして、重要なことを思い出し黒の兵器に確認する。


 「そういえば、今日から新兵が何人か入ってくるんじゃありませんでしたっけ?」

 「そうだな。新たな侵略者インベーダーの誕生だ!!」


 その表情は機械故に読み取れないが、どこか嬉しそうであることは確かだった。




【地球:中央都市軍基地:マルチホール】

《新兵指導開始》


 「スゥ~ ……ハア~、スゥ~ ……ハア~。やばいやばいやばい。まじで緊張してきた」


 この馬鹿広い空間にたった5名という異様な空気に、緊張しっぱなしの少年。

 18歳にして努力の末、入隊することができた日本出身の“星野宮 槐ほしのみや えんじゅ”。適正ランクは《A》と一般より上といったところ。


 「君もすごい緊張してるんだね。私もさっきから緊張しっぱなしだよ。」


 そう優しく答えてくれるのは、18歳の少女の“桜庭 梨花さくらば りか”である。

 こちらも日本出身の新兵で、適正ランクは《S》。いわゆる天才というものである。


 そんな彼女と少し与太話をしていると、ホールの舞台袖から長身の男と、凛とした姿がよく似合うTheヤマトナデシコという感じの女性が出てきた。

 すると、舞台の中央。集まっている5人の中央らへんに移動する。


 「諸君、ようこそ侵略者側へ!!」


 唐突に長身の男が言葉を放つ。

 隣にいたヤマトナデシコ風の女性はやれやれといった感じでため息をついていたが、すぐに長身の男に喝を入れた。


 そうして始まる“侵略者側”の物語である。

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