第3話 浅葱ニ

「白夜」


その声の主は浅葱あさぎと呼ばれる少女だ。

年は16,17頃だろう。

美貌の神でさえ彼女には及ばないだろう、見目麗しい顔立ち。

白磁のごとく、というか白磁なんてめじゃないほどの透き通った真っ白な肌。

ふんわりと笑みを浮かべる桜色、なんかよりももっと可愛らしい唇。


.....そして。

白夜と同じ、珍しすぎる銀の髪が太陽の光を反射して輝いている。


彼女のどこを見ても惹きつけられるが、そんな中でも白夜は格別彼女の瞳が好きだった。

ちょうど...目の前にどこまでも広がる空のような、花浅葱色の瞳。

何を映していて、何を考えているのか、全くわからない彼女の瞳は見ていて飽きない。


白夜が初めて彼女を見たときは、こんなににもキレイな人が存在するのかと驚いたものだ。

彼女が視界の隅に入ったとき、嬉しいと思う。

彼女をもっと見ていたいと感じる。


白夜は自分に感情などあるのか、いまいち分からない。

それに、あったところで自分の感情に確証も持てない。

でもこれは、たぶん。


「好き......とかいうやつなんだろうな。」

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