第25話

「持内さんって、確か29歳でしたっけ?」


「30歳になりました……」


 俺はそう言って肩をがっくりと落とした。


「じゃ、私のほうが少しお姉さんだね」


 橘さんが、そう言って苦笑いした。


「お幾つですか?」


「持内さん」


「はい」


「女の子に歳を聞くのはダメなんだよ?」


「すみません」


 怒られてしまった。

 嫌われたかな?


 そう思って橘さんの顔を見てみた。

 すると橘さんのその顔は、楽しそうだった。

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