第24話

 俺が、次の言葉に困っていると橘さんの方から声をかけてくれた。


「いい天気ですね。

 持内さんは、休みの日はなにをしているんですか?」


「ネットをしたり本を読んだりテレビを見たりかな……」


「パソコンにお詳しいんですか?」


「詳しいって言うほどでもないですが……

 ちょっと触る程度なら出来ますよ」


「凄いですね。

 私、そういうの苦手で……エクセルとワードがやっとです」


 橘さんが苦笑いを浮かべた。


「触ってみると意外と簡単ですよ」


「パソコンが、得意な人はみんなそういいますよね」


 橘さんは、そう言うとため息をついた。

 もしかして、答え間違った?

 よし、今度は俺が質問してみよう。


「橘さんは、なにをしているのですか?」


「お友だちと買い物に行ったり……

 家に居るときは、テレビを見たり本読んだり……

 持内さんと、そんなに変わんないですよ」


「買い物ですか……

 俺は服とかニッセンですませています」


「ダメですよ!

 男の子もオシャレしなくちゃ!」


 橘さんは、少し大きな声でそう言った。


「でも、俺、あんまオシャレとか詳しくないですし……」


「だったら、今度お付き合いします」


 橘さんが、ニッコリと微笑んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る