第17話
「じゃじゃーん!
私、こんなの持ってまーす」
橘さんがそう言って遊園地の無料チケットを取り出した。
「え?いいの?」
こういう場合、チケット代は男が払うべきだよね。
「いいのいいの。
新聞屋さんに貰ったやつだから」
「そっか」
橘さんが、俺の手を引っ張り遊園地のゲートをくぐった。
「私、遊園地に来たのって初めてなんだー」
橘さんは、嬉しそうに笑っている。
そして、どこか照れている。
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