第5話 魔王さらに企む
凍り付いている、分厚い氷の上にさらに雪が積もり、太陽光が遮られ、海である自分がもっと凍り付いていく。
・・・・・
・・・・・
「わっ。」
凍り付いたまま寝てたようだ、目が覚めたら、氷が溶けていた、海だ、海が復活している。
どれくらい寝てたのか分からないが、長い時間が経っているようだ・・・。
月がある、たしか凍り付く以前は、この惑星に衛星は無かったはずだ、しかも2つもある。
白くて小さい月が内側で、赤くて大きい月が外側を回っている、どんな経過でできたのか今となっては想像もつかないが、月ができる過程を見たかった、きっと大イベントだったのに。
どうやら、月ができた影響で、この星の氷が解凍されたようだ。
海の中を探ってみるが生命反応が無い、相当長い期間全球凍結していたようで、微生物すら見当たらない、陸を覗いてみても、砂と岩が見えるだけだ。
魔王は、凍結している間も寝れなかったのか、血走った目でこちらをにらんでいる。
こうなったのは、全部あなたのせいなんだからと、睨み返す・・・・
「す、すいません!」
魔王の圧に負けて、つい謝ってしまった、大陸の魔王より海の自分のほうが、圧倒的に強いはずなのに。
魔王も全休凍結には懲りたのか、今回は圧をかけてくるけど、ずいぶんおとなしい、では今のうちにこの惑星の開発を進めましょうか。
とは言っても、知識なんて全く無い、前回だってたまたまだったし、同じことをするしかないのかな。
では適当に魔力をこめてと・・・あれ?魔王が魔法を唱えてる、あんた懲りたんじゃなかったのか、魔王の大陸に魔法陣が展開していく。
空間がゆがみ、亀裂が入っていく、いったい何する気なんだ、亀裂がどんどん広がって、洞窟の入り口かゲートのようなものが、広がった空間の向こう側の景色はあれは。
確かー、えー、魔王城?、かすかな記憶にある魔王城の姿が、そして魔王の手下だった魔人や魔物たちが、なんの躊躇もなくこちらに飛び込んでくる、いくら魔族だからって扉があったらとりあえず飛び込むって。
そして、やっぱりバタバタと倒れていく、泡を吹いたり白目をむいたり、手足をピクピクンとけいれんさせている、そりゃあそうだよね、いくら海があって大気が存在する、いわゆるハビタブルゾーンってやつなんだろうけど、重力や大気の成分は違うだろうし、違う世界の別の惑星なんだから。
魔王四天王とか呼ばれてた魔人も飛び込んできたもののすぐに倒れてしまう中で、四天王のアンデット系のシルバーリッチが立ち上がった、魔力を全身にまといフラフラながら、さすが不老不死のアンデットの最上位種だけあって、短期間で環境に適応してしまった。
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