第9話 星戦士・火姫の剣

 ハルチカにレイちゃんとやっちゃえと迫る記録官!


 ハルチカは絞出すような声で、


「僕には、僕には出来ない!(立たないから※心の声)」


 記録官は立ち止まり、手を顎に充てながら、「出来ない?困りましたねぇ、私は嫌がる男女をくっ付ける趣味は無いし、」


 彼はケンが焼け落ちた苦痛でうずくまっているバリーガントを見ながら、「どうします、閣下!」、と言った瞬間!


 ブッワアアアアア!


 バリーガントの体は白き剛毛におおわれ、


 バリバリバリバリ!!


 体に無数の破れ目が走り、


 ズボッシュ!ズボッシュ!


 両側、上下四本の巨大な熊手が生え!


 ズズズズズズズズズ!!!


 身の丈三メータの巨大な白熊と成る!


 その風貌、凶悪!


 そして、その腹にあるは!


 バリーガントの顔!!


 m(#▼(エ)▼*)m

 m( #△益△*)m


 更に、焼け落ちたケンの痕から、


 ズルッチョ!!!


 ~>゜)ーーー~~~


 巨大な蛇頭じゃとう!!!


 黒い戦闘服の男達に、奥の殿から連行されて来た巫女長ミコマスタは、バリーガントのその姿を見た時、


「こっ、此れは、『魔獣』!!まさかお前達!可笑しいと思っていたのじゃ、まさか、バリーガントが『魔獣』だったとは!本当の、本当のバリーガント殿はどうしたのじゃ!」、と記録官を怒鳴り、


 記録官は記録する、「ええと、閣下は魔獣だったと、其で本当の閣下は、あっ要るじゃないですか閣下!」


 記録官は魔獣の腹のバリーガントの顔に近付き、「閣下、少年がレイちゃんとエッチしたくないと言っていますよ、どうしますか、えっ、チンをもいじゃうんですか?」と一人芝居を始める!


 腹のバリーガントはか細い声で、「・・・た・・ちゅ・・け・・・て・・・」を繰り返していた。


 記録官は頷きながら、「うん、もいじゃおう!君たち、その少年のパンツ下ろして!」


 ハルチカは慌てチンを押さえながら、抵抗するのだが、


 ボカン!バカン!


 黒い戦闘服の男達に魔導銃で殴られ、押さえつけられて、無理矢理、パンツを引き摺り下ろされ、


 現れたのは、


 立たずのチン


 ↓


 記録官は呆れて、「確かに大きいけど、そんな状態じゃもいでも使えないなぁ、まぁ、其にたった一本のチンだし壊して使えなくなっても困るし、さて、どうしたものですか。」


 その時、


 グゥアワワワワワワワ!!!


 魔獣バリーガントが雄叫びをあげる!


 記録官が嬉しそうに、「そうですか、閣下、早くりたいと。」


 記録官がコーリを見て、「・・・うん、君は『封印乙女キャステリィガール』、君は駄目だね、となると、」


 ハルチカとコーリは自分達が隠している秘密をさらりと言う此の異常な記録官に恐怖し、


 巫女長ミコマスタは、「めろ!やるなら私が相手しちゃる!!」と記録官に怒鳴り、


 バゥアアアアアアアア!!!


 記録官は困ったとう表情で、「申し出は嬉しいのですが、閣下は婆は嫌だ、若いのにしろと言っております。」


「イヤー!!!」「ヒエェ!!!」


(`ロ´ノ)ノY(>_<、)Y


 アンリとドリスが恐怖で抱き合って膝不味く!


 記録官は、ハルチカのそばに来て、「さて、君、閣下は本当は火巫女ひみこが好きなんだ、しかし、君のチン火巫女ひみこの門を開けてくれないと、閣下は他の娘で我慢すると仰有おっしゃられている、さて、どうする、君!」


 ハルチカを追い込む、非道な記録官!


 ↓


 其でも、ハルチカ、立たず!


 その時、レイが、


「ハルチカ!やろう!」、と叫ぶ!


「えっ!」、ハルチカは驚き、


 レイは、記録官を押し退けハルチカの前に立ち囁く、「あたし、ハルチカを信じてる!」


 信じてる、


 信じてる、


 信じてる、


 ハルチカは、


 ハルチカは、その一言に、


 数多あまたの思いが交差する、


 自分を愛してくれなかったエミリア、


 どんなに思っても決して自分が手にする事の出来ない、ルーナ、


 自分が孤独である事を知り、


 心の失った物の大きさに、


 空いた穴の大きさに、


 傷付いた心の大きさに、


 気が付いた時、ハルチカは、


 ハルチカの瞳から一筋の涙がこぼれ、


 レイは逸んなハルチカの瞳を真っ直ぐに見て、そして、優しく、ハルチカに抱き付いて、


 そっとハルチカの唇と自分の唇を重ねる、


 其は、キス、


 世界で最も愛のあるキス、


 レイは、ハルチカをもっと愛したい、そう願った時、


 自然とハルチカの口の中に自分の舌が入り、


 その瞬間、ハルチカはレイを抱き締めて、舌と舌が絡み合う!


 記録官が本能的に危険を察知し、怒鳴る、「いかん!二人を離させろ!!」


 その時、ハルチカのケンが光輝き、


 時は二人を残して止まる!


 ハルチカの光輝くつるぎは天に向かって高く、高くかかげられ、


 Ф←


 レイの薄き布を破り、彼女を貫く!!!


 ←Ф


 その瞬間、天は星々ほしぼしが輝く黒き天界へと変わり、世界は地平線の彼方迄続く水面となる!


 その水面に浮かび広がるのは赤き炎。

 

 その湖面の中央にいるのは固く結ばれた二人!


 レイは吹き上がる真紅の歓喜に全身を貫かれ、必死にハルチカにしがみつき、


 ただ、「ハル!ハル!ハル!!!」、とハルチカの名前を叫び、


 ハルチカは、その声を聞き、彼女が己れ自身のケンを燃やしつくそうとする歓喜に絶えた!


 それは、今のハルチカでは殆ど不可能に近い、遥かな高みに存在する技術テクニック


 その名は、対面立位スタンディング・ポジション


 時の狭間で、レイが必死にしがみついているためハルチカは動く事が出来ず、


 只、二人の時が過ぎ、


 ハルチカのケンは、レイの情熱の炎で燃やされ続け、


 もはや限界に近くなった時、


 それは、懐かしい声、


『ハルチカ!『息吹いぶき』だ!』


 ハルチカは直ぐにその声が何者かを理解し、「息吹いぶき?」、と問う。


 懐かしき声が続ける、『お前のケンにゆっくりと力を込めろ!』


 ハルチカは言われた通り、自らの剣に力を込めたその時、


 グゥワッツツツ!!!


 ケンは更なる力を得て、より巨大に、より長く延びる!


 レイは自分が燃やし付くそうとしているケンが自身の体の中で更なる力を発揮した時、


 ケンから生まれる歓喜の渦の中でその意識を手離し、


 只、彼女は見る、自分の目の前にゆっくりと地平線から上がってく赤き星を、


 そして、ハルチカもまた、時を同じくして、赤き星を見る、


 声はハルチカに語り掛ける、『ハルチカ、ホシは何色だ!』


 今にも吹き出しそうになる、内なる赤き炎を、必死で押さえながらハルチカは答える、「星は、星の色は、赤!!」


『赤き星!、火星マーズ!『プリンセス・マーズ』!』


 懐かしき声はハルチカに問う!


『ハルチカ、星の大きさは!』


 ハルチカは燃え付きる苦しみの中で答える!


「まだ、まだ、小さい!!!」


 ハルチカは本能的にその星が自分の行動により接近して来る事を知っていた。


『ハルチカ!赤き星を満天の大星たいせいにするんだ!』


「満天の大星たいせい?!」


 吹き上がる快楽を必死に押さえながら剣に力を込め続ける、ハルチカでも、彼が何を言っているのか理解出来た。


 グゥアワ!グゥアワ!



『今だ、ハルチカ、ちからを引け!』


 えっ、力を引く?


ケンちからを引け!!』


 ハルチカは声の為すがままケンの力を抜いた、


 シュルルルルルル!

  

 その瞬間、


 「アゥアアアアアアアアア!」


 レイの絶叫が世界に木霊し、


 彼女は更に必死にハルチカにしがみつきながら、「ハル!ハル!ハル!あたし!あたし!」、とハルチカの名前を大声で繰り返す!


 赤き星は一段大きくなって、より二人の世界に近付く!


『ハルチカ!其が『息吹いぶき』、続けるんだ!』


 ハルチカは理解する、


 あの星は自分のケンの剣力に呼応している!


 グゥアワ!シュルルル!グゥアワ!


 もう直ぐだ!!


 シュルルル!グゥアワ!シュルルル!


 あと少し、


 グゥアワ!シュルルル!グゥアワ!


 レイは、全身を燃やす快感の炎の中で、自分の目の前にある赤く光輝くホシを見ていた。


 あれは、我が守護星、『火星マーズ』!!


 何故、『火星マーズ』が自分の前に出現しているのか、もはや、理性の欠片かけらが一片も無いレイにとってはそんな事はどうでもいい事であった。


 自分の守護星が存在している!


 その守護星が、自分を燃やし続ける巨大な炎に反応して、ホシが近付いて来る!


 火星はゆっくりと大きく、そしてどんどんその赤みが増してくる、


 もう少しで大星たいせいになる!!


 赤き大星たいせいに!


 彼女は情熱的に力を欲した!


 もっと!もっと!もっと!


 そうしたら、あたしの守護星は満天の赤き大星たいせいになる!!!


 ブッワア!!!


 炎炎炎←(((Φ)))炎炎炎


 レイは更に燃え上がった!


「ぐぅああああああああ!!!」


 快感と其を更に凌駕りょうがする炎傷痛えんしょうつうがハルチカに襲い掛かる!!


『ハルチカ!!大星はあと少し!!』


 ハルチカは激痛に耐える為にレイを必死で抱き締めた!!!


 「アゥアアアアアアアアア!」


 体は熱で赤く腫れ上がり、ケン炎傷えんしょうで今にも燃え落ちる寸前、大星たいせい!もはや、そんな星は一生涯、天に現れないんじゃないかとハルチカが思った時、


 スコオオオオオオオオオオンンンンン!!!


 世界に巨大な赤き大星たいせいが出現した!!!


『今だ!!!ハルチカ!!!火のセイを放て!!!!』


「ウォオオオオオオオオオオオオ!!!」


 ハルチカの絶叫が世界に響き渡った瞬間!


 ドバッシュ!ドバッシュ!ドシュッ!


「アアアアアアアアアンンンンン!」


 レイの叫びが世界をおおい尽くした時、


 レイの着衣は光とともに消え、銀のチョーカー、銀のピアス、白きレオタード!!!


 ガチャン!!


 光とともに赤い胸当てに紫の飾り!


 ガチャン!!


 光とともに赤いミニの腰当てに紫の飾り!


 ガチャン!!


 光とともに両腕に白きオペラグローブ!


 ガチャン!!


 光とともに赤いハイヒール!!


 ガチャン!!


 光とともに背に赤に銀の模様のある大弓ラージボウを装着した、


 レイ!


『プリンセス・マーズ』!!


 が赤き大星たいせい、火星を背に、


 その美しく、気高い姿で、


 ハルチカの前に、


 たたずみ、その美しき瞳は限り無く愛をたたえてハルチカを見ていた!




 時は一瞬、


 記録官が本能的に危険を察知して、「いかん!二人を離させろ!!」、と怒鳴り、


 ハルチカのケンが輝いて、


 二人が結ばれた時、


 二人を中心に生まれた白赤光が世界を被い尽くした時、


 其処には、


 全ての力を出し尽くし、大地に膝不味くハルチカと、


 髪は輝く漆黒の黒髪と光輝く赤紫のメッシュ、瞳に紫のアイシャドー、唇は紅く燃えるようなルージュ、首には銀のチョーカー、耳には銀のピアス、白きレオタードに赤い胸当てに同じく赤いミニの腰当て、其々それぞれに紫の飾りが付き、両腕に白きオペラグローブと両脚には赤いハイヒール、そして赤い地に銀の模様が刻まれた大星弓たいせいきゅう・アストロアーツを手にし、


 レイが、


 星姫戦士スタープリンセスソルジャの一人!


星戦士せいせんし火姫プリンセス・マーズ


 が世界に顕現けんげんした瞬間であった!




 と記録官は記録しながら、「そう言う事ですか!コーリン・オーウェル!!そのチンは只のチンでは無く、星姫戦士スタープリンセスソルジャの扉を開くチン!!!」


 ハルチカは驚く!此の人、星姫戦士スタープリンセスソルジャ迄知ってるなんて!


 ハルチカのチンが答える、『当然だ、奴はかっての魔神デーモンが作った下部おもちゃの一人、『魔闖人まちんじん・パープルガント』!』


魔闖人まちんじん!」


 ハルチカは思わず声を出してしまった!


 そのハルチカの失言を聞いた記録官の形相は一変して、


 グワッ!!!


 表情は鬼の形相となり、


 ψ(^Ф∀Ф^)ψ


「あなたも、私の事を御存知のようで、油断なりませんねぇ、どうやら、私の失敗は星の鍵セイナルチンであるあなたを先に殺さなかった事のようですねぇ!」


 かさずレイがハルチカの前に出て、記録官に大星弓たいせいきゅう・アストロアーツを向けて、「そんな事!私がさせない!!」


 そして、此の一瞬の変化に付いて来れないアンリとドリスはレイの美しき戦姫の姿に見とれ、そして彼女なら私達を助けてくれる、そう願い!


 レイが伝説の星姫戦士スタープリンセスソルジャに変身した瞬間、腰を抜かしながら感極まって、思わず失禁しそうになった、巫女長ミコマスタは深くハルチカに向かって土下座しながら、


「ついに!ついに!我らの前に再び現れてくだされたとうと御方おかた!!コーリン!!コーリン・オーウェル殿ォォォォォ!!!」、と叫び続ける!


 そして、再び取り残されたコーリは、ハルチカのケンがしっかりとレイを貫いた瞬間を目撃し、


封印乙女キャステリィガールエン】』である彼女の封印が破られている事を知り、


 あれほど自分が努力しても、ハルチカのケンは上には上がらなかった!


 しかし彼は、レイの『信じてる』の一言で涙を流し、


 そして、レイがした深き愛のキスディープキスに彼の剣は再び光輝いた、

 

 その事実に彼女は愕然がくぜんとし、


 自分は何が間違っていたのだろうか、自分とレイとでは何が違っていたのだろうかと自身に問い!


 問い続け、


 問い続け、


 問い続け、


 ・・・


 答えは分かっていた!


 それは、彼に対する思い!


 それは、彼に対する愛の深さ!


 愛の深さ!!!


 コーリの胸は悲鳴を上げたくなる程に締め付けられていた!


 コーリはハルチカを知らなかった、此の一年間同じ魔導科で同じクラスのクラスメートだったのに、彼女はハルチカを知らなかった。


 何故、知らなかったのか?


 コーリはハルチカに興味が無かったからだ。


 彼女のコーリン・オーウェル像は、


 容姿はクラスナンバーワンのイケメン、ダンバード・グラスタであり、


 性格はクラスリーダで行動力のある、ガルホール・スターゲスであり、


 頭脳はクラス1の秀才、エルダンス・ホーゲンスだった。


 其処に、ハルチカのような何の取り柄もない容姿普通、性格普通、頭脳普通の男には興味が無かった。


 本当に興味が無かった。


 入学当時、祖父が指し示した『コーリンの大星を背負いし者』は、


 彼女は此の三人の誰かだと思っていた。


 そして、三人とも私に興味を持ってくれた。


 だから、きっと出会える、


 そう思っていた。


 だが現実は違った、彼等はコーリの容姿とコーリの家が金持ちである事にだけ興味を示し、


 彼女を好きになる事は無かった、


 彼等では『封印乙女キャステリィガールきわめ】』の呪いは解けなかった!


 彼女は失望し、此の高校に在学している事さえ無駄だと思った、


 そんな時に、運命はハルチカとの出会を演出し、


 彼女は初めて、自分を見てその雄大なケンを高くかざす男性と出会った!


 その時、彼女は初めて男性の本当の意味を知った。


 だから、彼女は祖父にコーリン・オーウェルとは一体何者であったのかを初めて聞いた、


 祖父は初めは語らなかったが、彼女が熱心に聞くので、やがて少しずつ語った真実とは、


 コーリン・オーウェルのつるぎとは彼自身のケンであった事を、


 その時、コーリはハルチカこそがコーリン・オーウェルの大星を背負う者である事を確信する!


 自分が声を掛ければハルチカは絶対自分に夢中になる、


 ハルチカを恋人にする事に、彼女には自信があった。


 凡人のハルチカは自分を見てそのチンで好意がある事を示してくれた、


 其に、クラスナンバーワンの容姿を持つ自分なら、ハルチカのような凡人なら絶対に自分に夢中になると!


 あのエミリア程度で満足するハルチカだ、自分なら、自分なら彼は絶対に、自分に夢中になる、


 そう思った。


 だから、ハルチカを呼び出し、自分の真実を告白した、


 しかし、現実は違った。


 彼は自分に興味を示さなかった。


 そして、彼は言った、


 ケンを持ち上げる事が出来ないと、


 彼女は信じられなかった。


 彼女はハルチカが疲れているのだと思った。


 彼女はハルチカのケンが持ち上がらないのは、進級や学内の噂等が重なり、意識がその事に向かないからだと思った、


 自分が彼に優しくしたなら、彼は元気になり、再びケンを高くかざすだろう、


 そう考えていた、


 それは間違ってはいなかった、友達としては、だからハルチカはコーリの事を友達として認めた、


 しかし、其処にはお互いが結ばれるのに必要な、愛が無かった。


 今、コーリの胸は狂おしい程に締め付けられ、彼女が痛みを押さえる為に自分の胸に手を当てた時、


 彼女は知る!


 自分がどれ程、ハルチカに恋焦がれていたのかを、


 彼女は知る!


 自分の手を濡らす涙を見て、自分が泣いているのを、


 今、コーリは生まれて初めて、人生で初めて愛の本質を知り、


 今、彼女の世界は大きく動こうとしていた。



 記録官は目の前のレイを暫く見た後、「二人目の星姫戦士スタープリンセスソルジャうわけですね、しかし見たところその実力は勝手の星姫戦士スタープリンセスソルジャに遠く及ばないようですね。」


 ハルチカは驚く、勝手の星姫戦士スタープリンセスソルジャ


(;゜∀゜)


 昔にも、そんな人達がいたの!


『いたさぁ、俺の嫁さん達だ。』


 えっ!嫁さん?


 チンなのに嫁さんいたの?


 『・・・いや、昔はチンじゃないから、普通に人間だし、』


 記録官は懐かしそうに、「あの頃の私はまだ産まれたばかりで未熟者でしたが、其れでも充分に理解できましたね、あの圧倒的な星力せいりょくを、私などは恐くて彼女達に近付く事も出来なかった。」


 記録官が語った真実に、ハルチカはビックリして、


 あんなに強いのに、もっと強かったの、とハルチカはチンに尋ね、チンは、


『まあなぁ、其がハルチカと俺の差だ、彼女達の強さはお前が流し込む星の力せいのちからによって左右される、まだまだ少ない。』


 ええええええ!!あれで少ないの!!!


 チンは頷きながら、


『殆ど初心者だな、だが、受け取る彼女達も初心者だから、丁度いんだ、強大な力はコントロールするのも難しい、あのルーナの姉ちゃんのようになっちまう。』


 ルーナ、


 ズキン!


 ハルチカは、一時の恋人を思い、胸を痛める。


 レイが強い口調で、「ハル!あたしの事を見て!!」


 記録官はその様子に、ニヤリと笑い、「更に、『繋がり』も弱いと見える。」


 繋がり?


『ちっ、野郎、そんな事まで知ってんのかよ!厄介な野郎だなぁ』


 その時、


 バゥアワワワワワワワ!!!


 記録官は魔獣の方を見て、「おっと懐かしくてお喋りが過ぎましたね、閣下の我慢も限界ですか、ではどうぞ、


魔獣殿下まじゅうでんか』 」


 と言った瞬間、


 魔獣殿下まじゅうでんか・バリーガントはレイに襲い掛かる!!


 ドバッシュウウウ!!!


(`ヘ´)D・‥… ―≫≫≫


 バコォオオオオオオオンン!!!


 レイが放った豪炎の矢が魔獣殿下まじゅうでんかの腹部を撃ち抜き、魔獣の土手っ腹に強大な穴を開ける!


「やったあ!」、ハルチカは思わず歓喜の叫び声を上げ、


『いや、まだだ!』、と自身のチンがハルチカを嗜めた時、


 ズルッチョ!


 と怪音を発てながら、魔獣殿下まじゅうでんかの穴が塞がる!!


 えっ!また此のパターン!!


 魔人創造者デーモンメーカー魔獣殿下まじゅうでんか執拗しつこさに呆れるハルチカであった。


『それが、『魔神』の下部おもちゃの特色なんだ、ハルチカ』


 その良く、口にする『魔神』の下部おもちゃって一体何なの?


『奴らはもともと『魔神』が遊ぶために造られた『魔神』の下部しもべだ、だからオモチャと呼ばれている、彼奴あいつらの特徴はその頑丈さと多少破壊されても直ぐに壊れた箇所を修復してしまう能力、まさに理想的なオモチャだ。』


 ・・・でも、でも彼奴あいつらがどんなにタフでも、レイちゃんの矢が当たっているし、いずれ終るよね、大丈夫だよね、とハルチカは心配になって自身のチンに聞くが、


 チンは、『まずいなぁ、レイは弓使いだが、あの魔獣、『魔獣殿下まじゅうでんか』は見たところ近接型、レイに矢を撃たせない攻撃をされたらヤバイかもしれない!』


 えっ!


 ハルチカがチンの解説で驚いた時、


 正しく、チンの解説が正しかったように、


 ドガン!ドガン!ドガン!ドガン!


 魔獣殿下まじゅうでんか・バリーガントの猛攻が開始され、


 火姫プリンセス・マーズレイティシアに迫る!


 その爆発的な大攻撃に避けるだけで精一杯のレイ!


 果たして彼等の運命は如何に!


 今、舞台は『星霊山せいれいざん』の頂上、『星霊大社せいれいたいしゃ』で世紀の死闘が始まろとしていた!

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