第2話

夕方近くとあって、住宅街とオフィス街とがほぼ半々にあるk街と行っても駅から出て何処かへ向かう人がほとんどで、21はフラついたり、ぶつかって「ぁーせん」などと言いながら歩く。

その度に昨日のエタノールの代謝し切れてないのが己で感じられるので、これからの業務を案じて心配になるのであった。


地下鉄(メトロ)へは無事乗れた。


若干プラットホームに電車が入る風でソフトコンタクトはズレたが、座席に座ることができた。

ーーー「ルールンルン、ルルルンルルルン」ーーー地下鉄の音(ノイズ)や他人の会話を遮断するためにつけたイヤホンからはいつか買い求めた映画のサウンドトラックの一曲がランダムで流れる。

車窓、暗闇とシラケで明るい車内、車窓


21はとりあえず1人の人の体裁を保ちながらスケベな妄想とこれからの惨劇喜劇を思い浮かべてそんな光景を漫然と観ていた。


こんなことは彼の日常である。


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あゝゝ、ボットン便所 @kin0721tama

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