東北本線③ 郡山→仙台
そして私たちは一度その氷山にあるというお墓らしき場所に行ってみることにした。
日にちを決め、待ち合わせ場所を決め、大体の行程も決めた。
標高が五百メートルになったくらいだろうか、アサカさんがいきなり大きな声で「おもいだした!」と言い出した。
少しビビりながらもどうしたのかと聞くと、「ここには元々宮殿があったんだ。」と答えた。
それにしても寒すぎじゃないか?高いからか?
こんな時に思うことじなないかもだけど、日本に帰る日が待ち遠しいな…
彼は昔、ここに派遣されていたアダチさんという人が亡くなってしまったためきたのだという。
そして、その人の死を待つかのように会社内の体制も変わったという。
会社内の体制が変わるのは初めてのことでいろいろ困惑したこともあるだろう。
そんなことを考えているうちに私たちの目的地である墓についた。近くに小屋がありそこで暖がとれるようになっている。とりあえず小屋に入り、上着を脱ぎ畳んでおく。
アサカさんも同じように上着を脱いで畳んでいるけど…やる意味あるのか?と思ったことは内緒にしておこう。
日が沈んでだんだんと寒くなってきたがそういえばアサカさんって幽霊だよな?服脱いで畳まなくてよかったのでは?
だって幽霊だよ?…ってまさか殺しにきてる!?
雪もひどくなってる…ってかもうあれは雪というより氷の塊が降ってるようなものでは?
ありえる…アサカさん…って不敵な笑みを浮かべてる!?人生ここで終わるのか…
そんなアサカさんから逃げるように二階へ登ると…
ちょっとすごそうな道具が入っていた。
これは…宮殿に使われていた石だろうか
あ、もう一つあった。こちらには太陽のようなものが記されてるのか。
なんで物色しているうちについにアサカさんが登ってきた!?なんか白い布持ってる…?
とりあえずこの大きな瓦を投げつけ…って相手幽霊じゃん。すり抜けるに決まってる…
一か八かこの太陽が彫られている石を投げてみるか。ダメな気がする。てかアサカさんの顔が怖い…
でもやってみなきゃしょうがない!やってみるか!
…よし!なんかわかんないけど倒せた!とりあえずこの小屋からさらばだ!
雪も止んでいて視界も晴れていた。よかった。ちゃんと服は着てますよ?
投げた時に腰を痛めたのかもしれないけど立って走れないほどじゃなかった。
とりあえずなんとかホームステイ先に戻ってこれた。
家族みんなが私の姿を見ていた。その中の私も知らない男性が私を指差していった。
「帰ってきたぞ!あの山に行って死なずに堂々と帰ってきたぞ!大したものだ!」
家族は長々と待っていたようだ。なんせあそこは『あの世』との境。
神でもなければ戻ってこれないのだという。
路線ものがたり 平城山 松前 @narayama_masaki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。路線ものがたりの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
久礼と岸玉の学生生活/平城山 松前
★4 二次創作:けものフレンズ 完結済 26話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます