第3章 夢幻回帰 虚構都市イースト・フロート -Regret in the first place-

Prologue もしものお話 -Revise-

 あの時、もしも友と肩を並べていたなら——

 あの時、もしももっと力があったなら——

 あの時、もしも彼女の手を掴めていたなら——



 はたして結末は変わっていたのだろうか?



 答えは今でも見つからない。

 何が足りなかったのか? 何をどうやり直せばいいのか?

 振り返る度、カチリと噛み合わない後悔ピースがまた一つこの手から零れ落ちる。


 もはや猶予は残されていない。


 『理想かこ』は日を追うごとに色褪せ、『現実いま』だけが積み重なっていく。

 停滞はすなわち、『理想かこ』を捨てるのと同義だ。

 だがその方が幸せかもしれない。誰もが『現実いま』を生きている。『理想かこ』に囚われ、茨の道を歩く必要なんてどこにもないのだから。


 それでももし……もし、まだあの日を取り戻す勇気があるのなら――





 あの地獄ゆめ相見あいまみえよう。

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