021 重要な話

「さて、ひと段落したところで、本題に移りたいと思います」


直次たちがお昼を食べ終わってひと段落したところで、エリナんが話を振ってきた。


「カジ君には、特任室に入ってもらいます。そこで仕事をしてもらいたいのですが、ジンさんの移動はどうするかとゆう問題が出てきたので、こうやって相談してるのですが、どうでしょう」

なんかいきなり、話が飛んだ気がするぞ。ていうか、特任室って何?ジンさんの移動?ますます混乱してきた。


そんな直次の困惑した顔をみて気が付いたのか、ジンさんが説明し始めた。


つまり、特任室とは特別任務室のことで、電子書籍消滅対策課の場合は一連の事件の核心まで迫り、問題の解決に励んでいるようだが、あまり成果は上げれていないらしい。僕が呼ばれたのも、そういうことがあったからだそうだ。にしても、

「なんで、ジンさんの移動にどうして悩むの?」

「それは、たぶん

「それは、ジンさんの立ち位置が、課の中でも上にいながら、あまり動けない立場にいるからよ」

だそうだ。今の説明で分かったか?」

「?」

「エリナ、分かってないっぽいぞ」

「ごめんねカジ君。もうちょっとわかり安く説明するね」

「いや、その役目は私が使しよう」

ケチーとか言いながら横ですねているエリナさんはおいとくとして、

「つまりだな、特任室に入ると事件の核心に迫っちまうから、情報漏洩を防ぐためにも外部とあまり関係を持てなくなっちまうんだよ」

ああ、なるほど。

「つまり、ここのパソコンを開発した人がいなくなったら故障した時に困るから、この事件の早期解決のためには入ってほしいけど、故障したとき大変だから」

「どうしたものかと上層部が困ってるわけだ。さすが、頭の回転が速いな」

なんか、この人に褒めてもらうのがうれしくなってきたなー。

「それで、どうします?」

おっと、いつのまにかエリナさんが復活していることに気が付かなかった。

「上層部はあなたの判断に任せるといっていましたが」

「ンン~,どうしようかな?カジはどっちがいい?」

「え~、僕ですか?」

いきなり判断を仰がれて心底困惑しているが、かなり責任重大だよな。ある程度のことはできてもまだまだ教えてもらわないといけないことがあるし。

「僕は、まだまだ未熟なのでジンさんにはいろいろと教えてもらいたい事があります。なので、もし僕が特任室に入るときは一緒に来てもらいたいです。だめですか?」

言っちゃったー。後なんかジミーに、告白シーンぽくなってたきがするけど、

「よし、それじゃあ特任室にいきますか」

え、嘘だろ、そんなに簡単に決めていいのか?

「え、そんな………いいの?」

「まあな。多少の故障ぐらいなら、元開発チームの奴らに聞けばわかるだろ」

「ありがとうございます!」


この後、この決断を、いや、ある規則を作らなければよかったと後悔する羽目になるとは、誰も思っていなかった。

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