019 やっぱり、飲み込みが早い ⓶
「次は、いわゆるメーリングアプリだな。使い方は普通のものとそんな大差はないな。まぁ、アカウント設定と試運転だけで大丈夫だと思うが……………、その」
なんか、ジンさんにしては珍しく口ごもっているがどうしたんだろ?ていうか、顔!どんどん、「ヤバい、ミスったなー」みたいなことを言いそうな硬い顔になってるよ。えっと、こういう時ってどうすればいいんだろ。
「メールドレスのことなんだが、その、な、新しく作ってもらいたいんだ。一応仕事用と個人用に分けないと情報漏洩にもつながるからな」
あー、そういうことかー。新しいメールアドレスを考えてきてほしかったけど昨日言い忘れたからどうしようと考えていたっていうわけね。
「いちよう、ここ専用のメールアカウントを作るだろうなーって思っていたので考えてきてありますよ」
すると、ジンさんの顔が緩み始めた。
「ほんとか、いやー実はな、昨日言おうと思ってたんだけど忘れちまっててな、一瞬、本当にどうしようかと思ったよ」
すごい焦ってたみたいだけど、とりあえず、お疲れ様です。
「それとな、もう一つ思い出したんだが、手持ちの携帯端末を借りたいんだがいいか?盗聴とか、ハッキングを防止するための特殊コードをつけたいんだが、いいか?」
あー、そういえばエリナさんが言ってたなー、ヤバい、図書館戦争シリーズ、また読みたくなったなー。
「それじゃあ、このIPLUSで、お願いします」
「よし」
ん?よし?なんで,よし?
そんな顔をしている直次に気が付いたのか,すまんすまんと言いながら説明してくれた。どうやら、iphonよりもIPLUSのほうが設定が簡単なのだそうだ。
「えっと、これが僕のです」
「わかった。おっと、また忘れるところだった、これのヴァアジョンは分かるか?ヴァアジョンによって少し手間が違うから先に教えてもらえると不具合がおこらないんだ」
なるほどね。確かに不具合があるのはウェブ小説を読むときに大変なんだよなー。あ、そうだ、通知が来てた小説読まないとなー。ていうか、ヴァージョンってなんだったっけ?
「あの、多分最新版にしてると思うんですけど覚えてないんで確認していいですか?」
「おお、構わんぞ!むしろ手間が減るから確認してくれたほうがいい」
ということで確認してみたが、なんと最新版より一つ前ノヴァアジョンだった。そのことをジンさんに話すと、
「そうか………」
思考モードに入ったようだが、大丈夫かな?
「ちょっと面倒くさいけど、帰りまでには終わらせとくな。おっと、後30分で1時になるから、さっさと終わらせるか」
それから直次はアカウントの設定、さっきの資料をジンさん宛てに送るなどの作業を(かなり特殊なこのパソコンを使い始めてから二日目の人の中では)最速でこなし、またもやジンさんを唸らせたのだった。
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