016 二日目

「んー、やっぱり朝日はきもちいな〜。うん?」

あれ、東京で夏の朝日って言ったら、朝の5時とか6時だよな。うん。ん〜、どうしよう。早起きは三文の徳っていうけど、すごいひまになったなー。とりあえず、時間を確認しよう。

午前五時三十分

八時半に神保町の駅で待ち合わせのはずだから、それまでだいたい三時間かな。よし、用意だけして本よも。


直次はパソコンばかり触っているが、学校では自分専用として作業ができないのである。(なにせ、直次のいう、まじめに鬼の教師が目を光らせているからである。)

そのためか遺伝かはわからないが、本をかなり読むようになっていたのである。


さて、服もきたし、用意もできたけど、どの本を読もう?やっぱり、SAO?それとも、ダークタワー?あ、この前買ったばかりの、魔法使いで引きこもり?モフモフ意外とも心を通わせよう物語を、よも。



-7時20分-

「ナオナオー、そろそろご飯食べよー」

「今いいところだから先食べてて」

「また本読んでるの?さっさと降りてきて食べなさい、直次」

「はーい。今行くー」

せっかくいいところだったのになー。ま、いいや、あとで読もう。あ、お見舞い行かなきゃ、そろそろ顔見ときたいしな。


「まったく、直次はいつもあんな感じなの?」

「こういう長期休暇に入ってからはいつもこんな感じ。まあ、宿題はちゃんとやってるみたいだし、いいんじゃないかなー?」

宿題は、ちゃんとやってるのね、なら、いいのかしら?とりあえず、宿題を見せてもらお。あ、やっぱり、見せてもらわなくても大丈夫かな。あのキッチリ、カッチリの性格だし。あと、おこずかい増やしたほうがいいのかな?なんか、本を読んでいるところと、勉強しているとこ、プログラミングしているところしか見たことがないから、いつも心配ののよね。


ナオナオは、本を買うために、空想通貨(ネット上に存在する空想の通貨のこと。現金と同じだけの価値があり、物の売買などができる。ただし、現金化はできない。)

を貯めたり、おこずかいと言う名の報酬(この一家では、テストの成績に応じて貰えるおこずかいが決まっているのである。)をできるだけ多くするために勉強を頑張ってるけど、高校で友達、作ったのかな?やっぱり、小学校の頃のことまだ引きずってるのかな?いつも元気にやっている風に見えるけど、あの頃から一気にくらくなったからほんと心配。


「いただきます」

「いーただきまーす」

「𣴎美、あまり伸ばさないの、いただきます」

今日の朝ごはんは、目玉焼きに納豆、簡単なサラダだ。いかにも一般的な朝食と言った感じだ。にしても、

「母さん、会社にいなくて大丈夫だったの?」

「まあ、そこらへんは大丈夫よ」

本当に大丈夫なのか?と疑いたくなるが、母さんの言葉を信じるとしよう。

「ごちそうさま、それじゃあ、僕は8時ぐらいにうちを出るね」

「私も、直次と同じ時間帯にでるわ。𣴎美はどうするの?」

「今日は大学はないけど、友達とご飯食べに行く予定だから9時ぐらいかな」

「わかったわ。ちなみに何時ぐらいに帰ってくるの?」

「僕は5時半ぐらいかな」

「私は4時ぐらいだよ」

「わかった。あ、コーヒーが入ったみたいね」

何がわかったのか気になるところだが、久しぶりに飲むなー母さんの淹れたコーヒー。いつもはコーヒーメーカーに粉と水をセットして淹れてるからあまり美味しくないんだよね。やっぱりタレーラン伯爵が言う通り「カフェ、それは悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、そして恋のように甘い」なのかな。某小説では主人公がこんな感じのコーヒーを見つけてるんだけど、そんなにうまくは行かないよね。もしかして、僕はコーヒーに興味があるのか?やっぱり、この性格といい、本好きなところといい、遺伝って怖いなー。

「んんん〜〜〜〜〜〜〜〜。やっぱり母さんの淹れたコーヒーの方がいつものより格段に美味しいよ。まいにちのめたらいいんだろうなー」

「ほんと?ありがと。じゃあ、今度教えて上がるね。あ、そろそろ行かないと。直次、あとで参考になりそうな本とかウェブサイトのリストをメールで送るね。」

「行ってきます」

「じゃあ、僕も用意して行ってくるね」

「うん。行ってらっしゃい」


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