010 キーボードが難しい

「ふぅー。終わったー」

「お疲れ、どうだ、この型に慣れたか?」

「まだまだですね。同じキーボードをずっと使いまわしていたので、慣れるのに時間がかかりそうです」

「おおきさはどうだったか?大きさぐらいなら変えられるぞ」

「ほんとですか!?じゃあ、これより小さいサイズを何個か持って来てください」

「そ、そうかい。持ってくるからちょっと待ってろよ」


なんとこの課では、キーボードの大きさをかえれるらしい。あれ、でもなんか僕、興奮してね?ま、いいか。ていうか、ここのキーボードは、いつも使ってるのより少し大きいし、よくわからないキーがほんと多い。



「これぐらいでいいかな?」

「ありがとうございます、……おお!!!」

「どうした?なんか、汚れてたか?」

「うむぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅ!!!」

「?」

じんさんが、突然のリアクションに、どう返していいかわからないような微妙な顔をしている。

「あ、あのー、すみません、あまりにもしっくり来たのでつい……」

「そ、そうかい。なら、今度からそれを使いな」

「ありがとうございます。あと、ここのキーボードって、よくわからないキーが多いんですが、説明書的なものってないんですかね」

「確かに、むずいな!ま、今日明日は、ここの雰囲気に慣れてもらったりする期間だから、慣れてこうな!」

「わかりました」

「さて、じゃあ、教えていくからな!」


-午後4時30分-

「さて、基本的な動作まではできるようになって来たな。やっぱり、若い子たちは飲み込みが早いな」

「じんさんの教え方が上手いだけですよ」

「ありがとな」

「ところで、なんで職員の方たちは、帰りの身支度をしてるんですか?」

「ああ、それはな、ここの勤務時間が午後5時までだからだよ」

「へー……」

「今日やるのはここまでだから、明日、もうちょっと仕込むぞ」

「はーい!」

「仕事をしてもらうのは明後日からだから、発展的なのを使って報告書を作ってもらうぞ」

「できるかな……?ってことは、ワードとかエクセルを使うんですか?」

「近いな、だが、独自開発したソフトを使うから、クセが違うな」

「う~~~~、また覚えることが増えた」

「ま、頑張りな!」

「はーい……あ、そういえば、僕、ここから神保町の駅までの道を知らないんですけど……」

「……まじか……と、とりあえずエリナさんに回線つないで聞いてみるから待ってろ」


ということで、ただいま5時現在、じんさんから、エリナさんに聞いてもらってます。

To be continued………



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る