009 アカウントを作ります!!!

「えーと、カジモドが呼びづらいから、カジくんでいい?」


お昼を食べ終わってから、早速言われたことがこれだ。


「あのー、なんか、コードネームとかそんなんじゃなくなって来ましたね」

「そもそも、こんな略しやすい名前にするのが悪いのでしょうが!」


言葉だけを見たら怒ってそうだが、むしろ語尾が上がっていた。


「さ、早速君のデスクに行きましょうか」

「はーい」


ということで連れてこられたのは、フツーのデスクが30個はあるであろう部屋(?)だ。


「さ、カジくんのデスクは、ここよ」

「ちょっと待って、エリナさん、こんな型のパソコンは見たことがないんですけど……」

「ま、一般には出回ってない、日本が独自開発したハイスペックコンピューターだからね!名付けて、HCです」

「へぇ~~~」

「エリナ、チゲエだろ、ウソ教えんな、ウソを」

「エ~~~、いいじゃないですか、一文めは、間違ってないし」

「あのー、一文めってナンノコトデスカ?」

「おぅ、こいつが新入りか?」

「ええ、ジンさん」


ジンさんと呼ばれたおじいさんは、40代から、50代くらいの白髪長髪のおじさんで、身だしなみがきちんと整えられている、結構かっこいい人だ。


「ええっと、僕のコードネームは、カジモドです。よろしくお願いします」

「ノートルダム・ド・パリの、主人公の名前か……。誰か、大切な人でもなくしたか?」

「えーと、無くしてはいないです」

「そうかい、ところで、何が専門なんだい?」

「ん~~~、オールマイティーですかね」

「見た所中高生だが、学校の成績はどうなんだい?」

「上の下グループのぐらいですかね」

「そ、そうかい……」

「ところで、ジンさんは何が専門なんですか?」

「プログラムか、セキュリティーか、ハッカーか、と言われたら、セキュリティー方面だな。まぁ、ハッカーとセキュリティーは裏表の関係だからな」

「そうなんですね」

「おうよ、だから、一緒にタッグを組もうな!」

「タッグ?」

「ナ、カジくん、ここ国内電子情報管理局の電子書籍消滅対策課では、二人一組でタッグを組むことになっています。ジンさんは、新人の人とタッグを組むことを任されています。もちろん、超ベテランです。ここの司令より10年以上も長く勤めてるんですよ」

「へぇー」

「ちなみに、ここの課の中の誰よりも仕事ができる数少ない使える人材です」

「よし、それじゃ、カジくん、早速仕事に慣れてもらうぞ!」

「わかりました」

「それでは、私はこれで」

「じゃあな。さて、まず君のアカウント設定からするぞ。内部の人間だからって、あまり信用しすぎるな。でも、俺の外は信頼してくれよ!」

「えっと、わかりました。で、どこを押せば?」

「キーボードは基本的に同じつくりだが、その隣にあるかまぼこを少し潰したみたいな板があるだろ、そこに手を置いてみな!」

「えっと、これですね」

「ポコッ、はじめまして、新規アカウントさん」

「しゃ、喋った」

「引き出しの中のヘッドホンを取り出して、ガイダンスに従って操作してください」

「それじゃ、大丈夫なはずだ。なんかあったら、隣のデスクにいるから、聞きにきな」

「わかりました」

To be continued……

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