第7話アイリス戦記と異世界の関係性
前書き…説明はそこまで重大ってわけではないのでつまらなかったり読むのが苦痛になったら飛ばしても大丈夫です。
フェイプルの話を聞いた俺はこの世界の過去から推察できる事実があるって事に気づいた。それはサービス終了したアイリス戦記の世界、ゲームの世界に転移したわけではなくアイリス戦記とは酷く似ている別の世界に転移したということだ。
根拠は先の思ったこと、俺が知らない歴史がこの世界にある。魔王が侵攻してきたこと。それが原因で人間と竜人が仲が悪くなったことなど…。前の説明では完全に否定できないことから根拠として弱いが、例えばHPという概念が感じられずジャイアントモーアの攻撃を受けた時、しばらく痛みがあったが治まったりと現実と同じ法則って感じでVRMMOって感じではなかった。
そして、アイリス戦記に存在しない聖剣の名前、その聖剣にかかっているアイリス戦記にはないアイテム化の魔法があったりなどそういったちょっとした違和感が積み重なって無視できない疑問、根拠と化している。後々も違和感を肌で感じることだろう…。
それらのことからゲームの世界に入ったよりかはアイリス戦記に似ている、アイリス戦記の元となるアイリス戦記とは別の
そうしたらその論理から似ているって線は消えるだろう。偶然アイリス戦記と同じモンスター、同じ地形、同じ街がこの世界でも見えられる。まったくありえない話だ。誰かが意図的にアイリス戦記またはこの異世界を作ったはずだ。
で、それらから、どっちかを取るとなるとアイリス戦記を制作したほうが現実的だ。現に俺が転移したってことは現実の事実だから過去に誰かがこの異世界に訪れて帰郷し制作した、またはこの異世界の住人が俺たちの故郷に転移し制作したことだろう。となるとアイリス戦記はこの世界を元にして作られた可能性が非常に高い。アイリス戦記の原点といった感じだな。つい胸が踊ってくる。
だけれどもそうなるとアイリス戦記の開発元兼運営会社、ラブァーナが必然的に気になってくる。
ラブァーナについて昔調べたがたった1年で上場し一時期一流の企業とアイリス戦記だけで肩を並べるほどだったとそれしかわからなかった。その時は135カ国でサービスを展開し大ヒットを収めたらしい。それ以外はまったくといってもいいほど謎だった。今にして思えば普通ならありえないはずだ。世界全体の国家数は196カ国でおよそ三分の二の割合でそれぞれの国にサービスが展開し膨大な利益を得ていた。残りの三分の一は発展途上国でその当時パソコンが全く普及していなかったためである。それを差し引いても尋常じゃない…。そもそも実態がまったくといってもいいほど不明瞭で会社として成り立つのだろうか?
現実的ではない神秘的……そう、魔法の力が作用していたのではないのだろうか…。あまりにも出来すぎている。陰謀論を知ったような、意味がわかると怖い話で内容を理解した瞬間のようなぞわりと背筋を凍らす冷気が背中じゅうを駆け巡った。嫌な汗がまとわりつくように流れる。
社長についても名前はもちろん性別すらわからなかった。なのに俺はいや世界中の人々は気にも止めなかった。これらすべてのことからたぶんその世界の人々の心を魅了する、支配することができる個人または集団が俺の故郷の世界に転移してこの異世界を元にして創造したのだろうと結論づける。だがなんの目的で行ったのかは微塵も見当がつかない…。
「おい話はもういいか…?」
俺はセドナに悟らせまいと表情を変える。セドナはつまらなそうな顔をしていた。この態度からさきほどの話はもちろん、俺が不安になっていることに気づいている心配はなさそうだ。俺は精一杯の空元気でセドナに気を遣わせないようにする。
「ああ! もういいよ。聞きたい話は訊いたし。そうだな…とりあえず今持っているアイテムを金に換金しに行くつもりだが…セドナはどうする…?」
セドナは腕を組んで数十秒悩んで答える。俺はセドナが悩んでいる間俺の誘いに乗ってくれるか心臓をドキドキさせて見守っていた。
「付いてっていいか…? 別にすることはないし…。俺竜人だからどこ行っても歓迎されないんだ…。それでろくにパーティーも組めずお金もあまり手に入らない…。でもあんた達と行けば楽しそうだしお金が溜まりに溜まってウッハウッハになれそうだし、俺、ついていくぜ! 晴之に! 改めてよろしくな晴之…」
俺に気を遣わせないためかおどけて答えた。お互い様だなと俺は思った。
セドナは俺に右手を差し出す。女性の小さくか弱い手だがはっきりとした意志が伝わってくる。俺は待たせるのは失礼だなと思い、間髪入れずにセドナの手を掴み握手する。
新しく俺達のパーティーに竜人の娘セドナが仲間になった。俺は心の底で歓迎していた。
セドナの案内のもと俺たちはアイテム屋を目指していた。それにしても周囲からジロジロ見られている気がするな……。竜人の複雑な感じで見る視線ではなく、なんか奇異な目で見られている。さっきのいざこざが原因かそれとも…。
俺達の前を母とまだ俺の故郷の世界では幼稚園生ほどの幼い子供の親子が立ち止まり、子供が何やら俺を疑問な顔で指差し母に質問している。
「おかあさん。なんであのおにいさんは、はだかのうえにおんなのひとのよろいをきているの?」
「見ちゃいけません!! さぁ行きますよ…」
「は~~い!!」
「………」
子供特有の無邪気な疑問だが、オレの心にどっしりとくるものがあった……。うぅぅぅぅ……。
心の隅で早く鎧のランクが下がってもいいから絶対に変えようと密かに決意するのであった。
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