第3回カクヨムWeb小説コンテスト(全体)

【コンテスト情報】

選考委員:カドカワ各編集部

ジャンル:オールジャンル(全6部門) 

文字数:読者選考期間終了時点までに本文が10万文字以上

応募受付期間:2017年12月1日〜 1月31日

読者選考期間:同上

最終選考対象作品発表:2018年3月上旬頃

最終選考結果発表:2018年5月頃

大賞(各部門1名):賞金100万円+書籍化

特別賞(各部門若干名):書籍化

読者賞(1名)

 

【応募オススメ度】

過去エピソードにつき未実施



 皆さんこんにちは、あさかんです。


 いよいよ第3回を迎えたカクヨムWeb小説コンテスト(以下Webコン)が12/1より始まります。


 Webコンはカクヨムのサイトを使用したKADOKAWAレーベル全体を上げての一大コンテストです。賞金100万円の大賞が最大6本、特別賞、それに加えて今回は読者賞という受賞作品の中でグランプリを決めるような書籍化後の超待遇を約束された賞まで追加されています。


 そこで今回はこの第3回Webコンにおいて、編集部側の求めるものなどを考察していきたいと思います。この考察は数話に渡り長くなりますがお付き合いいただければ幸いです。


 まず最初に、企画書などを書いたことのある方はご存知だと思いますが、何かを立ち上げたり発表したりするときは製作・募集サイドに必ず『ねらい』というものが存在します。


 多額の賞金を準備している以上、このWebコンにも明確な運営側の狙いがあります。しかし本音で語る『狙い』は編集部内では共有されていても、必ずしも社外全体へ発表されるわけではありません。


 例えば、『即戦力となるようなものが欲しい』と思っていても、それを公表すると応募総数が減ってしまうので『幅広く多様なものを募集しています」と明記する、といった具合です。


 そこで、色々な部分から『本音の狙い』を読み解く必要があるのですが、それは主に最初のメッセージに色濃く表れていることが多いのです。


 それではWebコン3の特設ページの『はじめに』と表題されたメッセージを読み解いていきましょう。


『本コンテストでは、既存のシーンや過去の作品で確立された世界観やお約束、物語のテンプレートといった流行に囚われることなく、新しい時代とジャンルを切り拓くような作品やクリエイターが集まることを期待しています』


 重要な狙いとは、大概は文章の冒頭に語られていることが多いですので、恐らくはこの部分がキーとなるでしょう。


 端的に言えば2番煎じは要らないというわけですね。まあ、お約束といえばお約束です。


 その後に長く書かれているのは、要約すると『ネット小説の特性を活かせ』というメッセージです。『作者と読者が二人三脚で取り組むイベント』と纏めておられましたので、読者の反応を意識しなければいけないのは明確です。


 それを証明しているのがWebコンだけは未だに読者選考のみの最終ノミネートを続けているところでしょう。カクヨム内では多数のコンテストがありますが、WEBコン以外のそれらは全て編集部の推薦枠が存在します。


 推薦枠を採用しないということは、やはり読者とのコミュニケーションを重要視しており、セルフプロデュースできる力を発揮してもらいたいと切望しているのではないでしょうか。



 ここまで読んで、何か見えて来ましたか?


 私はザックリし過ぎていて何も見えてきませんでした。てへ。



 そうなんです!余りにもザックリしすぎていますよね。恐らくなのですが、実はこれレーベル編集部の狙いじゃなくて『カクヨム運営の狙い』じゃないかな?って思うんですよね。


 今までに無いような魅力と斬新さを併せ持った作品をドンドン書いて、たくさん読者ユーザーを増やして下さいという、カクヨムの狙いです。


 つまり、レーベル編集部サイドの『本気度』はこのメッセージには大して表れていないということです。


 

 少し逆説的な考察になるのですが、実際このコンテスト自体には各レーベル自身の『本気度』はそれほど高くないのではないかと思います。


 それは、他のコンテストは明らかに単独レーベルが『こういった作品が欲しい』と望んで自らが発信しているものなので、開催時点で人員的にも予算的にも『出版枠が確保できている』ことが裏付けられています。


 その『本気の攻めの姿勢』に対して、Webコンは反対に定期的な開催に各レーベルが集まる『受けの姿勢』になってしまうのではないでしょうか。


 もちろん、前回賞を出したレーベルなど積極的に取っていく『本気度』の高いところもあるでしょうけれど、人員的にも予算的にも冒険する余裕がなく、超クリティカルな作品がなければとりあえず見送る構えの『本気度』が低いレーベルもあるでしょう。



 そこら辺も踏まえつつ、次のエピソードでは特設ページ内にて部門別で書かれている具体的な編集部メッセージを読み解いていきたいと思います。

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