ドラゴニック・グランガルドを読んだキロール
重ねて言うがこれは感想ではない、感想を書いているキロールと言う人間がどんな程度の物かを伝える物差し程度の文章だ。
それに、これはドラゴニック・グランガルドを読み、王道ファンタジーに触れた
思わず懐古するほどに、ドラゴニック・グランガルドは懐かしいファンタジー小説の匂いがする。
慣れ親しんだ、スニーカーとか富士見とかその辺の匂いだ。
ドラゴニック・グランガルドでは、主人公は結構大変な目に合う。野良仕事に次ぐ野良仕事、筋肉痛、そしてメシマズだ。
世界に危機云々の前に、主人公の胃袋が心配になった。
ヒロインの愛は重く、メシが不味い。
その飯をガリゴリ食って見せる主人公には男気を感じざるを得ない。
だから、多少エロい目に合っても許せてしまう。
まあ、元より許すも何も無いのだが。
ただ、残党狩りの所は、少し恐ろしい。
主人公だから、何かしら顧みてくれると思うのだが……。
懐かしい名前のキャラクター達もいる。
ソレイユ、フレイは私が作者こたろう氏の別作品でも慣れ親しんだ名前である。
所謂スターシステムと言う奴かと思ったが、一方でセブンズの活躍を読めなくなったのは残念に思える。
いつかは続きが読めるかもしれないと言うし、ゆっくり待つとしよう。
或いは、何処かに公募しているとしたら、それは応援するべき事だ。
それにしても、今のファンタジーの主流の楽しみ方が今一つ分からない。
ファンタジーとは今も昔も異世界物を示している。
多分、そう言い切っても問題はない筈だ。
剣と魔法、蛮人コナンが鋼の大剣で妖術師をぶち殺しているのも、ナミッラが地獄の王子タサイドンに祈りを捧げているのも、紛う事無き異世界の話だ。
何故なら、現実には魔法なんてないし、コナンもタサイドンも居ない。
まあ、コナンの代りにシュワルツェネッガーは居るが。
しかし、何時の頃からか転生を司る神様や無謀運転のトラックが出しゃばり、間違えちゃったから能力をあげるよとか宣ったり、主人公はその力とか現代的な知識で
うーん、何だろう、この感じは。
吉野家コピペでは無いが、殺伐が足らなくなったのは何時からなのか。
ヒロインが沢山いるのは良いさ、お色気が好きなのは男の性だ。
ロジャー・コーマンだっておっぱいはよくぽろりさせているし、昔からその手の話は多い。
だが、剣と魔法の世界に足を踏み入れて、何の葛藤も無く敵を殺せる現代人なんて、単なるサイコパスじゃないかと思ってしまう。
現代の知識があると言う事は、現代の常識を引きずると言う事だ。
知識だけ手にして、道徳やらを投げ捨ててしまっているのは、特殊な例を除くと引いてしまう。
デグさんことターニャちゃんを見習って、鬼畜幼女戦士として銃弾で敵に死を振り撒くとかなら、それはそれで良いのだけれど。
……幼女戦記は特殊例か。
そう言う意味ではオーバーロードも特殊枠に入るだろう。
モモンガさんはアバターに引っ張られて、人間性を消失している訳だから。
これだけ見ると案外殺伐に変わりはないかの様に見える。
今の時流のファンタジーでも、呪われた皇子はストームブリンガーで友を殺すかの様に見える。
確かに、それならそれで全く問題はない。
だが、実際は如何なのだろうか。
私が食わず嫌いをしているだけなのか、それとも実際は上記の例は少数派に過ぎないのか。
こうして思考の袋小路に追い込まれたキロールは、如何でも良い事を思い悩んだ挙句にクラーク・アシュトン・スミスの描く終末世界ゾティーク(ゾシーク)に逃避するのである。
気付いたらこんな時間だよ……。
結論としては、ファンタジーは昔からある異世界物だ、好きに書いて行けば良い。
あとは個人の趣味と感性によって、合う合わないが出てくるだけだから。
だから、異世界に転生したらチートでハーレムでも良いし、蛮人でストームブリンガーでも良い筈である。
後者はただの殺戮者にしかならない気がしてきたが。
それと、最後になりましたが、やはり主人公の凛音には最初だけでもルビを振った方が良いかと思います。
今更思い出したので、感想口調でここにつけ足しておきます。
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