第36話 パーティ三昧!

 色んなやつらが俺の家に押し寄せる。そうさ、俺は毎晩パーティに明け暮れたんだ。


 勉強は頭のいいやつがすればいいのさ。金持ち枠で入学した俺は、授業に顔さえ出していれば卒業できる。レポートなんか適当に書いても何も言われない。教授もヘラヘラしてるぜ。「こう書きなさい」とやさしく下書きまでして教えてくれる有様よ。教授たちは寄付が欲しいからその辺はちゃんと心得てる。


 俺は酒と女……そしてドラッグに溺れ、完全に人間らしさを失いかけていた。





◇ ◆ ◇


「わたしだって、高校ではモテるのよ」



 彼が卒業した後、たくさんの男の子がデートに誘ってきた。


「一緒に映画に行かない?」


「ステディな彼氏はいるの? 俺と付き合わない?」



 わたしの答えは、いつも同じ。


「ごめんなさい。わたし、好きな人がいるの」





 幼馴染で仲の良い女友達キャリーは、私とロバートとの関係を心配している。


「ソフィア、ロバートは女たらしなんだから、あんた、違う人探した方がいいって」


「でも、定期的に連絡くれるし、会うと大切にしてくれるんだよ。私たち、愛し合ってるもん」


「ロバートのこと好きなのはわかるけど、彼にとって女は、あんただけじゃないんだよ。そんなこと、わかってるんでしょ。キスマーク事件もあったしさ。あんたも適当に男の子と遊んでおいた方がいいって」


「でも……」


「ソフィア、楽しい高校生活のすべてをロバートに捧げちゃっていいの。あんた、乙女の純情もいいけど、ロバートは大学生になって高校生のあんたのことなんか忘れちゃうって」


「そんなことないよ。ロバートはわたしに他の男と遊んだらダメって、いつも言うんだよ。俺の女は、俺だけの女でいないとだめだよソフィアって。お前は最高の女だ。俺のプリンセス・俺の子猫ちゃんて」


「あんた、相当イカれちゃってるよ。ロバートの事しか頭にないもんね。今夜、みんなでコンサートに行くから誘おうと思ったけど、やっぱり行かないよね」


「ごめんね、キャリー。わたし、ロバートとの約束を守りたいの。彼の嫌がることはしたくない」


「はい、はい。わかったよ」


 幼馴染のキャリーにさえ呆れられ、孤立している私。ちょっと寂しいけど、ロバートに嫌われる方が百倍、いや千倍悲しい。


 私は、彼だけ知っていればいい。彼に染まって行くことが私の幸せ。


 彼は大人で、遊び人。でも私にだけ見せてくれるあの笑顔。


 私の初めての人。特別な人……


 ロバートは私の王子様。

 

 

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