第3話 肴:頑なな天使 デミウルゴスは天使を食す
デミウルゴス好みの肴は、
天使は、世界で最も頑なな存在。その思考は、勧善懲悪。悪と定めたならば、何があろうと滅ぼすまで。それが身の破滅を招こうと、周囲が滅び去ったとしても、それは決して変わらない。
たとえ、それが間違っていると理解出来たとしても、
それと比較して、悪魔は柔軟と云われる。頑なな一面も持つが、解釈の柔軟さに関しては、他の追随を許さず。
要は、都合の良し悪しで解釈を取捨選択する知性。都合が良ければ受け入れ、都合が悪ければ忘れるほどには柔軟な解釈を常に。
では、デミウルゴスは【頑なな天使】を如何に責め
無表情ともとれる、あの頑なに
取り出したるは、おうとつはあれど皺一つない脳髄を如何に調理するのか、ジックリと考えるのが楽しみの一つ。
甘いカラメルを絡めて、カリッと頂くプラリネ=カラメリゼも好し。ドロリとした黒く光沢のある油脂に潜らせたジャンドゥ
それに合わせるとしたら、
いや、ケーキに混ぜてしまって、食べさせるのも一興。幾つも並べてタルトにするのも良いかもしれないな。
いやいや、細かに砕いてしまってトッピングにするのも良いだろう。コキュートスも好んでいる事だ。
酒に漬けてしまうというのも一興かもしれないな。今度、漬け方をハイドネリウムに尋ねるとしようか。
そして、ピッキーの背後の棚に新たに広口の酒瓶が一つ、増えた。
丸々とした小振りな球体が幾つも漬けられている。ラベルには、
ちなみに、デミウルゴスは粉々になるまで砕いた天使の脳髄を
これは料理ではなく、彫刻の一つだと、己に言い聞かせながら。
世界一頑なな殻に閉じ籠った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます