第2話 ホーマックに行くの♡
さてと、来ました。ホームセンター。
お母さんが買い物行くので一緒について来たみたいな形。
この辺に大きなショッピング施設があって、ユニクロとかビックハウス(食料品)とか、モリモト(大きなパン屋さん)とかも一緒にあるから、待ち合わせの場所と時間を決めて、武器やらその他を見に行った。
大きいんだよ、ここのホーマック。
北海道のホームセンターって言えば、今いるホーマック、サンワード、ジョイフルAK、カインズホーム、ビバホームにさらにご当地に函館にはイエローグローブとか、さらに地方に行くとツルヤとか、一つの市町村に1店舗くらいは必ずある。
気のせいかもだけど、多分な感じだけど人口比率にしてもホームセンターって他の土地よりも多い気がするわ。
基本的に、北海道の人って、DAY【Do It Yourself(ドゥ イット ユアセルフ)】力、つまりは日曜大工とか休日(なんらかの)業者なんかの能力が高いので、ホームセンター(以下ホムセンと略)の品揃えもものすごいことになっている。
元々開拓民の血がそうさせるのかもしれないって、お父さんは言ってた。
普通の買い物ではありえない専用のカートに、見た感じ普通の主婦の人たちが、巨大な木材とか、鋼板とか、重そうなコンクリートブロックとかの素の素材を買い込んでは車に積み込んで帰って行く光景を、引越しで足りない掃除用具を買うときに見ていたわ。
隣の家のガーデニングとか見ていたけど、隣のおばさんが小さなショベルでちまちまとやっていたけど、規模的に考えると、あれもほぼ、土木作業だったもの。
内装とかも本格的にやる人もいるし、そう言う道具も売ってるしね。ともかくドンドン家の事を自分でしてしまう人って少なくない。
そのホムセンなんだけど、こんな場所にもちゃんとダンジョンウォーカー用のグッズって売っているのね。
一応、北海道でも公式な武器屋さんとかもあるらしいのだけれども、普通に高くて、私みたいな新人ダンジョンウォーカーでは普通に手が出ない。
剣一本、ん十万単位なんだよ。
もう、無理無理だよ。
だから私みたいな人は、こう言ったホムセンで買うのが普通なんだって。
ここならかなりリーズナブルで、割と種類が多く取り扱っているらしいの。
でも、それでも、自分がどんな武器が向いていいるのかとか、ほら、普通にどれが装備できるかなんてわからないからちょっと不安もある。
ゲームみたいに自分に装備できないうって教えてくれる店員さんとかいるといいなあ、とか考えてみる。いるわけないか、とも突っ込んで見たりもする。
さて、と。
お母さんが、晩の買い物と、ちょっとユニクロに寄っている時間があればいいのだけれど、そんな事を考えながら、私はホーマックに入って言った。
中には結構と言うか普通のホムセンなんだけど、この前来た時と違って、あのカラフルで沢山のあった除雪道具がすっかり消えていて、かわしに自転車が並んでいた。
結構大きなブースの商品が入れ替わっていたから、なんか別のお店みたいに見えた。
あ、ジンギスカン鍋とかも売ってる。
キャンプ道具とかもあるわ。これから北海道も本格的なキャンプシーズンに入るから、割と売り場も大きめに取ってある。
キャンプで食べるジンギスカンとか美味しいだろうなあ、とか余計な事を考えてしまうけど、でも目的はそこじゃないから。
武器武器、防具防具と。
ダンジョンウォーカー専用売り場は、割と大きくて、でもホムセンの角の方に構えていた。
もう、そこには何人かいて、色々と物色中みたいだった。
棚に並んでいる箱に入った、多分、剣だと思うけど、結構な値段がするのね。
ちょっと今日もって来たお金だけじゃ心もとない。一応、お母さんにもらった一万円に今年のお年玉の残り、CD買っちゃったんだよね、ハロスリと専務(THE TON-UP MOTORS )の。だから3千円を切るくらいしかない。でも足しになればと持って来た。
でも手が出ない。
あれ? 包装に何か貼ってす。なんだろコレ?
読み見てみると、多分、その剣であろう武器の注意書きみたいなものが貼ってあった。
「えーっと」
とひとまず読んでみると、
種別ロングソード、鞘付き、ベルト別途、浅階層○中階層◎深階層△、対応 動物系、植物系、ゴブリン、コボルト等に対応。推奨握力35キロ以上(片手)身長155センチ以上、河岸製作所(株)と書いてある。
ふーん、うん、なるほど。だいたいわかる、コレ多分、いまの私向の武器じゃない。
値段も、新型が出ているらしく、特価って書いてあるけど39800円だ、そんなお金持ってない。
この辺の棚にあるのは私にはまだ早いってことね。
ここにあるのって中級者向けなのかなあ。
って言うか、初心者用のブースって無いのかしら?
ってキョロキョロしていると、天井から『新人ダンジョンウォーカー応援セール』とか書かれたポップがぶら下がっていて、ああ、あるじゃん、って私は他に目を向けるのも中止して、その場所に急行する。
剣というか剣を模造しているおもちゃよりはちょっとは頑丈そうなつくりの武器が大きなバケツに刺してて置いてある傘みたいに並べられて、ああ、コレなら手が届くって言う値段だった。
本当に普通の『棒』みたいな物から、一応は剣の形をしている物まではあるけど、本当に樹脂製とか木製の物ばかりだ。
その新人応援ブースには既に何人かいて、中学生くらいかな、長さの違う木の棒を2本持って熟考中みたい。声が漏れてる。
で、結局短い方の棒を持ってレジに持っていてた。
彼が選択しなかった長い方の棒をみると、『オンコ』って書いてあった。木の種類かな?他のはアオダモとか、ヒノキとか書いてある、あ、ラワンとか安い。
一緒に見えてなかなか木の棒も奥が深いって思っちゃった。
棍棒形状のものは平気で、ん万円するしね。侮れないなあ、木の棒。
でも、多分、私にとって、コレって、ただ持つだけなら兎も角、振り回すなら、多分重いし、すっぽ抜けてしまうって、安易に想像ができた。
あ、穴が空いてるから、別売りのストラップを付けれるんだ。よく出来てるけど、ストラップの方が値段が高いわ。でもそれがあるからって、どうもうまくは使えないって気はしてる。
つまり、この安さでこの品揃えでも、ここには私の武器はない気がする。
なんかしっくりと来ないんだ。
コレが、例の俗に言う所の『装備できない』と言う状況なのかなあ。
まあ、いいや、って思いながら、槍のブースに行って見ると、初心者用って、割と槍の方もリーズナブルな金額で売っていた。
安いのだと1980円とか、本当に長くなっただけの木の棒だけど。
一応は先端は尖っってる。
それと竹槍。
結構長いけど、長い故になんかじっくり見ると微妙に曲がってるのが分かる。
北海道に竹林ってないから本州の方からだと思う。
こっちもタケノコとか取りにゆくけど、正確に言うなら、熊笹の子なんだよね。アスパラみたいにして食べると美味しいけどね。
でも、竹ってこの長さになると結構重いし、何より太い。
コレじゃないなあ、って思っちゃった。
何かいい武器ないかなあ、って思っていると、いよいよ端の方まで来てしまって、コレはもう、私に使える武器って今の時点ではないかもって思っていたら、本当に端の方に銀色に輝く棒が一本、棚によし掛けてあって、思わず手にとって見る。
あ、説明書きついてる。
読んで見ると『当店オリジナル』って書いてあった。
名前もついてる。
『物干し竿ウエポン(伸縮機能付き)』って書いてある。
長さは私の身長くらいだから150センチくらいで、先端に、丸い、鋸の歯みたいなものが付いてる。
ああ、伸びる伸びる。、あっという間に4メートルくらいに伸びた。
ああ、そうか、コレって先端のギザギザの刃をぶつける為に振り回す武器なんだ。
しかも軽い。
しかも、今ならセットで、『綿の小手』付きだって。
ああ、綿の小手って、普通に軍手みたいだね、ちょっと手首までの長い軍手、しかもゴムの滑り止め付き。
うーん、コレって、お買い得なんかじゃないかな?
値段も3980円(税別)だって、余裕じゃん。
一応、浅階層◎、中階層✖️って書いてある。
そっか、中階層からまだ武器探さないとダメかあ。
でもひとまずコレでいいや。
私が中階層なんて、後何年かかるかわからないものね。先の事は先で考えよう。
後残ったお金で、ジャージの上から取り付けるタイプのプロテクター、胸当てみたいなっている奴も買う。コレ樹脂製で軽くて安い。
「膝のパットも買っておいた方がいいわよ」
っていつの間にか来ていたお母さんに言われる。
あ、買い物終わったんだ。
いつまでも来ないから、心配して見に来てくれたみたい。
どうですかね、先輩、私のチョイスは、北海道ダンジョンで通用しますかね?
そう思ってお母さんに、物干し竿ウエポンを見せると、
「私たちの時代にはなかったわね、コレなら紙ゴーレムとかも一撃じゃない?」
って言われた。
「え? 神様?」
「ううん、ゴットの方じゃなくて、ペーパーな方」
お母さんの言っている事が、よくわからない。恐らくそう言うモンスターがいるのね。つまり、この武器はそう言うモンスターに対して特攻を持っているらしい。心強いわね。
後、浅階層に行くなら、コレも買っておきなさい、って言われて、殺虫剤を持たされた。ホーマックのオリジナルの安いやつ、もちろんアイテムとして仕様が可能らしい。胸当てに付いているベルトにホルダーがある。ああ、本当にぴったりだね。ストンとその殺虫剤が入る。
一応、買いたい物が一通り決まって、レジに持ってゆくと、今、ダンジョンウォーカー応援キャンペーン中で、会員カードを作るとさらに値引きしてもらえるみたいで、サービスコーナーに行って早速、ホーマックカードを作ってもらって、会計したら、さらに安くなってびっくりした。
さて、兎も角、コレで準備は整った。
コレで明日からダンジョンに行けるわ。
って思って、私はふと思い出す。
「あ、薬草とか買ってない」
するとお母さんが、
「薬草なんてないわよ」
って普通に言うから、
「だって、敵の攻撃を受けた時、どうやってHPを回復させるのよ?」
って言ったら、
「あなたにHPとかないでしょ?」
って普通に言われる。そして、
「ないものは、回復しないわよ」
と言われる。
確かに、私の人生の中でHPなんて、見たことも感じたことも察した事もなかった。
「じゃあ、怪我したらどうするの?」
って聞いたら、普通にサビオを渡された。
お母さん、バックに入れている常備しているサビオ(絆創膏の総称を北海道の人はサビオと言います)を何枚か私にくれた。
ああ、なんだコレでいいのか。
でもばい菌とか入っちゃうかも。
「あ、マキロンとかいいのかな?」
って言ったら、
「ダンジョンの怪我って、不思議と化膿とかしないの、だから怪我したら、それで塞いで、ひどかったらギルドの保健室に行きなさね」
って言われた。
保険証はいらないらしい。
なんか安心した。
じゃあ、いよいよ明日からダンジョンだね。
そして、母さんがまた言った。
「武器や防具は装備しないと効果がありませんよ」
流石に2回目だとちょっと私も煩いなあって顔をする。
するとお母さん、
「大事な事だから何度も言うわよ」
ってしたり顔でいて言ってた。
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