七夕豪雨
kico
第1話
台風を馬鹿にしてはいけない。
馬鹿にしている人を見た事は無いが。
45年以上前のこと。私は幼稚園児だった。
この地域で有名な七夕豪雨。
昼間からずっと雨が降り続き夜中も大雨、風も強い中、町内会の夜の放送、とても激しい台風が来たのだ。
とにかく強風で家の雨戸がガタガタと動き夜もずっと雨風が酷かった。
当時我が家は浸水する場所ではなかった。
近くに坂があったのだが、そこの坂を下ると近くの川からの浸水に毎回住民達はヒヤヒヤしていたと聞いた。
その時も川が氾濫、当時は下水道の整備がしっかりしていなかったのだ。
朝にはもうすっかり浸水していた。
泥水の山の方からの水が辺り一面に広がって浸かっていた。
その浸水した場所に住んでいた友達に会いに、自治会の人達がボートを用意して下の地域を見に行くのを一緒に私も友達に会いにボートに乗せてくれるとのことで。子供心にこれは凄い事ではないだろうか。住んでいるアパート迄向かった。
友達の住んでいる二階は浸水を免れていた。
他も辺りは一階は皆浸かっていた。
事の重大さに幼い子供にはショッキングだ。
アパート辺り迄に着き辺りを見回していたら、
「Kちゃーーん」
あっ、友達のYちゃんの声だ。
私は咄嗟に二階にある友達の声がする二階を見た。
「又遊ぼうねー。今日は水に浸かっているから無理だから」
「うーん。又遊ぼう!又来るねー」と私。
私はYちゃんが無事で良かったと思った。
友達の所迄会いに行き無事だったのを確かめ私はボートを降りた。
私は親と合流して本通りまで歩き今はコンビニになっている所を見た。そこはイチジクの木がある小さな畑がある場所。
かなりの数の何かが見える。親に言ったらミミズ。
ミミズが多数うごめいている。
とても不気味だった。
そしてそのまま家に帰ったのだった。
私は家に帰り親にいつもの町並みでは無いのを話をした。
Yちゃんと会えた事。
幼稚園も休みでつまらないと思った。
この体験は絶対忘れない。
この七夕豪雨と呼ばれている記録的な台風がもう来ない事を祈るばかりだ。
七夕豪雨 kico @kiond
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます