あん♥HAPPY DAY
わたしの名前は、ヤザワミナコ、腐女子である。
バイトの男子がに怒られてるのを見れば、その後の展開を妄想し、サラリーマンを見たら、会社の上司や新人たちとのアレヤコレヤを妄想し、通学中の男子たちを脳内変換した後、妄想している。
ある意味お花畑、もう日々「ご馳走様です、ジュルリッ」の世界が頭の中に展開しているのである。
今日も今日とて、クラスメイトの腐女子仲間たちと、あれはあっちが受けだとか、あの作品のカップリングはどうとか、BLトークを繰り広げ幸せいっぱいであった。
「ソウいえば、ミナコ顔色悪くなってるじゃん、どーしたの?」
「最近、寝不足でさ~」
「同人の締め切り間近だからねー、寝てないんじゃないの?」
キャハハキャハハウフフウフフ
学校の帰り、駅前でフリーマーケットが開催されていた。
もう下校時刻なので、ほとんどの人が片づけをしている。
ふっと、目が留まる、外人のお爺さんだ、ヒゲモジャの……アラブとかそっち系の人?
置いてある物も、変わったアクセサリーとか、どこか外国の本とか、変な像とか。
お爺さんと目が合った、猛禽のような鋭い目、その目が細くなる、笑ってる?
積んであった分厚い本の中から、ノートくらいの本を取り出し、差し出してきた。
「お嬢さん、コレを差し上げよう」
手に取って眺めてみる。
ノートくらいの本なのに、固い革張りの表紙に金色の文字が書いてある、無駄に豪勢な感じだ。
「お爺さん、これって……」
本から目を外し前を見ると、そこにはさっきのお爺さんじゃなくて、ファンシーなぬいぐるみに囲まれた、メガネのおじさんが居た、きょとんとした顔で見ている。
「え?あ……」
気恥ずかしくなって、足早にその場を離れる。
何だったんだろう? 夢ではないのは、手に持っている本が証明している。
何だったんだろう? さっきのお爺さんはどこに?
何だったんだろう? 初めての非日常に、ドキドキと胸が高鳴る。
家について、自室にこもり、怪しいお爺さんからもらった本を眺めてみる。
200ページもないだろう厚さで、むやみに固く豪勢な皮張りの本。
広げて、中を見てみる。
アルファベットではあるけど、何が書いてあるかわからない、英語ではないだろう。
挿絵もあるのだが、何やら名状しがたいモノたちが、触手を絡ませあっている絵や、触手を絡ませあって何ともいえない空間を飛んでいる絵やらがあった。
見ていると頭がくらくらして、めまいがしてきたので本を閉じた。
ここで、私は確信した、こりゃ魔導書の類だ! と、薄いのはどこかを抜き出したのかもしれない。
さてさて、ネクロ〇ミコンか? それともナコ〇写本、セラ〇ノ断章かしら?
一般ピーポーなら、発狂するかもしれないが、こんなもんケモショタとか触手モノとかも大好物の腐女子なめんな(ちょっとLV高いけど)。
「よし、今日は寝よう、色々あったし少し疲れた」
布団に潜り込み、目を閉じる。
今日も大好きな〇〇と××でアレヤコレヤしてる夢を見よう。
ウトウトと夢の世界に入っていく。
あぁ、麗しい〇〇と××の……えっと、口から何か出てますが、ニョロニョロと。
あ、ライバルキャラ出てきた、三つ巴か? あー、なんか袖口とかから出てますけどウネウネと。
金髪ショタキャラまで、なんかねじくれて粘液だしてる!?
あー……ちょっとまてぃ! あたしの夢なんだから好きに見させろい!
……
「ミナコー、そろそろ起きなさーい」
お母さんの声がする。
あー、くそー、寝れたんだか寝れてないんだかわからないわ。
身支度をしながら、机の上の本が目に入った。
「くひっ」
変な声が出た、鏡を見たら笑ってる、我ながら気持ち悪い。
「あんた、大丈夫?笑いながらご飯食べて気持ち悪いわよ?」
朝ごはんを食べてたら、お母さんが言ってきた、わかってるんだけどね~、鏡見たし。
「大丈夫、大丈夫、んじゃ、行ってくるね~、くひっくひひ」
カバンの中には、あの本が入っている。
あの子達にも見せたあげようと思って、持って行く事にしたんだ。
「くひっ」
あぁ、きっとあの子たちも喜ぶわ。
その本は、もっとも新しく、忌まわしい魔導書。
【U Su】
その本の表紙には、そう書かれていた。
@@@@@@@@@@@@@@
ごめんよー、ウ=ス異本ネタを書いてみたかったんだよー(*´Д`)
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