いつか、空で

 殴り会う程の喧嘩をしたことがあるだろうか。


 あるいは口よりも先に手が出てしまったことが。


 おそらくだが、感情のコントロールが難しい幼少期ならともかく、大人になってからそんな体験をしたことがある人は少ないのではないか。


 人を素手で叩くというのは案外勇気がいるものだ。やり返されたら、怪我をさせたら、この一発から大きな問題に発展したら…怒りのボルテージが沸点まで上がりきる前に様々な思いが頭を巡り、振り上げた拳をそのまま静かに下ろせるのが理性ある大人というもの。その制御が効かなくなる程に他人を怒らせるなんて、そうそうあることではないのだ。


 だけど光は日和に平手打ちを喰らった。それほどまでに彼女を怒らせてしまった。なにが決定的だったのかは今でも分からないが、彼女の中で理性が効かなくなるくらいに頭にくることを自分はやってしまったのだろう。


 まさか大人になってから平手打ちを食らうなんて思ってもいなかった。叩かれて気付いたが、その瞬間というのはびっくりするくらいに現実味がない。何故叩かれたのかとか、そんなことを考える余裕もなくて、ただただ呆気に取られるばかりで終わってしまう。そして一生懸命に頭を動かした結果が「体罰を受けた」という、相手を陥れて自分を守る言葉だったのだ。


 しかしながら呆気にとられながらも、その内側では極めて冷静に、あくまでも平静に、人はそういう時妙にクールになること、ちょっと耳鳴りが残ること、そして何故だか笑えてくること。そんな、この先役立つかどうか分からない事を光は感じていた、


 まぁ、出来ることなら、二度と役に立ってほしくないというのが本音だが…


 叩かれた頬は痛かったものの、それ自体は悲しくもショックでもないし、光自身はビクリともしていない。強がる必要もないので、強がってもいない。こっちが嘗めてかかっていたのだから、そういう一線を越えてしまうリスクは常に感じていた。その時が突然やって来ただけだ。


 だが、もしこれがただの友達同士で、完全にプライベートとしての関係で叩かれていたのだったらどうだろう。もしかしたら泣いていたかもしれないし、あたふたしていたかもしれない。柄にもなく、今頃腫れてもないほっぺを氷で冷やしながら、一人ベッドで泣いていたかもしれない。


 初めて人に叩かれたのは小学生の頃。大人しい性格の友達をからかって、その子の玩具かなにかを奪って壊した時、担任の先生に平手打ちを食らったのがそうだと思う。


 ちょうどあの時も、叩かれた直後はびっくりするばかりでなにも言えず、きっと生意気な目付きで先生のことを睨み付けていたに違いない。しかしそんな自分に決して引き下がることなく、その後丁寧に言葉で叱ってくれた先生のことが強く印象に残っている。


 今思えば酷いことをしたものだ。あそこで先生が手を出していなかったら、きっとからかいはエスカレートして虐めにつながり、取り返しのつかないことになっていたかもしれない。もっとも、その事に気付いたのは先生と別れて随分と経った後のことだけれど。


 その後も、大人を困らせるようなことをして説教されたときには、決まってその平手打ちを食らった日のことを思い出した。特に誰かに甘えたくてたまらなかった中学二年生、問題行動ばかり起こしていた、ちょうど思春期と呼ばれる頃だ。


 時にはビンタされることもあった。今だったら体罰問題になっていたかもしれないが、当時としては珍しくない事だったし、なにより自分自身が体罰だと捉える事はなく、むしろビンタされたり、怒られることで甘えることができていたのだから、実は今でも感謝している。


 そう…まさしく「甘え」だ。


 確かにあの時の自分は、平手打ちを食らうことで何かを得て、甘え、救われていたのだ。恥ずかしながら今の自分は、あの時からまるで成長していない。誰かに甘えて困らせて、叩かれた痛みでようやく気付いて、そして自分を守ることに精一杯になるのだ。


 一方で光は、誰かを平手打ちしたことがない。それは叩くことで求めるのではなく、叩かれることで求めてきたからだろう。叩いて求めるほどに、光は自分に自信がない。


 だから光は、平手打ちをする人の苦悩や葛藤、手の痛みを知らない。そして申し訳なさそうに「ごめんなさい」と謝る時の気持ちを、推し量る事はできても、感じることは出来ないのだ。


 日和は光から見ても優しすぎる性格で、他人を叩けるくらいに強くはないはずだ。そんな彼女が抱える苦悩とは、一体どれほどのものだろうか。そして、厄介な後輩なんて放っておけばいいものを、それを限界まで見捨てない彼女の、なんと責任感の強いことか。


 そんな彼女の優しさに、そして彼女に甘えることができていた幸運に、先輩たちが走る声を遠くに聞きながら、光はじわりじわりと痛感するのだった。



 最後まで誰一人欠けることなく、そして意気揚々と先任期たちが帰還する。彼等は光たちの倍の距離を走っているわけだが、それなのに後輩よりも元気な姿を見せるその力強さには素直に拍手を送りたくなる。


「中隊、止まれ!」


「健康状態異常ある者!」


「なぁし!」


 最後まで疲れは根性で隠し、整然と舎前に並び直す先任期たち。そこに一切の無駄な動きはなく、気まずさで光は彼等を直視できなかった。


「報告します! 先任期学生、人員装具異常なし! 訓練終了します!」


「宜しい。お前たちの真剣さは十分伝わった。今後も現状に満足することなく、責任を持って後輩指導を行っていけ」


 報告を受けた岩本2尉は満足そうに頷き、続いて光たちへと目を向けた。


「恐らくこいつらも、自分の立場というのが理解できただろう。これで多少は航学らしさが戻ってくるな。結構なことだ」


 ようやく解散を告げられ、区隊長ら基幹隊員は学生隊舎を去っていく。その姿が見えなくなると緊張の糸はぷつんと切れ、あの凛々しかった先任期たちでさえ弱々しく地面に崩れた。


 最初に声を上げたのは月音だ。


「あぁぁ! つっかれたぁぁ!」


「やめなさいよ、みっともない」


 そう言う冬奈も疲れきった様子で銃を降ろす。本当はこんな重りなんて投げ捨てたいくらいだが、そういうわけにもいかない。


「こんなに走ったのも久しぶりだね…」


「ほんとだよー。日和ちゃんの場合は体力有り余ってるから平気だろうけどさ」


「そんなわけないでしょ! 私もかなりキツかったよ!」


 そりゃそうだと一同は笑いあう。体力的には限界に近いが、心にはまだ余裕があるみたいだ。これこそ一年間航空学生として訓練を続けてきた成果というものだろう。


 取り敢えずこれで戦いは終わった。この後は武器を返納して、そうして正式に解散となる。さっさと終わらせて身体を休めようと、日和は再び銃を肩にかけた。


 その時だった。


「日和先輩!」


 その声はとても聞きなれた声で、しかしそうやって呼ばれたことは一度もない。だから最初は耳を疑ったが、まさかと思って振り向いた。


「…先輩」


 光だった。もう一回、絞り出すように「先輩」と呼び、そして少しだけ気まずそうに視線をそらしながらそこにいた。相当勇気を振り絞っているのだろう、強く握りしめたその手は僅かに震えてるように見える。


「坂井、下がってろ」


「いいよ沢村、私は平気だから」


 またなにか起こるのではないかと心配した沢村がやって来るが、日和は優しく彼を抑える。今の光には、いつものような尖ったオーラがない。なにより向こうから話しかけてくるあたり、噛みついてきてるわけではなさそうだ。


 あくまで冷静に、いつも通りのトーンで話す。大丈夫だ。もうそんな簡単には理性を失ったりしない。


「光、どうかした? なにか気に入らないことでも…」


「すいませんでしたっ!」


 こちらが言い終わる前に深々と頭を下げられる。それがあまりに大きな声だったので、周囲にいた学生たちは皆一斉に日和たちへと目を向ける。


「私っ! 先輩の気持ちを全然考えてなかった! 自分のことばっかり優先して、生意気なことばかり言って困らせて…先輩がどれだけ真剣に後輩指導をしているかなんて知りもしないで」


「そんな、私こそ…」


「いやっ!」


 日和の声を遮るように光は顔を上げた。


「私は自衛隊のことをどこか下に見ていたんだ。ここに来てから毎日、パイロットとは関係ないことばかりやらされて、その代わりに下らない戦争ごっこやって、自己満足で終わって…そんなところに集まる人たちなんて、どうせ大したことないと思ってた」


 彼女の言いたいことは分からないでもない。航学とは、将来パイロットになることを目指した者たちが集う場所。彼女もそんな志高い若者の一人だったはずだ。しかしこの航空学生課程では、パイロットの基礎を作るよりも先に一人前の自衛官になることを要求される。その理想と現実とのギャップに、モチベーションを保つことができない学生だっている。


 特に将来を焦っている光には、それが苦痛で仕方なかったのだろう。


「でもここの人たちは本当に強くて、私なんかよりもずっとパイロットに相応しい人ばかりだった。ようやく分かったんだ。強くなりたかったら、この人たちに付いていくのが一番の近道なんだって」


「なにが近道かなんて、私にも分からないけど…」


 けれど光は、今日の訓練を通じて色々と感じとり、一つの答えを出せたようだ。それはそれで先輩として嬉しかったし、彼女が今までの行いを反省してくれているなら、それでいいかと日和は思っていた。


「だから、これから宜しくお願いします! それで、いつか絶対追い付いてみせますから!」


「あはは…油断できないね」


 光が握手をしようと手を差し出してくる。初めて出会った時のような馴れ馴れしさはなく、ちゃんと敬意を持って。


 全部仕切り直しだ。そう思って日和が手を伸ばそうとした時だった。


「坂井、本当にもう満足か?」


「え?」


 突然の沢村の一言で日和は固まる。


「お前はお前で、ちゃんと心の整理を付けておかないといけない事があるはずだろ。違うか?」


「心の…整理」


 日和は自分の右手を見つめる。つい先日、光の頬を叩いた手。その時の感触は今でも覚えているし、二人にとって拭いきれないわだかまりになっていることは確かだ。


 今後光と共に歩んでいくためにも、これもしっかり綺麗にしておかなければならない。


「私からも、ちゃんと謝らせて欲しい。どんな理由があったにしても、私は先輩として絶対やってはいけないことをしたんだ」


「別に気にしてないよ。私が調子に乗り過ぎただけだし」


「それだと私が満足できないんだ。ここで全部、スッキリさせておきたい」


 念を押すように言うと光はなにかを察したようで、分かったと小さく頷ずく。


 その瞬間だった。



 パシンッ!



「…っ!?」


 光の平手が日和の頬を捉え、鋭い音が響き渡る。一瞬なにが起こったのか分からなくなって、やがてじわじわと痛みが伝わってきて、ようやく平手打ちを食らったのだと日和は理解した。


 周囲でその様子を見守っていた同期たちはどよめくが、すぐに沢村が「やらせておけ」と手で制する。その顔はやけに楽しそうだった。


「ったはは…確かに、叩くほうの手も痛いんだね」


 光は僅かに赤くなった手を擦りながら言う。まともに人を叩いたのはこれが初めてで、ようやくその人の気持ちをちょっとでも感じることができたようだった。


「さて、これで全部チャラ! それでいいよね?」


「っ痛ぁ…私、こんなに強く叩いたかな?」


「まぁそこは、利子込みってことで」


「なにそれ…まぁ、いっか」


「そうだよ…ふ、ふふ…」


「あは、ははは!」


 二人は手を取り合って笑う。溢れる涙を拭おうともせず。出会ってから一度も通じることのなかった心が、この時ようやく繋がった気がした。それは先輩と後輩として、同じ航空学生として、そして友達として。互いに一回りも二回りも大きくなって。


「なにあれ…不良モノの青春マンガみたい」


 半ば呆れた様子で言う月音に「そうだな」と沢村は返す。


「でもなんか、羨ましくないか?」


「うへぇ…殴り合いは勘弁だよ」


 遠くから黒木2曹が武器返納を催促する怒鳴り声が聞こえてくる。言われなくてもと学生たちは悪態をつくも、けれどだらしない姿は決して見せないようにして、それぞれ銃を手に取り群庁舎へ走り出した。





「色々とありがとね」


「…なにが?」


「色々だよ。私と光のこととか、色々」


 地獄の訓練が終わった翌日、いつもの朝礼を終えた日和と沢村は課業の為に教場へ向かおうと、群庁舎の階段を上がっていた。昨日は戦闘服装に銃を担いで10km以上も走っているため、一段一段上るだけでも足が震える。


「あの後、俺のところにも謝りに来たんだ」


「光が?」


「ちょっかい出して悪かったってな。俺だって、先輩として中途半端なことしなけりゃここまで大事にならなかったんだ。お互い様だって言って追い返したよ」


 情けない話だと沢村は舌打ちする。


「結局俺は、いつもなにも出来ず終いだ。お前や、光とかに翻弄されてばかりだよ」


「そんなことないって。私が困ってる時、いつも最後の一押しをしてくれるのは礼治だよ。ありがとう」


「一押しって、なにが…いや待て、今お前、俺のこと名前で…」


「あ、区隊長!」


 話の途中で日和は沢村を置いて駆け上がる。その先の二階中央フロアには、いつもは区隊長室に籠っているはずの徹美がいた。


「おはようございます!」


「おはよう。身体のほうに異常はないか?」


「筋肉痛くらいですかね」


 やや皮肉っぽく沢村が答えると徹美は乾いた笑いを浮かべた。


「若いからすぐに治るさ。さて、私はこれから群司令のところに行ってくるよ」


「群司令…何故ですか?」


 説教だよ、と徹美は頭をかく。


「もともと無謀だと言われる訓練を強行して、学生が何人も倒れるまで走らせたんだ。お叱りくらいは受けるさ」


「でも、それは私たちの為に…」


 もともとは理不尽の訓練を行って後任期の性根を叩き直し、日和が暴力を振るった事実を隠そうとしたというのが目的だ。学生を守るため、航学全体のことを考えて行った訓練であって、そこに日和たちはなんの不満も持っていない。


「そうもいかないのが大人の世界さ。これで教官職を解かれ、部隊に戻れるとかだったら万々歳なんだがな」


 じゃあなと軽く手を振って徹美は行く。学生の為に、日和の為に全ての責任を背負って。


「く、区隊長!」


 呼び止められ、徹美は首だけこちらに向ける。


「なんで…」


「なんで?」


「なんで私たちのために、そこまで…」


 彼女は望んで航学群にやって来たわけではない。できることならば航空団で戦闘機に乗り、今この瞬間も空を飛ぶことに集中していたいはずだ。そんな彼女がどうしてここまで日和たちを守るのか。


 その問いに徹美は「当たり前だろ」と返した。


「私はお前たちの先輩だからな。先輩は後輩を守るものだ。お前たちが72期の代わりに走ってやったみたいにな」


 それは脈々と受け継がれてきた航学の伝統。なにがあっても、無条件で、先輩は後輩を守る。だからこそ後輩は先輩を敬う。美しいほどに絶対的な上下関係。それは入隊して10年以上経つ徹美でも、当然日和たちにも身に付いている習わしだ。だから徹美は日和を守った。それだけの話。


 でも、だからこそ日和は徹美を先輩として尊敬できたし、ずっと付いていきたいと思った。


「区隊長、私…」


「なんだ?」


「私、イーグルドライバーになります!」


 ほぅ、と徹美は目を丸くする。イーグルドライバー。航空自衛隊において、F-15J戦闘機の搭乗員が敬意を込めてそう呼ばれる。数週間前まで希望機種も答えられなかった日和が、具体的に「これに乗りたい」と宣言した瞬間。そしてそれは徹美が乗る戦闘機と同じ機種だ。


「ずっと、ずっと区隊長と一緒に飛んで行きます!」


「…そう、か。そうか」


 こんなことを後輩に言われたことがなくて照れているのか、それとも日和の成長を喜んでいるのか、笑みが溢れそうになるのを徹美は視線を反らして隠した。


「…くだらんこと言ってないで、さっさと教場へ行け。課業が始まるぞ」


「あ、えっ!?」


 時計を見ると一時限目開始まで残り数分しかない。いつの間にこんなに時間を潰していたのだろうかと日和たち二人は徹美に頭を下げ、慌ててその場を後にした。


「…頑張れよ」


 決して聞こえない声で徹美は日和の背中にささやく。彼女が本当にパイロットになれるかどうかは徹美にも分からない。しかしその為のサポートは全力でやってあげよう。学生の教育なんて微塵も興味がなかった徹美だが、何故だか日和に対してはそう思えた。


「さてと、なんて言い訳したもんかな…」


 せっかくの良い気分だが、これから航学群のトップに説教を受けるという事実は変わらない。それももともと「責任は自分が取る」と豪語してしまった自業自得なのだが、そうとは分かっていてもお叱りを受けるのは面倒だ。相変わらず足取りは重く、長く長く息を吐いた。


 と、その時。


「おいロック、どこに行くつもりだ?」


 呼び止められ、また振り向く。今度は学生ではなく学生隊の先輩たち、国本3佐と小幡1尉だ。


「どこって…群司令室ですよ」


「昨日の訓練の件か。全く、着任したてで無茶なことしたもんだな?」


「…笑いに来たんですか?」


 肩を叩く国本3佐を徹美は睨み付ける。しかしそんなことで怯む彼らではない。


「責任を取る…なんて、できもせんこと言うからこうなるんだ」


「それが幹部です。それに、アイスさん(小幡1尉)には関係ないじゃないですか」


 馬鹿を言え、と国本はパシパシと徹美の頭を優しく叩いた。


「2尉ごときが一人前の口叩くな。こういう時にはな、大人しく先輩に泣きついていればいいんだ」


「…どういうつもりですか?」


 国本と小幡は顔を見合わせてニヤリと笑う。そして「任せとけ」と一言告げると、徹美を残して群司令の待つ群本部へと歩き始めた。


「俺とアイスがうまいこと説明してやる。なに、群司令だって航学出身者だ。ちゃんと話せば分かってくれるさ」


「我々でダメなら学生隊長がなんとかしてくれる。そういうことだから、ロックは黙ってそこで待ってろ」


 先輩は後輩を守るもの。ついさっき自分が日和に言ったことと、全く同じことを彼等はしてくれていた。そこに理由はない。先輩とはそういうものだから。それだけで十分だ。


 ここで下手に食い下がればそれは先輩を侮辱することになる。全てを悟った徹美は姿勢を正し、美しく整った敬礼を二人に送った。


「甘えさせて頂きます。この御恩は、いつか空で…」


「ああ…いつか空で、な」


 入ります! と学生のような大声で国本たちは群本部へと入っていく。徹美はそんな彼等の勇姿をしっかりと脳裏に焼き付ける。


 いつか空で、日和と出会う時もくるだろうか。


 そんなことを考えながら徹美は、彼等が群司令に許されて帰ってくるまで、決してその場を動かなかった。

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